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酒好きになり店を出したら人に騙され人に救われた話㉒

今日も何気ない日常が続く

家から自転車で天神に向かう
福岡ドーム近くの家から自転車で走っていた

左手に大濠公園を通りすぎる
大濠公園には多くのランナーが黙々と走ったり歩いたりしている。

そのランナーを横目に買い出しと仕込みのためだけに
天神に向かっていた。

大濠公園を抜けると
人通りが増えだして賑わい出す。

その日は目的を持ってとある場所に向かっていた
初めての買い出し先に向かう

近所の居酒屋から聞いた八百屋だった。

その賑わいとともに
目立つ看板が見えてきた。

「かいぶつくん」

黄色の背景に赤い文字で
堂々とそう書かれている。

いろんな飲食店から
「かいぶつくん」の話を聞いていた
どうやら飲食店御用達の八百屋というのだ。

なんと言っても”安い”
それが売りの店と聞いていたので
ワクワクしながら店までたどり着いた。

店の前に着くと
その賑わいに驚かされた。

店舗の前には20台くらいだろうか
自転車がずらっと並ぶ
おそらく主婦が多いのだろう
子供をのせるシートの付いた自転車が多い

その自転車を横目に
店の入り口に目を移すと
自転車以上の衝撃を受けた

店の入り口が
人だかりで埋め尽くされていたのだ

それだけで衝撃は終わらない
店頭に並べられた野菜や果物には
衝撃の価格がつけられている。

店先にはバナナが大量に並べられている
そのバナナの山にダンボールが刺されていて
そのダンボールの根元から上に目を移していく。

“35円”

その金額に衝撃を受けた
バナナ1本ではない
1房35円なのだ。

この店舗だけ価格崩壊が起きている
その衝撃と共に人混みをかき分け
店内へと進む。

すると、色鮮やかな野菜たちに
主婦や飲食店のオーナーだろう人たちが
手を伸ばしていた。

色鮮やかな赤色が自分の目を引いた
その水々しい真っ赤な個体とその価格に衝撃を受けた。

”トマト45円”

その丸々としたトマトは
皆が手を伸ばして、残り数がわずかになっていた。

そのほかの野菜の値段も驚きの連続だった
水菜が19円
グリーンリーフは無料で持ち帰りOK
そんな不思議な八百屋は私の心を突き動かした


店舗展開が多く大量仕入れ、B級品を仕入れていることで
格安で販売が出来ているらしい。

良い仕入先を見つけたと
ワクワクしつついろんな野菜を購入して
買い物袋を引っさげ、親不孝通りへと向かった。

いつも通りビルの前に自転車を置き
エレベーターで5階へと向かう

扉を開くとハマさんがちょうど店に着いた頃だった

「まさ、仕入れか?」

「はい!野菜買ったんですよ!そういや昨日ユーリの店行きましたよ!」
野菜の衝撃とユーリの店の衝撃2つを伝えるのに30分使っただろうか。
とてもワクワクしながら話をさせてもらった。

十分に話をしたのちにそれぞれの店舗へと向かっていつもの日常に向かった



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