ツルツル、エクセル、政治家

若い人はツルツルしているなと思う。
肌が、というだけでなく話していること、表現、あるいは反応が。
ここ1年、自分の身を置く環境を大学に移したことで20歳前後の人と多く関わるようになった。みんなツルツルだ。

思えば今若くない友人達も若い頃はみんなツルツルだった。
もっとすぐ笑ったり怒ったりしていた。
みんな随分としわくちゃになったなと思う。

しわくちゃになるとはどういうことかというと、Excelである。
Excelというのはとてもしわくちゃだ。
縦横に線が引かれ表になっている。1マス1マスに値や数式が打ち込まれ、それらが相互に連動している。

表面的には必要な情報だけが整理されたツルツルな世界に見えて、その裏側に複雑怪奇なしわくちゃのシステムが存在する。
大人になるとは、ワードやパワーポイントからExcelになるということである。そんな気がしてならない。

けれども、私はこのところ皺を伸ばそうとしている気がする。アンチエイジングに精を出しているのかもしれない。

若い頃はしわくちゃにしわくちゃになろうと必死だった。
難しいこと複雑なことを考えること、考えることを投げ出さないこと。そうあることが大事だと考えていた。なぜだか分からないけど。

ただ、近頃思うのである。
Excelではなく、水になりたい。

とは言ってもニュースで政治家が話すのなんかを見ていると、ワードとパワーポイントだけでしわくちゃにすることの不毛さを反省し、ちゃんとExcelを使わなきゃと思わされる。