短編ホラー『人形の家』制作記録

1本新しい自主映画を作ったのでその振り返りと今後の課題について記録を簡単に残しておきます。

●意図
①ホラーというジャンルを設定することで「怖い」という明確な基準を目標にする
②ただ驚かせる、ビビらせる、嫌な気持ちにさせるのではなく、緊張感を作ること、つまりサスペンスを演出する方法を獲得する
③大掛かりな美術を作れない技術的制約、普通の一軒家というロケ地において3DCGを有効活用することで映画的に成立させる

●結果
①怖い部分もあれば怖くない部分も残ってしまった。
とくに恐怖を見せる、ビジュアルとして表現する部分は課題が残る結果となった。

②サスペンスの演出は理論を実践して一定の効果を得ることができた。
恐怖を予感させる、何かが起こりそうな状況で緊張感を高めるという基礎の感覚をつかむことができた。
この点は今後ホラー以外をやるにしても有効活用できるはずと考える

③3DCGの基礎的な方法論を学んだ
一定の効果を得られたと同時に、今回は模型というそもそも作りものを表現したことで納得感が出やすかったという側面はあった。
怪物の表現などはかなり課題が残り、今後どこまで応用できるかは未知数
また、多用すれば管理コスト、制作コストは上がっていくというのも注意すべき点

その他発生した課題
・シナリオ未整備問題
シナリオを整備しきれなかったのと、元々設計していたシナリオが技術的制約や時間的制約によって実現できなくなったときに安易な解決に走ってしまいシナリオに粗が残ってしまった

・音
音は全体的に粗い。キャパオーバーしてあまりちゃんと見れなかった

・露出、色、画面
出演者が多数いる状況でカメラもやってというのがきつかった
結果、撮影は甘い箇所が残り、後処理もCGを色々さばかないといけなくなって甘くなってしまった
ただショット自体はお気に入りのものも多い

●今後に向けて
・ホラーを継続するかどうか
→YouTubeにあげ続けるならホラーはありな気がしているが(検索で入ってきた人が結構見てくれている)、仲間内は別にホラーが好きな人が多いわけではないというのが悩みどころ

・脚本担当を自分以外の人にしてしまいたい
→そもそもちゃんとした脚本を書くことは得意ではなく、シナリオ作業は割と雑にやってしまう傾向がある(会社の仕事でも台詞を書く仕事などてきとうにやってよく怒られちゃう)
また、自分のシナリオにあまりこだわりがないため、撮影中や編集中に途中で曲げてしまうことも多い。(無駄に変なこと入れたりわざと破綻させたりしてしまう)
たぶん他の人の脚本なら相手を尊重するのでそんなことはしない

あと、チーム全体の問題として「脚本は映像を作るための設計図」という共通認識はもっと必要。書く方も読む方も。
読むときに文章として読むんじゃなくてちゃんと頭の中で映像を想像して意見を出し合えるようになるのが理想(難しいと思うけど)

・音
これも誰かできる人がほしいけど、いないなら自分で勉強するしかないか…という感じ

・撮影、照明
ここはもっとちゃんと自分で勉強したいなと思った。カメラ好きな人いれば一緒にやっていきたい
知識を身につけ、技術をあげてけばもっと速く正確にでき、その分俳優の演技や動線に時間を使えるようになる

・3DCG
ロケ地の問題があるので使ってはいきたい
この作業は楽しいので誰か他の人も誘いたい
CGのビジュアルで勝負する部分をやるなら腕のあるアーティストは必要

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