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農業・漁業の技術

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2023年4月の記事一覧

植物の成長を抑制する

植物の成長を抑制する

九州大学などの研究チームは、植物の成長を抑える新しい物質を開発した。この物質を植物が吸収すると、根が浅く張るようになり、水や栄養分の摂取量が減り、生育状態が悪くなるという。

多くの植物の根は本来、重力方向に沿って伸びていく。今回開発した物質を与えると、根が伸びる方向がかく乱され、浅く張るようになる。重力を感知するのに関わる植物ホルモン「オーキシン」の流れが根の中で変わり、伸びる方向が混乱するとみ

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オスをメス化させる共生微生物

オスをメス化させる共生微生物

世界では生産した農作物の4割以上が害虫や雑草の影響で失われるという。害虫を駆除するには化学農薬を使うのが一般的だが、害虫が薬剤への抵抗性を高める場合もあり、環境への影響も懸念される。

農研機構は、昆虫に感染する共生微生物の一種であるボルバキアの研究を進めている。ボルバキアは、感染したオスがメス化したり、メスの個体からはメスのみが生まれたりするなど昆虫の性決定に影響を与えることが知られる。ただ、そ

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丹波山村狩猟学校

丹波山村狩猟学校

丹波山村の猟師は動植物が絶えないよう、森の環境を整え、獲った獲物に敬意を払って余すころなくいただくため、日頃から道具を整え、畑を耕し、人が豊かに暮らせるよう日々生活されている。
丹波山村狩猟学校は、先人から続く猟師の教えを忠実に守り、「獲る、食べる、作る(創る)、育てる」という丹波山村猟師の日常を学び、体験できる自然体験学校だ。

『参考資料』
https://hs-tabayama.com

ロボットで雑草抑制

ロボットで雑草抑制

田畑の周りに茂る雑草をロボットで抑制する実験が始まった。
ローラーを取り付けた台車を走らせ、地面の上を転がしていく。ローラーで雑草をたたくと同時に、ロボ台車自身の車輪や車体でも雑草を踏みつけて圧力をかける。

除草剤などの薬品に頼らなくても、雑草を抑制できれば、環境にも人体にも優しい。

『参考資料』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC180HE0Y3A

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アップルレザー

アップルレザー

アップルレザーは、廃棄されてしまうりんごジュースの絞りかす(皮や芯)を乾燥させ、合成レザーの原料のポリウレタン樹脂と合成することで生まれた植物由来のレザー。

廃棄りんご由来の成分を加えることで、合成・人工皮革など従来のレザーより石油由来の原料の使用を抑えられるという。また、動物の犠牲もいっさいない。

他のフルーツ由来のレザーが出てきて、それぞれの素材にフルーツ由来の特徴が出てくると面白い。

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キノコのネットワーク

キノコのネットワーク

京都大学や東北大学などの研究グループは、キノコが張り巡らせた菌糸のネットワークに、ヒトの神経細胞と同じように、方向性をもって電気シグナルの伝達がおこなわれている可能性があることを、野生のキノコで初めて確認したと発表した。

研究グループは、森林に生えているキノコ(オオキツネタケ)6個に電極を設置し、電位の変動を測定。すると、はじめは電位の変動はほとんどみられなかったが、雨が降り始めると、やがて活発

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