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農業・漁業の技術

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#栽培

栽培と養殖の両立【アクアポニックス】

栽培と養殖の両立【アクアポニックス】

アクアポニックスは、魚の排泄物を微生物が分解し、植物がそれを栄養として吸収、浄化された水が再び魚の水槽へと戻る、水耕栽培と養殖を掛け合わせた、循環型農業です。

これまでアクアポニックスで育てられるのは、レタスなど葉物野菜の栽培が中心でしたが、研究の結果、農薬や化学肥料を使わずに、通常より甘いイチゴを年間を通して栽培できることを実証した。アクアポニックスでは通常よりも酸味が少なく、甘いイチゴを栽培

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なぜ植物は水をあげないと枯れてしまうのに、水をやりすぎると枯れてしまうのか?

なぜ植物は水をあげないと枯れてしまうのに、水をやりすぎると枯れてしまうのか?

植物を育てていると、水のやりすぎで枯れてしまうことがあります。水をあげる量とタイミングは本当に難しいです。
水のやりすぎで植物が枯れてしまうのは、水びたしの土では根が呼吸できずに腐ってしまうからです。根の細胞も葉や茎の細胞と同じように、生きていくために酸素が必要になります。
 
ちなみに、イネは田んぼに水をはっていても成長します。これは、イネの茎の真ん中には大きな穴が開いていて、これが大気中の酸素

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苗をうまく育てるために大切なこと

苗をうまく育てるために大切なこと

苗をうまく育てるために大切なのは、“土・水やり、光”の3要素が大切です。朝の水やりは最適で、その後光がしっかりと降り注ぐと光合成が活発に行われてガッチリした苗に育ちます。

 【午後3時以降の水やりは注意】
育苗段階で注意しないといけないのが、午後3時以降の夕方の水やりです。夜は葉から蒸散しない上、高温多湿になってしまい、苗が徒長(作物や茎・葉や植木の枝がむだに伸びること。)してしまいます。
夕方

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同じ科の野菜は虫から見たら同じに見える

同じ科の野菜は虫から見たら同じに見える

同じ場所に同じ科の作物を連続して栽培(連作)したり、近くに同じ科の作物があると、特定の菌や害虫が増え、土の養分のバランスが崩れたりして、作物の生育が悪くなります。(連作障害といいます。)

そのため同じ科の作物を続けて栽培せず、違う科の作物を一定の順序で栽培(輪作)することが望ましいです。

作物の科の分類は、作物をパッと見ただけではなかなか判断できませんが、花の形は一つのヒントになります。ダイコ

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野菜の葉の形を見よう

野菜の葉の形を見よう

野菜にも個性があります。水をたくさんほしがるのか、乾燥状態が好きなのか、暑くても平気なのか、寒くても平気なのか、それぞれの生まれ故郷の気候風土により全く育て方が違います。当然、育てる前に下調べをしてから栽培をするのが良いですが、葉の形を見ると大体必要な水分量がわかります。

【大きい、広い、毛がある=水が好きな野菜】
 
原産地が雨の地域の多い野菜は、どんどん水分を蒸散させるため葉が大きく広い。表

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自然にかえるポット

自然にかえるポット

ホームセンターに売られている苗は、プラスチック製の黒色ポットに植えられていることが多いです。

生分解性材料が増えてきている昨今、ポットにもついにやってきました。

「バイオーレ ポット」は生分解性で、苗をポットのまま圃場や花壇に植えることができます。植物へのストレスも軽減されます。ポットは植え付け後、土壌中の微生物により徐々に分解され自然に還元されます。

「バイオーレ」の主原料は、放置竹林の竹

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リンゴとミカンをまもるはなし

リンゴとミカンをまもるはなし

『リンゴとミカンをまもるはなし』は、小学校高学年に向けて農薬について広く正しく知ってもらたいという思いから作られた。

リンゴやミカン作りが分かりやすくまとめられ、マンガ形式なので、子供だけでなく大人にも読みやすい。栽培について学びたい人にオススメです。

『参考資料』

https://www.kumiai-chem.co.jp/company/e-book02/html5m.html#page

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カニの殻

カニの殻

カニの殻は、植物を外敵となる昆虫、根や葉を腐らせる菌やカビから守ってくれることは昔から知られていた。

カニの殻に含まれるキチンという成分が作用するためなのだが、キチンが植物に対し効果を発揮するためには「4~5年が必要」(焼津水産化学工業)だった。自然に分解されるまでに時間がかかるからだ。そこで同社はキチンを植物に反応する分子量にまで分解したLMCという資材が開発された。

トマトの苗の葉に散布す

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