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酒米のメカニズム

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なぜ蔵元は、酒米(酒造好適米)を使うのか?一般米との違いは?そしてどのような味わいになるの?などをまとめています。科学的な話もあります。
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精米歩合ってなんだ?~なぜお米を磨くのか?~

精米歩合ってなんだ?~なぜお米を磨くのか?~

日本酒を語る上で必ず出てくる言葉が精米歩合。

多くのラベルにも記載のある言葉です。これは。玄米を100%とし、どれだけ残したか。という事です。3割5分磨くと精米歩合65%となります。6割5分磨くと精米歩合35%となります。

その精米歩合によって、お酒の名称が変わってきます。
60%まで磨くと吟醸と名乗れます。50%まで磨くと大吟醸と名乗れます。
このように日本酒業界は精米歩合を基準に成り立って

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なぜ、山田錦は評価されるのか?

なぜ、山田錦は評価されるのか?

「酒米を使ったお酒ってどんな味??」から「酒米の王様「山田錦」の特徴の秘密」そして今回の「なぜ、山田錦は評価されるのか?」で酒米の特徴やメカニズムについて書きました。酒造り観点から書いています。

山田錦の味わいのメカニズム「山田錦」は、もともとタンパク質含有量が少なく、発酵してもアミノ酸の生成が少なくなります。また、「山田錦」の持つタンパク質は、麹菌の持つ分解酵素では分解されにくいタンパク質が多

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酒米を使ったお酒ってどんな味??

酒米を使ったお酒ってどんな味??

前回、酒米(酒造好適米)ってどのようなものなのか。について書きました。

今回は、酒米(酒造好適米)と一般米(食べるお米)のお酒の出来上がりについて書いていきます。

一般米一般米で、お酒を造ると基本的には、甘かったら甘いだけ、辛かったら辛いだけのお酒になります。
一般米で日本酒は造られているのか。というと業界全体の60%くらいは、一般米でつくられています。

酒米(酒造好適米)酒米(酒造好適米)

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酒米の王様「山田錦」の特徴の秘密

酒米の王様「山田錦」の特徴の秘密

今回は専門的なお話です。なぜ味が出るのか?と言うお話。

一般米や酒米(酒造好適米)のでんぷんは、ブドウ糖が鎖状につながった構造をしています。直線状のものをアミロースと言い、房状に枝分かれしている構造を持つものをアミロペクチンと言います。

アミロペクチンはいくつもの枝に分かれ、その枝を側鎖と呼びます。側鎖が短いと、消化性に優れる。側鎖は、稲の登熟期間(穂が次第に発育・肥大すること)の気温が低いと

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