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短編

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1つの記事で完結する短編を集めました。
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#エッセイ

夏だ。

夏だ。

 窓を貫通する尖った鳴き声が私の耳に触れる。その信号が脳まで伝わったおかげだろうか。そういえば夏だった、という文字の羅列が雲になって現れた、ので、ふとカレンダーに目をやる。「4月」と書かれた紙は私の性格を如実に表していた。年々季節を感じる術を失っている気がする。いや、感じる必要性が無くなってきている、の方が合っている。そうに違いない。この六畳一間と共に経過する時間の長さがその腑抜けた思考を作用させ

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そこは四角い箱の中

そこは四角い箱の中

寝れない
君は寝れない
かわいそう
かわいそう

寝させなきゃいいんだ
誰か遊んであげればいいのに
かわいそう
かわいそう

君は赤が好き
いつも赤色を身に纏う
僕はそれを遠くから見てる
美しい
美しい

君は夢を見てる、
それはとても幸せな夢、
君は悪夢なんて見ない。
いいな
いいな

僕もそこで幸せになる
君はもう夢を見ない
かわいそう
かわいそう

孤独な呟き

孤独な呟き

夜が孤独に感じるのは何故ですか

世界には実はあなたしかいないのです。

一人一人に異なる世界線があり、それが偶然一致した人があなたの目に映っているのです。

あなたには私が見えています。つまりあなたと私は同じ世界線にいるのです。私がこの部屋からいなくなった時、私の存在を確認できますか?

電話をかける、それも1つの方法かもしれませんが電話がかかった瞬間にあなたの世界線と繋がっただけかもしれません

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