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地域によって違いが見られる、愛媛県の名物料理

鯛めし

 真鯛の養殖生産量、日本一の愛媛県。2019年のデータによると、半分以上(56.7%)の養殖の真鯛は、愛媛県産。特に宇和島市を中心に、愛媛県南部で養殖が盛んです。愛媛県の西側は宇和海と呼ばれ、水深が深く、黒潮が流れ、愛媛県西部のリアス式海岸の入り組んだ地形になっています。
 愛媛県の郷土料理で鯛を使った料理の中でもよく知られているものは、鯛そうめん、鯛めしがあります。鯛そうめんは、結婚など人生の門出を祝うときに食べられます。大きな漆塗りのお皿の上に、1匹丸ごと焼いたタイ、五色素麺、錦糸玉子、ネギなどの薬味を乗せます。カラフルで見た目も美しい料理です。
 鯛めしは、愛媛県内でも中予地域(松山市北条地区中心)と南予地域(宇和島市中心)で分かれております。今回は、鯛めしなど愛媛県内、他の地域で同じ料理でも、調理法や味、見た目が異なる料理について記事にしました。

中予の鯛めし

 2世紀の神功皇后の朝鮮出陣の頃から作られてました。松山市北条の鹿島明神に先勝祈願のとき、漁師が献上されたタイをごはんと炊いて神様に供えたのが始まり。明治時代には駅弁としても誕生。
 焼いた鯛と米をだし汁で豪快に炊いたもの。鯛の身をほぐして混ぜて食べます。ホクホクの鯛、出汁の利いたご飯がマッチします。おこげも絶品。今回のお店では、一人前用に盛り付けられてますが、鯛一匹使用使用して大勢で食べるのも美味しいです。

南予の鯛めし

 宇和海で活動していた伊予海軍や漁師が火の使えない船内で酒盛りをしたとき、酒を飲んでいたお椀にご飯を盛り、生の鯛の身をのせて食べたのが始まり。
 生卵入りの醬油味のだし汁に鯛の刺身と海藻、シソの葉、ゴマなど薬味を入れ、さらに軽く混ぜます。茶碗に盛られたご飯の上に、具材をのせて、だし汁をかけて完成。
 新鮮な鯛のコリコリ感が味わえます。熟成された鯛を使用すると、しっとりとした味わいに。タイの鮮度によって食感も変わります。


さつま汁

さつま汁は地方によって違いが出ます。
南予地域(八幡浜)と鹿児島県で異なります。

八幡浜のさつま汁

 宮崎の冷や汁に近い料理。
 漁師がパサパサの麦飯をおいしく食べるための工夫から生まれた料理。 

名前の由来は諸説あります。有力な説は下記です。

  1. 鹿児島県から伝わった説。

  2. だし汁がよくなじむように茶碗によそったご飯を十字に切った見た目が薩摩藩の島津家に見えた説。

  3. 妻を補佐する意味の佐妻からきている説。

  4. すり身のことを愛媛県では「さつま」と言っている

 タイ、アマゴなどの焼き魚をほぐしてすり鉢で麦みそと混ぜて冷たいだし汁で溶きます。短冊切のこんにゃく、薬味をごはんにのせてたれにかけ、ます。
 麦みその素朴な味と薬味(ネギ、ミカンの皮)が調和してさっぱりとした味わい。栄養価の高い麦飯にかけて食べるのが定番。


鹿児島県のさつま汁

 鶏肉、大根、ニンジン、ゴボウ、干しシイタケ、サトイモなど具沢山な味噌汁。

じゃこ天

 八幡浜、宇和島など南予地方で主に食べられるすり身の天ぷら。すり身の原料は、ホタルジャコ(地元では「はらんぼ」)、アジ、グチなどの小魚。
 じゃこ天の由来は、底引き網で獲れた様々な魚(雑魚)を原料として作られているから、「雑魚天|《ざこてん》」→「じゃこ天」に変化した説、主な原料がホタルジャコであることからきた説があります。1615年、仙台藩の伊達秀宗が宇和島藩に移ったとき、仙台のかまぼこの製法を伝え、誕生しました。
 小魚を頭と内臓を取り除いて、骨と皮ごとすりつぶしてあげて作ります。そのため、カルシウム豊富です。
 おつまみでも、おやつでも食べられ、老若男女問わず親しまれています。そのままで充分おいしいですが、地元では、パン粉をつけて揚げる「じゃこカツ」、じゃこ天の材料などを揚げた「じゃこコロッケ」、じゃこコロッケをパンにはさんだ「じゃこバーガー」などアレンジして食べられています。
 愛媛県内でも地域、お店によっても特色が異なります。

宇和島式

 歯ごたえがあり、小骨の食感が強いのが特徴です。


八幡浜式

 柔らかく、小骨の食感が少なめです。


愛媛県で食べた郷土料理の店の紹介

中予の鯛めし

松山鯛めし 秋嘉


南予の鯛めし、愛媛のさつま汁


かどや 大街道店

じゃこ天

木村蒲鉾店
7:00-18:00
定休日 日曜日
伊予鉄松山市駅前

参考文献


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