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漫画では「物語」と「主人公」どちらが大事か? その真意が、起業の視点でも勉強になる

鳥山明さん、亡くなられてしまいましたが、ドラゴンボールは不朽の名作やと思っています。

子ども時代にわくわくしながら読んだことは、忘れられません。


さて、最近になって、有名な編集者のマシリトさんが書いた漫画ノウハウ本があると知りました。


こちらです。



僕は今から漫画家になりたいわけではありません。(というか、その才能も全くありません。)


しかし、あれだけのヒット作を生み出した名編集者。

その方の著作ですから、きっとビジネスにおけるヒントもふんだんにあるだろうと思って、読んでみました。

期待通り、ビジネスの観点でもとても勉強になる内容でした。

そして、起業をしている僕にとって、起業の視点でも非常に勉強になりました。

また、ドラゴンボール好きな僕としては、ドラゴンボールの裏側なんかも知れて、とても楽しく読めました。

一冊で、二度、三度美味しい本でした。


良い本だったので、自身の備忘のためにも、noteに残しておきたいと思います。


なお、著書の中には、コマ割りや、視点(ズームの絵、引きの絵)など、細かな漫画テクニックのことがかなり書かれていました。
このnoteでは、そういった描画のテクニック的なことは、割愛させて頂きます。


ネタバレになりますので、以降を読み進める方はご留意ください🙇‍♂️



Dr.マシリト






①人気漫画を作る為には、物語と主人公、どっちが大事?


まずは一番大事な話題から書いていきます。


マンガにおける「物語」と「主人公」

素人目線でも、漫画において、ある意味究極に大事な2つのポイントとも思います。

人気漫画を作るには、どちらが大事か?

もちろん両方大事とも言えるのでしょうが、そこには明確な差があると、Dr.マシリトは仰っておられます。

良い物語の作品が良いのか?

それとも、魅力ある主人公が大事か?


Dr.マシリトは、「圧倒的に主人公のキャラが大事」と結論づけます。


主人公 >>>>    物語

で、あるとのことです。

その理由は様々あるそうですが、主なものは次の②で明らかになります。




②まずは短編で、読者の反応を見る。これが大事

著作の中で印象に残った言葉があります。

「長編は、短編から生まれる」

とのこと。


あのドラゴンボールですら、最初に三作の短編を書き、

その3作目のドラゴンボーが人気投票高かったから、

連載が始まったとのことでした。


そして、ここも重要です。

「短編だからこそ、主人公の魅力しか書けないので、物語よりも主人公が大事」

とのことでした。

こういったビジネス上の都合があったのですね。


また、「主人公が魅力であれば、物語は後からついてくる」とも仰ってます。


ここまでの①、②のポイントを整理すると、Dr.マシリトは、以下を指摘していると、僕は解釈しました。

  • まず、読者は子供ということもあり、”待てない”お客さん。続きを読むかどうかを”直感”で決めている。

  • 物語は、その良さを伝えるのに時間がかかる。

  • 一方で、主人公は、1、2ページでその魅力を読者に伝えることができる。


こういった、即効性の観点から、主人公に注力すべきとのことです。





③どのようにして物語を広げるのか?

次に、どのようにして、物語を広げていくのでしょうか?

その点も、Dr.マシリトは解説してくれています。

「物語そのものよりも、魅力あるキャラクターを増やすことの方が大事。

 読者は物語が深まるのを待てない。

 しかし、魅力あるキャラクターならば、

 "このキャラが、どうなっていくのか?"が、気になって、

   次を読みたくなる」

とのことです。

やはり、キャラクターを中心とした漫画の作成を意識されていたとのことです。



なるほど



起業の視点で考えると

▶︎①"主人公>物語"について

とても示唆に富んでいる内容と感じました。

僕らの仕事でも同じことが言えると思います。

ここでは、物語の良さは、自社製品の良さと換言できると感じました。

また、主人公は、自社製品の広告やもしくはプロトタイプのような位置付けとも思います。

つまり、主人公は、お客さんに対して、「まずはわかりやすく直感的に魅力を伝える部分」であると言えます。

そして、Dr.マシリトは、「お客さんにわかりやすく魅力を伝えることに、全力で力を注ぐべき」と仰っていると、解釈しました。


僕自身も、自分で起業をし、小さな成功と、数々の失敗を経験してきました。

僕の経験から言って、商品の良さは、なかなかお客さんには伝わらないと感じてきました。

少し話が逸れますが、商品の良さはなかなかお客さんには伝わらないにもかかわらず、「商品磨きばかりして、お客さんに知ってもらうという努力が欠落している起業家」にも、多く出会ってきました。

何を隠そう、僕自身も、起業当初は、お客さんに知ってもらうという努力をすべきと気付けずに、ひたすら技術開発ばかりしていましたね。。。
本当に手痛い経験でした(この辺の詳細は、以下のnoteに書いています)。


話をDr.マシリトの話に戻します。

ヒット作には理由があり、そこには魅力的な主人公が居た、とのことです。


お客さん(読者)目線で考えると、もっとも早く、わかりやすく、お客さんに伝えることが出来る漫画の武器は何か?

それが、「主人公の魅力」というのが答えです。



僕の実体験とも強く合致します。

基本的にお客さんは、当然ながら、僕たちのために労力を割いてくれるわけではありません。

僕も、AIアプリを作り、お客さんにプレゼンしたとしても、

「わかりにくい」

という理由で、使っていただけなかった経験が、数知れずあります。

やはり

「わかりやすさ」

というのは、起業の意味でも非常に重要なポイントだと感じてきました。



僕自身も、なまじっか小難しいプロダクトやサービスにしたりせずに、

「いかに、お客さんがストレスなく理解できるサービスにするか」

「忙しいお客さんに、手っ取り早く、魅力をお伝えするか」

が、重要だと、再認識しました。




▶︎②"まずは短編"と③"物語の広げ方"について

この示唆も、非常に重要です。

僕は、Dr.マシリトが仰るのは、プロトタイプの重要性と理解しました。

そして、そのプロトタイプに色々なことを盛り込まない。

出来るだけシンプルに、コアとなる価値だけを盛り込むべきと理解しました。


これは、起業にて重要と言われているMVP(Minimum Value Product)と同じ考えと思います。

(MPVについては、以下のnoteをご参照ください)


やはり、最初から枝葉にあたる部分や、装飾にあたる部分に力を入れない。

それよりも、コアとなる価値(MVP)を、お客さん(読者)に体験してもらう。

これが王道と言えそうです。



▶︎③PMFと関連づけると

さて、起業にて最重要とも言われる概念、PMF(Product Market Fit)とも照らし合わせて考えてみます。

(PMFについては、以下をご参照ください)

漫画におけるPMFの達成は、以下のやり方で計測されると言えそうです。

  1. 短編でテストする

  2. その中に、MVPとして魅力的なキャラクターの主人公を入れる

  3. 人気投票で、読者の評価を知る


これは、起業のプロセスとかなり似ています。

  1. プロトタイプを、潜在顧客に使ってもらう

  2. その中に、MVPを機能として盛り込む

  3. 潜在顧客の熱狂度合いを計測する


こういったプロセスの先に、ドラゴンボールのようなヒット作があると考えると、やっぱりこのプロセスが大事だと確信を得ました。




以上です。

とても勉強になる内容で、このように漫画のヒット作が作られているんやなと、非常に楽しめました。

また、仕事にも活きるヒントがふんだんに盛り込まれている内容でした。

オススメです。






今日も読んで頂いて有難う御座いました😃



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