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一冊の本の出会いで京都ランチが決まった話

結論

 経営者、労働者、取引先、消費者、環境がお互いWin-Winな関係になるように築くことができる。

 今回は、一冊の本がきっかけで知った佰食屋でランチをいただいた話です。佰食屋は、働き方改革で注目されているお店です。長時間労働が問題になっているご時世。飲食業界は仕込みの時間も考えると、1日、労働時間で独占するような状態に陥りやすく、休みもとりにくい業界です。売上を出さないと、経営も難しいのが現実です。そんな中、営業時間を減らしても、売上を確保し、経営も安定できる秘密がありました。ぜひ、広まってほしい働き方だと感じましたので、下記の本を元に紹介します。

佰食屋

 京都市にある、小さなステーキ丼専門店。
 このお店を知ったきっかけは、下の動画を見て興味をもったから。

 開業から2019年までの歴史をつづった本も購入しました。今回は、本、動画から新しい働き方を学び、実際に佰食屋に行った話について書きます。

脱売上至上主義

→売上を減らして利益を確保するには?
・生活できる程度に稼ぎ、規模を拡大しすぎない。
・仕入れ量、営業時間を絞る。
・広告費はかけず、売上を原価に回す。

売上を決めることによって得られるもの

・プライベートの時間の確保。
・仕入れ量が決まっているためフードロスを減らす。
・マニュアル通りに働けばいいので誰でも働ける。

実際に行ってみた

 阪急西院駅から徒歩6分、住宅街にあるお店が佰食屋です。来店時、コロナ禍の影響でテイクアウトも対応していました。一時期、4店舗に拡大していたものの、新型コロナウイルスの影響を受けて経営悪化。2店舗に減らした結果、復活しました。成功すると、どうしても拡大したい欲が出てしまいます。

整理券制

 まずは店員さんから整理券を受け取ります。システムが画期的で空いている時間から自由に選べるほぼ予約制。早く行くほど選択肢が増えます。20分ごとに時間が分けられており、指定された時間の5分前に来店します。整理券もお店に行って返却しなければならないので、よほどの理由がなければキャンセルしにくいです。このおかげで売上も閉店時間の見通しもたちます。顔を観て整理券を渡されるため、無断キャンセル(絶対にやるべきではない行為)もしにくいです。

 整理券にはお店の情報も記載されていて手が込んでいました。

 10時頃に整理券を受け取りました。1時間ほど待ち時間があったため、最寄り駅の西院あたりを散策してから、11時15分、来店。
 店内はこじんまりとしています。しかし、雰囲気は明るく、店員さんも生き生きしていました。

メニュー(2021年訪問時)

国産牛ステーキ丼
国産牛おろしポン酢ステーキ
ハンバーグ(20食限定)

メニューのこだわり

・月一で行きたいか→ごちそうか
・家で作れるか→家で作るのは、面倒or難しい
・大手がマネできないか→原価率高めの設定

今回は、定番の国産牛ステーキ丼+ハンバーグを注文しました。

国産牛ステーキ丼 1000円

国産牛ステーキ丼

 ミディアムレアのステーキでボリューム満点なステーキ丼。この焼き加減は家で再現することが難しいです。手間のかかる料理も家では休日に挑戦したい程度。後からフライドガーリックを乗せるなど、味のバリエーションも豊富です。

 ご飯は普通盛りで200gです。ボリュームがあります。大盛、お肉増しもあります。

 大手のお店で同じものを出しても、このクオリティのものは、1500円はかかると思います。

ハンバーグ (単品: 500円) 

ハンバーグ

 肉汁が逃げず、ジューシー。ソースもご飯にかけて食べたいと思う味わいです。トータルで考えても、家では作れないと感じました。

※支払いは現金のみ(税抜価格)

実際に行って感じたこと

 経営者、労働者、取引先、消費者、環境、全てがお互いWin-Winな関係になるようにデザインされている設計に思えました。

消費者側の視点

 ずっとお店で待つ必要がないため、待ち時間で買い物や観光が楽しめ、待ち時間も有効活用できます。
 家庭でもマネは難しく、近くにあったら、月2程度で行きたくなるごちそうでした。
 運がよければ、さらにランクが上の肉を味わうこともできるワクワク感もあります。

お店側の視点

お店側も100食しか作らないため、整理券を配り終えれば仕事が終了します。顔を見て渡したり、返却制にすることにより、キャンセル率も抑えられるため、売上の見通しが立ちます。
特に土日祝は早く整理券が配り終えるため、早く従業員全員帰ることができます。そのため、シフトは土日祝が人気です。2020年以降、テイクアウトも行っており、平日でも早く売り切れることがあります。
作る量が一定のため、仕入れ量も決まっています。卸売業者との信頼関係ができ、安定した品質を提供できます。取引先のキャンセル分も手に入れられるので、運が良けれは普段より高品質の肉を手に入れることができます。

従業員の視点

労働時間が短くても、8時間のパート程度は収入が確保できているため、生活できています。早く売り切れば、早く帰宅ができます。そのため、プライベートの時間も確保できます。土日は早く帰宅できるため、家族の時間も過ごすことができます。

卸売業者の視点

毎日決まった量が発注されるため、一定の収入が確保できます。仕入れ量が決まってるため、他の取引先から出たキャンセル分を佰食屋に回して廃棄を防ぐことができます。

環境の視点

フードロス削減に貢献しています。農林水産省によると、2019年、日本で食べられるのに廃棄される食糧は年間、600万トン。国民一人あたり、1日130g=ご飯1杯もの食糧を廃棄しています。最近では、恵方巻によるフードロスも問題になりました。世界では7人に一人が充分な食糧を食べることができません。

お店を拡大するのではなく、働き方のフランチャイズ化を計画していることですので、全国に普及したら、ライフワークバランスがよい働き方が広がると期待しています。

佰食屋
営業時間11:00-14:30
定休日: 水曜日


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