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コロナ禍の地域医療の現場から

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新型コロナウイルス感染拡大で、みなさんに最も身近な医療である「地域医療」が大きく変わりつつあります。このことは、テレビのコロナ番組では報道されません。40年間地域医療に関わり続け…
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#在宅医療

在宅医と病院が1つになる。連携に壁があってはいけない。

在宅医と病院が1つになる。連携に壁があってはいけない。

青燈会小豆畑病院が掲げる「在宅医療と救急(病院)医療の1つの病院連携」が産経新聞2022.4.28木曜日に紹介されました。小豆畑と、小豆畑病院在宅医療グループ長:中村和裕医師にインタービューして造られた記事です。私達の思いを上手にまとめて頂きました。

「不安の時代に、ケアを叫ぶ」を読んで

「不安の時代に、ケアを叫ぶ」を読んで

身障者の自立支援に人生をかけて取り組んで来られた川口有美子さん、在宅医で緩和医療の専門家である新城拓也先生、お二人が2020年10月から2021年9月まで、電話で対談した内容の記録です。この期間は新型コロナウイルス感染拡大第2波から第5波収束までの時期に当たります。

 私が手にしているこの本は、友人である川口有美子さんから頂いたものです。頂いたからには読まなくてはいけません。ところが、普段はさら

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2020年末に考える、在宅医療と病院医療 Part.3

2020年末に考える、在宅医療と病院医療 Part.3

2020年末に考える、日本在宅救急医学会の意味
一年前には考えていなかったことですが、COVID-19拡大は、診療所や病院に、その在り方の変革を急速に、しかも厳しく、求めています。それは、お上からのお達しではなく、「変革できなければ、生き残れないぞ」という、ぎりぎりの、切羽詰まった社会的要求です。私は病院を経営していて、息苦しいような危機感を、2020年の一年間、抱き続けてきました。しかし、あまり

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2020年末に考える、在宅医療と病院医療  Part.2

2020年末に考える、在宅医療と病院医療  Part.2

COVID-19に対する日本政府の政策を考える今、2020年が終わろうとしています。先日、東京都のCOVID-19新規陽性患者数が初めて1300人を超えました。900人代からいきなり1300人代を超えてきたのです。第1波の時期であれば、きっと、市民も政府も大騒ぎしたでしょう。しかし、年の瀬と言うこともあるかもしれませんが、あまり、深刻に語られていない印象です。少し前に、今更の感もあるのですが、政府

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2020年末に考える、在宅医療と病院医療 Part.1

2020年末に考える、在宅医療と病院医療 Part.1

COVID-19拡大が地域医療に与えた衝撃
2020年が、もうすぐ終えそうです。2020年の医療界は、COVID-19対応で一年間が終わってしまった感があります。医療の現場で働いていますと、日本の医療はこれで変わってしまうな、と肌で感じています。

異変の始まりは2020年3月からでした。テレビのワイドショーで新型コロナウイルスの報道が毎日のように繰り返されはじめました。私たちの病院に直接の影響が

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小豆畑病院と地域医療

小豆畑病院と地域医療

 現在、私は、茨城県那珂市で、「青燈会小豆畑病院(せいとうかいあずはたびょういん)」という小さな病院の病院長をしています。那珂市は、人口5万5千人の小さな市です。茨城県、どんな町をご存じでしょうか?水戸黄門や納豆で有名な水戸市、宇宙兄弟で有名なJAXAや筑波大学があるつくば市、ネモフィラやロックフェスが行われることで人気の国立海浜公園があるひたちなか市、下妻物語で一躍スポットライトがあたった下妻市

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コロナ禍の地域医療の現場から

コロナ禍の地域医療の現場から

皆さん、初めまして。

 私は小豆畑丈夫(あずはたたけお)と申します。外科と救急医療を専門にする医師です。最初に、「何故、私がこんな文章を書き始めたか」をお話しさせて頂きたいと思います。それは、新型コロナウイルス感染症診療の生の姿を皆さんに知っていただきたいからです。「そんなの、テレビでさんざんやってるじゃん」と、おっしゃる声が聞こえてきそうですが、それとは、ちょっと違うのです。テレビでやっている

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