箱ゴリラ

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R1グランプリ2024感想

R1グランプリ2024の吉住の一本目のネタ、だいぶ危ういなと思ったし倫理的にはあの構造は違うんじゃないかなと思う。 ただ、「デモに向けられる警察官の目と結婚に反対する恋人の両親の目が同じ」という部分はとてもいいと思った。 国家と家族が権力構造として相似形であることを鋭く風刺しているがそこに憎たらしさを感じさせない。 おそらく難しいのは、今の社会においてそういう鋭い批判が「安全な笑い」の枠からはみ出ないためには表面的には「政治運動家の方を笑う」という構造が必要ではあるように

    • ツルツル、エクセル、政治家

      若い人はツルツルしているなと思う。 肌が、というだけでなく話していること、表現、あるいは反応が。 ここ1年、自分の身を置く環境を大学に移したことで20歳前後の人と多く関わるようになった。みんなツルツルだ。 思えば今若くない友人達も若い頃はみんなツルツルだった。 もっとすぐ笑ったり怒ったりしていた。 みんな随分としわくちゃになったなと思う。 しわくちゃになるとはどういうことかというと、Excelである。 Excelというのはとてもしわくちゃだ。 縦横に線が引かれ表になってい

      • 演技それ自体のサスペンス性~クエンティン・タランティーノ監督作を見直して~

        クエンティン・タランティーノのドキュメンタリーが上映されている。 これを見る前に少なくとも監督作は全て見直しておこうと思い、この機会に見直した。 なお、『トゥルーロマンス』などタランティーノが脚本のみ担当している作品や『フロムダスクティルドーン』などの出演作は見返していない 元々タランティーノは好きな監督だったが、数日間で一気に10作見直したことで新しい発見があったため以下簡単にまとめておきたい。 芝居と活劇まず、タランティーノは芝居と活劇を撮っている作家であるというこ

        • 『恐竜ガーティ』論 アニメーションの他者性

          0.従来の『恐竜ガーティ』評価『恐竜ガーティ』(1914)はアニメーション映画黎明期におけるアメリカの作品であり、アニメーション映画の先駆的な仕事をしたウィンザー・マッケイの代表的な作品である。 例えばアニメーション研究者であるポール・ウェルズは『恐竜ガーティ』について、マッケイがガーティのアニメーションと対話し、最終的にマッケイがガーティの背中に乗って映画の中に入っていくことを説明しつつ、以下のように評価している。 ウェルズ自身が「大袈裟な評価に思えるかもしれないが」と注

        R1グランプリ2024感想

          2021年 振り返り

          制作実績2021年は自主制作短編映画を9本制作いたしました。 ・『人形の家』(23分) ・『鏡の音』(2分30秒) ・『怪奇!耳掻き蟲』(1分) ・『インターホン』(5分) ・『ミミック』(3分) ・『アナタタチ』(3分) ・『蛇女』(15分) ・『最終電車~地獄の運転士~』(7分) ・『妻の蛹』(34分) 「最終電車」は電車のテロを扱った内容のため、現実に似通った事件が二度起きたため公開をやめましたが、それ以外は全てYouTubeチャンネルで公開しております。https:

          2021年 振り返り

          TheWとW杯は作戦対決人間である

          お笑いの大会は以前までキングオブコントが一番好きだったが最近、TheWの方が好きかもしれない。 何でもありで自由な戦いが好きだ。 何をやってもいいからこそ、作戦対決になる。 作戦対決度合は、以前までキングオブコントが一位だったが今やTheWが優勝している。 女性でありさえすれば、漫才でもコントでもいい。音、照明、美術はもちろん映像だって使っていい。なんでも使っていいからこそ、使わないという選択もまた作戦になる。 人数も、一人でも二人でも三人でももっと多くてもいい。もしかし

          TheWとW杯は作戦対決人間である

          【お知らせ】今後箱ゴリラに関わる全てのモノ作りにおいて、プロデューサー制度が適用されます

          今後箱ゴリラが関わる全てのモノ作りにおいて、本日より以下の通りのプロデューサー制度を適用されます。 プロデューサー制度①プロデューサーの権限と役割 ・プロデューサーは企画に関わる全決定に責任を持ち、企画の実現にかかる予算を全額負担します ・プロデューサーは複数人で担当することもできます(その場合は費用負担内訳や各決定事項の決め方はプロデューサー内で決めます) ・ここでいう企画とは、プロデューサーが企画と考えるありとあらゆる実現したいアイデアを指します ②作業者の報酬 ・プ

          【お知らせ】今後箱ゴリラに関わる全てのモノ作りにおいて、プロデューサー制度が適用されます

          表現の内容について

          電車は飛行機と違って ・乗るまでに厳しいチェックがない ・乗組員の数が少ない バスと違って ・他の交通から疎外された閉鎖空間になっている という構造が怖いなというところまでは1ヵ月前には思っていた。(電車について考えたのはたまたまだったけど) そして二週間で動画を作って公開し、二週間で3000回ちょっと再生してもらえるところまではいけた。(今は非公開にした) 客観的に考えればだから何?って話なのは二億%承知の上で、主観的で傲慢な実感としては自分にもっと力があれば、何か

          表現の内容について

          プロデューサーについて

          会社2年目の頃、自分が1年間くらいかけて(月100時間を超える残業とかしながら)やってた仕事が予算とスケジュールの関係上プロデューサー判断で全部無しになり、製品に一切のらなかったことがあった。 悔しくて会社帰りの夜中河川敷に行って泣いたが、今分かった。 プロデューサーが完全に正しかった。 当時の私は、技術面、リソース面の知識が少なく、自分の設計の甘さをあまり認識できていなかった。 今なら分かるけどあの設計を押し進めていても、いつまで経っても自分の意図通りの形では完成しなか

          プロデューサーについて

          怖い思い出「スズメの群れ」

          怖かった思い出。 私がこどもの頃、母にこんな話を聞かされた。 母は子どもの頃、庭のある一軒家に住んでいた。 夕方、学校から帰ってきた母は、庭にスズメが1羽来ているのを見つけた。それから、なんとなしにスズメに米粒をやった。 スズメは米粒を嬉しそうに食べた後、飛び去って行った。 それから母は、毎日学校から帰ると庭に米粒を少しまいた。 スズメは母のまく米粒目当てに庭にやってくるようになった。 最初、一羽だったスズメは次の日には二羽、またその次の日には三羽と増えていった。

          怖い思い出「スズメの群れ」

          2021年度の目標 4箇条

          昨年度は一年間ありがとうございました。 2021年度の目標(やりたいこと、やるべきこと、できる(と信じてる)こと)4箇条です。 ①ショットの質 空間、被写体、カメラ、運動、時間、光の関係性 ⇒見てて気持ちいい、美しい、かっこいい ②ギミックの質 動線、カメラワーク、編集、CGによる仕掛け ⇒見ててびっくり、不思議、楽しい ③サスペンスの質 直感と驚き、フリとオチ、緊張と緩和 ⇒見ててハラハラドキドキワクワク ④テーマの質 アイデア、題材のオリジナリティと普遍性 ⇒見

          2021年度の目標 4箇条

          短編ホラー『人形の家』制作記録

          1本新しい自主映画を作ったのでその振り返りと今後の課題について記録を簡単に残しておきます。 ●意図 ①ホラーというジャンルを設定することで「怖い」という明確な基準を目標にする ②ただ驚かせる、ビビらせる、嫌な気持ちにさせるのではなく、緊張感を作ること、つまりサスペンスを演出する方法を獲得する ③大掛かりな美術を作れない技術的制約、普通の一軒家というロケ地において3DCGを有効活用することで映画的に成立させる ●結果 ①怖い部分もあれば怖くない部分も残ってしまった。 とくに

          短編ホラー『人形の家』制作記録

          こんな夢をみた

          第一万四百十五夜 大学時代のバイト仲間一人と焼肉屋で食事をしている。 食べ終わって会計を済ませて帰ろうとすると、なぜか彼女は店の制服に着替え店員として働き始める。 「帰らないの?」と聞くと、「もう帰れないんです」と言う。 私は少し悩み、「一緒に帰ろうよ」と言うとその人は心底嬉しそうな顔をして「はい」と答える。 二人で夜道を出るとそこは広島だった。 川沿いの道を、もう深い夜だというのに学生服の少年たちが歩いている。 しかし、よく見ると風景や地名は京都そっくりである。

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          習作「模型に棲むもの」 制作記録(カメラワークのある実写映像にどう3DCGを合成させるかについて)

          VFXの練習として作った30秒ほどの超短編ホラー ・家の模型はblenderで作った3DCGモデル ・模型が置かれている場所は自室の実写映像 やる前に思ってたこと1.ヘレディタリーのファーストショットのような模型の家にカメラが入っていくような表現をやってみたい 2.カメラワークがついた映像でいかにCG合成するかを技術検証したい 試行錯誤の過程●まず、blenderのモーショントラックを使ってみた 最初はてきとうに撮った映像を使って、blenderのモーショントラック機能

          習作「模型に棲むもの」 制作記録(カメラワークのある実写映像にどう3DCGを合成させるかについて)

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          ゴーストオリンピック東京

          50秒弱のとても短い軽めのホラーです。 最近blenderを使い始めたのですが、VFX楽しいです。

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          思考について思考する

          私は思考することが好きであり、思考する人が好きであり、思考が好きである。 そういうわけで、今日は思考について思考したい。 「思考する」とは、「思う」ことと「考える」ことだ。 「思う」ことと「考える」ことはどちらも頭の中で起こる現象として「思考」としてひとまとめのものと思うことも考えることもできるが、それらを別々のものと思うことも考えることもできる。 私の思う、「思う」/「考える」の区別はざっと以下のようなものだ。 思う/考える 読む/書く 聞く/話す 問題を見つける/

          思考について思考する