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エネルギーの技術

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#電気

湧水温度差発電装置

湧水温度差発電装置

産業技術総合研究所の研究チームは、湧水と大気の温度差を利用する発電装置を開発した。
湧水に浸すだけで発電できるため、一般的な小水力発電に必要だった水車が不要で、水の流れのない場所でも発電できる。
発電部には、電気を通す導体の両端に温度差が生じると内部の電子が移動して電流が流れる「熱電発電」と呼ぶ現象を利用する。

夏は温度が高い大気から湧水へ、熱エネルギーが移動。冬は湧水の温度が高く、逆の流れが起

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変幻自在のヒーター

変幻自在のヒーター

SMKは、自由自在に変形できるヒーターを実用化する。柔軟性がある樹脂製フィルムに、伸縮に強い銀の素材を回路に採用し、曲げた際に回路にひびが入るなどの課題を解決し、電気を通すと発熱する回路を印刷した。

顔や首回りを温める理美容や家電機器、車やバイクのハンドルなどに応用されそうだ。

『参考資料』

https://mitec.smk.co.jp/mitec/heater/

遊ぶだけで発電

遊ぶだけで発電

子供達の遊ぶエネルギーを電気にできないか?

千葉県の柏駅前には、オランダで開発された「発電ブランコ」が設置されている。ブランコで作った電気でスマートフォンに充電できる。

イギリスの学生は、ケニアのボランティアプロジェクトをきっかけに、「発電シーソー」を開発した。10分遊ぶだけで、教室の照明数時間分の電力をまかなえる。

そのほかにも、発電トランポリンなども考えられる。
これらの機械を集めた、

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超伝導送電

超伝導送電

発電した電気を無駄なく運ぶ夢の技術「超電導送電」

北海道石狩市で実用化を見据えた実証が進む。石狩湾新港の風力発電の風車が多数設置されている。再生可能エネルギーの送電ロスを極限まで抑える。

電気を電線で送ると一部は熱などに変換されて、電力の5%前後が失われる。ただケーブルを液体窒素でマイナス196度まで冷やすと電気抵抗のない「超電導」状態になる。理論上は送電ロスがゼロになる。

課題は導入コスト

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【技術史】失敗からうまれた電気エネルギーの送電

【技術史】失敗からうまれた電気エネルギーの送電

1873年のウィーン万博で、発明家ゼノブ・グラムはダイナモと呼ばれる発電機を展示しようとしていました。しかし、助手がケーブルの接続を間違えて別の発電機に接続してしまいます。単なる失敗かと思いきや止まっている方の発電機が回り出しました。これをきっかけに電気を使ってエネルギーを移送できることが発見されました。

フライホイール

フライホイール

JR東は、円盤を回転させる「フライホイール」を利用したエネルギー貯蔵システムの研究をしている。電気エネルギーを円盤の回転エネルギーに変えて保存し、必要に応じて電気エネルギーに戻すことができる。

電車のブレーキ時に発生する回生エネルギーを地上のフライホイールに蓄え、逆に加速中の電車に送電する実証実験を始めている。

フライホイールは、他の充電方式よりも高速で充電・放電できるのが特徴だ。

『参考資

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フライホイール

フライホイール

JR東は、円盤を回転させる「フライホイール」を利用したエネルギー貯蔵システムの研究をしている。電気エネルギーを円盤の回転エネルギーに変えて保存し、必要に応じて電気エネルギーに戻すことができる。

電車のブレーキ時に発生する回生エネルギーを地上のフライホイールに蓄え、逆に加速中の電車に送電する実証実験を始めている。

フライホイールは、他の充電方式よりも高速で充電・放電できるのが特徴だ。

『参考資

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ねじると発電する繊維

ねじると発電する繊維

テキサス大学の研究チームは、機械的な動きを電気エネルギーに変換できるカーボンナノチューブ「Twistron(ツイストロン)」の研究をしている。

電解液にひたした状態で伸ばしたりねじったりすると、発光ダイオード(LED)をわずかに点滅させる程度の電気エネルギーを取り出せる。

海水中に設置すれば、波の動きからエネルギーを取り出せる。変換効率が高まれば、新たな発電方式になる可能性がある。

『参考資

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電気泥棒

電気泥棒

現在、駅や飲食店などの公共施設で、勝手にスマホを充電すると、窃盗罪に問われます。しかし、明治初期のころ、電気は普及していなかったため、電気が盗まれることは想定していませんでした。当時の刑法では「財物(形あるもの)」を盗むことが窃盗罪とみなされていました。

1901年に勝手に電線から電気を引いて、無断で電気を使った事件の裁判で、電気は財物かどうかが争点になりました。一審では有罪となりましたが、二

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見上げてみよう「いろいろな電柱」

見上げてみよう「いろいろな電柱」

電柱はすべて同じものに見えますが、電気を送るための線だけでなく、通信線もあります。
街中を歩いているときに、見上げてみよう。

①電力柱
 一般家庭に電気を送るための電線


②電信柱
 電話・ケーブル・インターネットなどの通信線


③共用柱
 電線と通信線の両方かかっている


『参考資料』
電気マジわからんとおもったときに読む本 田沼和夫著

電気の通り道「電線」を分解すると

電気の通り道「電線」を分解すると

(電線)
 電気を流すには電線が必要です。しかし電線は、導体のように電気をよく通すものだけあればよいわけではありません。電線に触れても安全なように被覆が必要です。したがって、電線は、下図のように電気の通りやすい物質の導体と、それを覆っている電気を通さない物質の絶縁体によって感電が起きない2重構造になっています。


(ケーブル)
 ケーブルとは、電線の外側にさらに被覆をほどこしたものです。この外

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静電気は「痛い!」でも感電死しない理由は?

静電気は「痛い!」でも感電死しない理由は?

(静電気)
冬は寒くて乾燥しています。この季節に玄関のドアノブを触ったり、車の金属部分に触れたりすると指先に「パチっ」と電撃を受けるときがあります。また、暗闇では青白い放電が見られます。これらはすべて静電気の放電によるものです。人が体にまとう静電気は3,000~10,000Vといわれています。

なぜ、人はこのような高い電圧の静電気を体にため、そして放電しても死なずにすんでいるのでしょうか?それ

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中学校の技術で電気分野の勉強をする意義

中学校の技術で電気分野の勉強をする意義

中学の社会の時間に、戦後の高度経済成長期に家電製品の三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)が各家庭に普及し始めたと学んだと思います。当時、電気で動く物は主にこれだけでした。

現在、私たちは三種の神器だけでなく、エアコン、電子レンジ、炊飯器、パソコンなど様々な電気製品に囲まれて生活しています。また、工場では大型の機械が電気で動いています。さらに、鉄道や上下水道などのインフラも電気がなければただの鉄

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無線で電気を供給

無線で電気を供給

”無線給電”

全国にある携帯電話の基地局を使い、無線で電気を飛ばす給電技術が実用化に向けて検証される。

”5G”に使う28G Hzの電波の波には情報がのせられているが、この電波を強力にして電気としても利用する。

ただ、強力な電波は人体に悪影響を与える可能性があるため、まずは小さな力の電波(半径10m程度に電気を飛ばす)ところから実験を行い、将来的には100mほどまで電気を飛ばせるようにしてい

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