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ビジョン・ミッション・コアバリュー

今回も、チームづくりの話です。

チームづくりとは、チームのブランドを確立する活動だと常々考えているのですが、チームづくりの肝となるのはMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定ではないでしょうか。

チームのMVVを、メンバーが腹落ちするまで落とし込むことで、【チームのブランド=チームのありたい姿】が明確になっていきます。

今回は、メーカーの商品開発チームにおけるMVVについて書きます。

チームづくりはブランドづくり

私はメーカーの営業課長です。

2020年から2年ほどかけて自分の所属部門(営業)だけでなく、設計部門・研究所などの関連部門へとチームの輪を拡げる活動に取り組んできました。

それはまさに、チームのブランドをつくる活動だったのですが、その流れをあらためて整理します。


0.【準備】グラウンドルールをつくる
1.【発散】コアバリューを洗い出す
2.【発散】ミッション・ビジョンを洗い出す
3.【確認】コアバリューに立ちかえる
4.【定義】ビジョンを定義する
5.【宣言】ミッションを宣言する
6.【約束】ブランディングに落とし込む



0.【準備】グラウンドルールをつくる

まずは、グラウンドルールづくりです。

これは前回まとめましたが、同じ価値観・同じ判断軸を持って議論するルールをまずつくることです。

ファシリテーションでも「否定しない、遠慮しない、モヤモヤは吐き出す、楽しむ、発散する」など、議論する上で全員が守ることを決めます。

私たちのチームは、「ボーダーレス」というグラウンドルールに行きつきました。


MVV、それともVMV?

次にMVVの策定です。

ここで、タイトルの順番がMVVとは違うことに気づかれている方もいると思います。

一般的には、以下の並びで紹介されていることが多いですよね。

ミッション:存在意義(社会の中で果たす役割)
ビジョン:ありたい姿(中期的に目指す状態)
バリュー:価値観(組織の姿勢や価値基準)


これに対し私たちは、自分たちのありたい姿を議論する中でVMVの並びに落ち着きました。

ビジョン:実現したい社会・生活
ミッション:そのための使命(解決すべき課題)
コアバリュー:大切にする価値(譲れないこだわり)

どの並びが正解というわけではなく、その中味が企業やチームにとって腹落ちできるかが大切だと思います。

これについては、みやもとかずのりさんの記事が参考になりますので、引用させて頂きます。



私たちは議論する中で、「自分達がどうありたいか?」よりも、「自分達の商品を通じて、どのような社会を実現したいか?」を軸に考えを進めていきました。

また、そもそも「ありたい姿」は自分達のブランドそのものであり、MVVやVMVの上位概念だという考えに至りました。

その結果、自分たちにとって一番しっくり来たのがミッション・ビジョン・バリューの並びだったのです。

個人的には、企業理念ではなくメーカーの商品開発を軸に考える場合は、このVMVの並びがしっくりくるのではないかなと思っています。


バリューではなく、コアバリュー

ここで気になる点がもうひとつありますね。
コアバリューです。

単なるバリューではなく、あえて「コアバリュー」としました。

これも議論を進める中で、自分たちが「大切にしていること」「絶対にブラしてはいけない価値」という思いを込めてコアバリューと呼ぶことにしました。

ある意味、自分達の商品や活動の根幹となるものです。

また、VMVを策定する順番も企業によって変わると思います。もう一度、順番を確認してみましょう。

0.【準備】グラウンドルールをつくる
1.【発散】コアバリューを洗い出す★
2.【発散】ミッション・ビジョンを洗い出す
3.【確認】コアバリューに立ちかえる★
4.【定義】ビジョンを定義する
5.【宣言】ミッションを宣言する
6.【約束】ブランディングに落とし込む

VMVを策定する上で最初に確認したのはコアバリューです。そして、何度も立ち返ったのもコアバリューでした。

これは、「バリュー」ファーストという表現がしっくり来るのかも知れません。

この表現は、HiromiSugieさんの記事を引用させて頂きます。目標や使命よりも先に、「私たちってこうだよね」を定義する考え方ですね。

特に設計部門や研究所と議論する際に、一足飛びに「ビジョン(実現したい社会・生活)は何?」という会話をしても、話が噛み合わないことがありました。

そういった場合にも、設計陣の譲れないこだわり(技術)を何度も確認し言語化していくことで、ミッション・ビジョンに近づいていくことができるのです。


1.【発散】コアバリューを洗い出す

まず初めにコアバリューからと書きましたが、これは設計部門や研究所のこだわりを引き出す活動になります。

また、過去の歴史も紐解くことも必要になります。過去の商品や先輩たちがずっとこだわってきたことを、今の価値に置き換えて言語化していくのです。

ここで、ひとつ気をつけないといけないことがあります。

コアバリューはあくまでも自分たちのこだわりであって、それをお客様に押し付けてはいけないということです。

あくまでも、ビジョン・ミッションを実現するための手段でしかないことは忘れてはいけません。

つまり、バリュー(技術)にこだわり過ぎて、プロダクトアウトになることは避けたいところです。

とは言え、自分たちの強み・こだわりに関係なく、闇雲にミッション・ビジョンを決めるべきではありません。

マーケットインの定義もいくつかありますが、私の理解は「誰に・どのような喜びを・どのような強みをもって・実現していただくか」を考えることです。

マーケットインとは、必ず「強み」を活かさないといけないのですね。

最後にもう一点、必ず「強み」を反映しながらコアバリューを策定していきますが、コアバリューはできる限りシンプルな表現であればあるほど、チーム全員に浸透します。

たとえば、GREEの「ロジカル × クリエイティブ × スピード。」などは、シンプルかつ企業の姿勢を表現できており、なんだかワクワクしてやる気になってきますよね


コアバリューが整備できたら、ミッション・ビジョンの策定作業になっていきますが、ここから先はまた次の機会に書いていきます。


ありがとうございました。


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