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風通しの良い組織

今回のテーマは「風通しの良い組織」です。

私の会社では、半年前から「上司も”さん”付けで呼びましょう運動」が始まりました。

それまでは「◯◯部長」「◯◯課長」と職制で呼んでいたのですが、立場の上下に関わらず「◯◯さん」と呼ぶことになったのです。

「立場を超えてフラットなコミュニケーションが取れる関係にしていこう」というのが目的ですが、正直、半年経った今もまだまだぎこちないです…。

「まずはカタチから」という意味では「よい意識付け」になっていますが、もっと「本質的な取り組み」をしなくてはと感じる今日この頃なのです。

そのような課題感を抱いていた時に、株式会社TAO Partners 大城昭仁さんが、Podcastで「風通しの良い組織」についてお話しされているのを聞きました。

とても参考になったので、紹介させて頂きます。

上下関係は必ずある

会社組織の中で風通しが悪い代表選手は、まずは「上下関係」ですね。

上司と部下、入社年度や経験年数、依頼部門と請負部門など、必ず立場や年齢の上下関係が発生します。

「上下関係が無ければもっとフラットになるのに!」と思う人もいるかも知れませんが、残念ながら現実的にはあり得ません。

大事なことは、「上下関係の有無ではなくその関係性」だそうです。大城さんは次のようにおっしゃっています。

上下関係が「主従関係」になるか、
「信頼関係」になるかが重要。

指示する側とされる側、教える側と教わる側という主従関係ではなく、お互いに「信頼」している関係になっているかどうかだということです。

信頼関係とは

それでは「信頼関係」とは、どういう状態でしょうか。

特に仕事の場における「信頼」とは、次のように定義されているそうです。

仕事における「信頼関係」とは、
「相手の行動が予測できるかどうか」


つまり、「これをお願いしたら、しっかり仕事してくれるだろう」「期待した行動をしてくれるだろう」「期待通りの結果を出してくれるだろう」など、得られる成果が予測できる状態が「信頼」できる関係となります。

上司が部下に指示・命令やダメ出しばかりしているのは、「主従関係」になります。相手をリスペクトして、相手の力を信じて引き出している状態が「信頼関係」になります。

上司が正しい訳では無い

たとえばですが、日常業務において社長よりも社員、課長よりも担当者の方がお客さんのことを分かっていることが多いですよね。また、人それぞれに専門性を持っており、担当している内容について上司よりも深く考えていることもあります。

つまり、全てにおいて上司が正しい訳ではないのです。むしろ、担当者の方が詳しいことの方が多いかも知れません。

フラットに話し合い
現実に即した正しい答えを出す方が
断然によい結果が生まれる。

このようにお互いフラットな関係でコミュニケーションを取れている状態が、「信頼関係」を築けている状態になるのですね。

ルールが風通しを良くする

上下関係の次に「風通しに影響する要素」がもう一つあります。「規則やルールは必要か?」という点です。

一見、「自由な環境の方が風通しが良いのでは?」と考える人も多いと思います。

実は、組織のルールや大事にする価値観・規範が決まっている方が風通しは良くなるそうです。

ルールを作るとは、「線引きをする」ことです。

例えば、コミュニケーションにおいて「ここまでは頼んでOK・ここまで頼むのはNG」という線引きをします。

業務においても「このやり方はOK・このやり方はNG」という線引きをすることで、「こうやったら、こういう風に返ってくるんだな」というのが読みやすくなります。

相手の「境界線」が見えてくると、
「信頼関係」が築きやすくなります。


例えば、上司が「こういうことは好きだけど、こういうことは嫌いだ」ということをはっきり言ってくれる方が、部下もやりやすくなるのではないでしょうか。

上司から部下に対しても指示の範囲・内容が明確なら、それだけ求める答えが返ってくる可能性が高くなります。

お互い「思ったとおりに返ってきた」の積み重ねが「信頼」につながっていきます。そして、この積み重ねが「言わなくても分かる」という次の段階に進化し、最終的に「組織の文化」として定着して行くのです。

ちなみに、「公私の節度」も同様です。「ダメなことはダメ」「嫌なことは嫌」という境界線をはっきりしておくことが組織では求められます。曖昧にすると、信頼関係が崩れる要因になっていきます。

成功循環モデル

最後に、信頼関係を築くことで良い結果を生む循環についても触れておきます。

大城さんも、ダニエル・キムさんが提唱する「成功循環モデル」を紹介されています。

■成功循環モデル
 ① 関係性の質を高める
 ② 思考の質が高まる
 ③ 行動の質が高まる
 ④ 結果の質が高まる
 ⑤ 再び、関係の質が高まる

「関係性の質」を高める、つまりお互いの「信頼」を高ねめることで、「本当にこの人にお願いして大丈夫かな?」といった不要な勘ぐりをする必要がなくなります。

すると、組織の「思考の質」が高まり、真っ直ぐ正しいことが考えられる状態になります。

これにより、「行動の質」が高まり正しく効果的な行動がとれるようになります。

効果的な行動が取れることで「結果の質」が高まり、再び「関係の質」が高まり成功循環が回り始めます


ありがちな間違いが、初めから「結果の質」ばかりを求めてしまう過ちです。結果ばかり求めていてもなかなかよい結果が得られず、ギスギスし始めて「関係の質」が低下する悪循環が回り始めます。

「関係の質」を高めること。
つまり「信頼関係」を築くことが
原点になることを忘れてはいけません。


大城さんの話を聞いて一番感じたことは、部下を信頼することは当然ですが、もっと自分のこともオープンにしなくてはいけないということでした。自分から自己開示をすることで「風通しの良い組織」を作っていこうと思います。


ありがとうございました。


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