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自分史という視点の楽しみ方03

今年も梅雨前線が猛威を奮って熊本などに大きな被害が出ました。
被災された方々に、心よりお見舞い申し上げつつ、そうした方々が今回のことを自分史として残すことが、これからの生活を新たに考えるきっかけになり、多くの方々が未然に災害を防ぐ教えとして残ってほしいと願うばかりです。

さて、前回は「自分史とはなんぞや?」というテーマで書かせていただき、そのポイントは「自分の人生を客観的に捉える視点と、その軌跡の作品性」であるとお伝えしました。
そこで今日は「自分史ってどんなところがいいんだろう?」という、自分史のもつ価値とメリットについて、私が所属する「自分史活用推進協議会」のテキストから抜粋してお話しさせていただきます。

実にさまざまなメリットと価値をもつ自分史

これまでもお伝えしているとおり、自分史には「年配の方が残す書物」と言うだけに留まらない、実にさまざまなメリットと価値をもっています。
8つほどありますので、ちょっと長くはなりますが、以下に一つずつ触れていきましょう。

1.生きてきた証を残せる
これは本来の自分史がもつ価値ですし、分かりやすいと思います。あなたという人がこの世に実在している(いた)証を、自分史によって残すことができます。しかも今は国会図書館に自分史を登録できるので、日本の国がある限り、半永久的にあなたの生きた証を残すことが可能なのです。

2.自分をよく知ることができる
先日お伝えした「視点」と共通しますが、「自分が過去の事象をどう解釈しているのか」と考える自分史の制作過程で、それまで気づかなかった自分に気づくことが多々あります。
私の場合、いかに過去をしっかり検証していなかったのかを痛感してちょっとショックも受けましたが、そこから現在の自分の「座標」みたいなものがハッキリ見えてきたと実感しました。


3.生きがいが見つかる
2と連動し、過去に好きだったことや、現在の自分の座標がハッキリすることで、どう生きていきたいかという「在り方」もハッキリし、生きがいが見つかるようになります。


4.自信・自尊心が高まる
講座をするなかで、この感想をくれた方が何人もいました。
年表に自分が体験したできごとを記載するワークのなかで、忘れていた過去の自分に「自分もがんばってたんだな」と改めて感じることが自分史では多くあるのです。

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5.自分のことをよく知ってもらえる
自分史を作成することは、自分のことを自分自身でしっかりと理解するだけでなく、他者にも知ってもらえるようになります。作品にしないまでも、あなたがどういう軌跡を経て、どういう在り方を大事にしてきたかを他者にしっかりと伝えることができます。

6.コミュニケーションを深められる
自分史は、自分の生きざまを作品として他者に開示するもの。
自分史を互いに開示することで、相互理解が早く深くできるという効果があり、毎回講座のワークでは互いの会話が盛り上がりすぎて、時間どおりに終わらないこともしばしばです(笑)
昨今はSNSで多くの人がある程度のコミュニケーションが気軽に可能な時代ではありますが、自分史を活用することで、さらに深いコミュニケーションを通じた人間関係を構築できるようになります。

7,脳を活性化できる
日本は先進国のなかで屈指の認知症大国だとご存知でしょうか?
2017年の調査では、日本は予備軍を含めOECD(経済開発協力機構)35カ国中1位というデータが出ています。
2025年には認知症患者が700万人を超えると推測されているそうですが、自分の過去を振り返り作品にする自分史は、脳の機能を活性化させ、認知症の予防に役立つとされています。
2019年にも、認知症予防財団が監修し、毎日新聞社から発刊された「思い出ノート」は「あなたのお名前は?」からはじまる、さまざまな100の質問に答えることで、簡易版の自分史ができあがるという商品です。
各地の自治体にも導入されたりして、講座はキャンセル待ちの大人気だそうです。

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8,つくること自体が楽しい
執筆すること自体はもちろん、昨今はインターネットを通じて、動画や絵本タイプ、雑誌タイプなど、実にいろいろなタイプの自分史を作成することができます。
その「つくる楽しみ」にはまり、自らの自分史を本に出版したという方もたくさんいらっしゃいます。壮大な人間ひとりの人生を本として作る、その主人公は自分自身なのですから、楽しくないわけがないですよね。

さて、いかがでしたでしょうか。
みなさんの中に少しでも「あ〜確かにそうかもしれないな」という項目がおありだったのではないでしょうか。
一見気がつかなくても、言われてみればたしかにそうだ、というシンプルで味わい深いメリットと価値を自分史は持っているのです。

私が開講する自分史講座では、実際のワークを通じてこの価値とメリットを実感していただけます。

また松井監督とも、希望者がいればここのメンバーのみなさんで講座を開講してもいいよね!とお話しさせていただいています。

興味を持たれた方は、講座のご案内や質問などいつでも受け付けておりますので、お気軽にコメントや下記メールでお声がけくださいね。
(クリックいただくとお問い合わせフォームに飛びます)
info@yanagisawa.link

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