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60年代個人的洋楽10選

前に「70年代個人的洋楽10選」をやったので頑張ってさらに10年遡って出来るかなと思い、やってみることにしました。意外に勇気がいるんですよね。ここら辺の時代はロックファンがリアルタイムでいろいろ聞いてきた「ロック黄金時代」とも言われている時代なので。恐れ多くも、というそろりそろり姿勢で入っていくみたいな、僕みたいな生まれてもいない若造が語るなんてとんでもない、みたいなへりくだり感が半端ない、みたいな勝手な印象を抱いております。ビートルズは我が物顔で書けましたが(なんでやろ笑)、それ以外のローリングストーンズ、ボブディラン辺りからはちょっと「遠く」に感じており、若い時は入っていけなかったですね。それより1990年代中頃とかはもういい音楽が洋楽邦楽問わずいっぱいあった時代だからわざわざ大昔に行かなくたって、っていうのは今時の洋楽をスルーしていく「Z世代」にも言えることかもですが。歴史は繰り返すみたいな感じですが、「ロックの始まり」のレジェンドの音楽はやっぱり「本物感」が半端なくて一回はちゃんと聞いた方がいいかなと思って、何だかんだで頑張って聞いてよかったとも思ったりします。いろいろとややこしいこと書きましたがそれくらいこの「60年代洋楽ロック」は敷居が高かったと思ったりします。そんな感じですが早速どうぞ。


You Really Got Me / The Kinks (1964年)
いきなり恐れ多い曲から。なかなか今回は書きにくいですね。ほとんど聴いてなかったので。でもやっぱり有名だし、ヴァンヘイレンのデビューアルバムの完璧なカバーでも知っていたりのロックのスタンダードナンバーでもありまして。ビートルズがまだアイドル全盛期にこういう本物のロックをこの時代に響かせていたことが驚きであったりします。どこかで聴いた「ビートルズは女、子供が聴く音楽」で「ローリングストーンズとかキンクスは男が聴く音楽」とか何とか。記憶違いならごめんなさい。でもあの当時はそういう棲み分けがもう出来ていたとか聞いたことがあります。


(I Can't Get No) Satisfaction / The Rolling Stones (1965年)
ビートルズは高校生の時、今から30年くらい前に初めての洋楽ということで聴いたりして一気に洋楽にハマっていくきっかけとなりましたが、ライバルのローリングストーンズは何故かなかなか手を出さなかったですね。僕の洋楽好きな親友も「ローリングストーンズは何故かあんまり行かんかった」と言ったりしてましたし。まあ僕の友達でガチで洋楽聴くのはそいつしかいなかったし、世間的にはこんな感覚は珍しいのかもですが、もう90年代とかになると洋楽はほぼ出そろっていたし、わざわざクラシックロックの基本のビートルズを聴いたらその年代はよほど趣味が突っ込んでいかないと他のローリングストーンズとかのロックには行きにくい時代だったのかもとか勝手に解釈したりします。まあでもやっぱりレジェンドの響きは時代を超えてきますね。あの時代のビートルズではない熱気を感じます。不良の音楽ここにありって感じがします。ビートルズという王道とはまた違ったロックのなんというか生きる道みたいなものを多くの人に示したというか、生き方の選択肢を広げたというか、そんな功績があったのかなとこれまた勝手に解釈しております。


Like A Rolling Stone / Bob Dylan (1965年)
かの有名なアメリカのロック雑誌、ローリングストーン誌がロックの歴史で最も偉大な500曲でしたかそういう集計をやった結果その第1位に選ばれたのがこのボブディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」でした。何かその印象が強くて僕なんかは完全に世代ではないので「なぜこの曲なのか」というのが未だによく分かっていませんが、権威あるあの雑誌が選んだのだから意味があるのだろうと思っていろいろ調べたりして。まあ僕なりに分かったのは「あのボブディランがフォークからロックに表現を変えたこと」がその理由らしいです。すいません、ボブディランがどれほど偉大なのかいまいちピンと来てない人間なのでそれの意味することがまだあんまりわかってはおりません。でも何となく凄いことがこの曲で起こったのだなということくらいはようやくだんだん理解してきているような気もします。ここら辺のロックの歴史は興味があるのでいろいろこれから自分なりにその歴史を紐解いてしっかり納得いく理解が得られるように「ロック史」の勉強もしようかな。それはそれで楽しそうな勉強かも。


My Generation / The Who (1965年)
ザ・フーはかなり個人的な印象ですが「洋楽知っている人」が聴くロックみたいな感じがしていて、本当にこの曲をこの記事書くまでほとんど名前しか知らなかったバンドです、すいません。でも聞いてみたら「知ってる曲」でスタンダードナンバー化してますね。よかった、分からんかったらどうしよかと思ってました笑。ザ・フーもレジェンドなのでこれからいろいろ聞いてみたいと思います。


Light My Fire / The Doors (1967年)
邦題は「ハートに火をつけて」で、あの時代のビートルズ以外のロックの曲で一番好きな曲の一つでもあります。シングルバージョンもいいですが、あのアルバムバージョンの宇宙的なサイケデリックな広がりを感じさせる独特のドアーズの世界観にこれは若い時にハマりました。あの有名なイントロとジムモリソンのダンディでムーディなロックボイス。この曲はあの時代の結晶のような、あの時代だからこそ生まれた傑作だと思ったりします。ヒッピー文化というのですか、愛と平和を歌ってみんなが自由を求めて、新しい文化を作っていくあの時代の空気はかなりいろいろなドキュメンタリーで特にアメリカのとか見て憧れるというか、その精神性はやはり凄いものがあるな、と芸術に興味があれば惹かれるところは、あるかなと思ったり。でもかなりドラッグが蔓延していたみたいで、健康志向な今の時代にはやっぱり合わないかな、でも命削ってドラッグやってでもロックし続けたジムモリソンみたいな生き方から、逆説的ですが本物のロックが生まれたことも事実かなと思ったり。27歳でロックスターは大抵死んでますもんね。ジミヘンドリクスやジャニスジョプリン、ローリングストンーズのブライアンジョーンズ、Tレックスのマークボラン、そして時代が進んだ1994年にはニルヴァーナのカートコバーン。そういや日本の尾崎豊も近い26歳くらいで死んでますし。思春期の生き方が出来なくなるというのがどうしようもなく生き物として実感してしまうのがこの年齢なのかなと思ったりします。長くなって申し訳ないですが、僕自身、引きこもりをし続けることが出来たギリギリの年齢が25歳くらいでして。やはり生き物として「さなぎ」のままこれ以上は形を決めないで時間を経由することの限界がこの25歳とかに訪れますね。それ以上行くともう生きていけない「異形」になってしまうことがリアルに感じられ、それは痛いほど思い知りました。これとこれらの伝説的なロックスターの死亡年齢は関係しているような気もします。まあだからこそ命を削ってまで音楽にいくとあれほどまでに美しい歴史に残る名曲とかが生まれるのかもとか思ったりします。普通はもう感覚は閉じて「稼ぐ道」やなんかに行ったりしますもんね。


Jumpin' Jack Flash / The Rolling Stones (1968年)
60年代のローリングストーンズのもう一つの代表曲かなと思ったりしております。イントロが有名で聴きやすくていいですね、全体的に。こういうキャッチ―でカッコイイロックはビートルズとはまた別の「ちょっと不良っぽさ」もあって、ビートルズと人気をあの当時二分していたのも何となくわかったりします。完全な後追いですが、ようやくだんだんローリングストーンズの良さが遅ればせながら分かって来たり。令和の今がサブスクとかなんだとかで音楽が飽和な時代だから、なかなかレジェンドというかロックの始まりで鳴っていた音までたどり着きにくいですが、やってみるとハマる世界でもあるかなとか思ったりします。あと余談ですがこの「ジャンピン・ジャック~」というタイトルからWANDSのシングル「Jumpin' Jack Boy」を連想しましたが、作曲者の織田哲郎とかはガチなストーンズ世代だったんでしょうね。僕らが思春期くらいに邦楽でヒット曲飛ばしていたヒットメイカーたちが聞いて育った世代のバンドの代表格とかがローリングストーンズとかなんやなあと改めてそのレジェンドぶりに驚きです。去年とかも80歳越えてもまさかの現役感バリバリのアルバム出して世界中でヒットさせてましたし。ビートルズを遥かに超えた活動期間で世界最古のロックバンド、しかも今も現役とかまるで世界最古の古代国家「日本」みたいな凄いことになってますね。


The Weight / The Band (1968年)
この曲は70年代の洋楽のヒット曲を集めたコンピレーションアルバム集「SINGLES Hit Pops Anthology 1968→1982」で初めて知りました。ザ・バンド自体は何となくボブディランのバックバンドということは知っていたのですが、曲自体は知らなくて、でもこの曲聴いたら何とも言えない味のある名曲だと思ってしまって。お気に入りソングになっております。こういうレトロ感溢れる曲が多いのもあの時代のロックのいいところかなと思います。もう今じゃ再現不可能な目に見えない「スピリッツ」みたいなものがあの時代のロックにはいっぱい詰まってますね。そこはやっぱり憧れます。


White Room / Cream (1968年)
これは洋楽聴き始めくらいの1996年にたまたま行きつけのCD屋(初めて買ったCDミスチルのイノセントワールドもここでした)で見つけたコンピレーションアルバム「BOW WOW TV」に入っていてあの当時の車のCMでこの曲が使われていて「聞いたことある洋楽」で良かったですね。まあでもまだそこまでこの時代の渋いサウンドのよさがそこまで分かってなくて、やはり聞きやすかった80年代洋楽とかハードロックからハマっていったみたいな感じです。何周か回ってようやくこの時代のロックの良さが分かってきたみたいな。エリッククラプトンが在籍していたバンドとしても有名ですよね。あとやっぱり重厚なロック感というのがレジェンドな感じがしていいです。


Babe I'm Gonna Leave You / Led Zeppelin (1969年)
レッド・ツェッペリンはビートルズの次くらいによく聞いていたレジェンドでした。でも初めてツェッペリンのベスト「リマスター」を聴いた時はやはり洋楽特有の「初めて聞くと取っつきにくい」感じがありそこまで一発で気に入ったとかではないのですが、でも何回も聞いているうちにだんだんその良さが分かってきて今では好きなロックバンドの一つです。この曲も含めて渋い曲が多かったですね。芸術性が高いと言うか。それまでのビートルズとかともまた違った味わいがあるというか。代表曲のひとつ「天国への階段」も邦楽や聞きやすい80年代洋楽やハードロックに比べたら初見ではそこまで分からなかったくらいですし。でもそこがすぐ分からない奥の深さ本物のロックって感じがしていいです。そういやツェッペリンも引きこもり期に聞いていたなあ。「レインソング」とか「ノー・クォーター」とかあの当時の世間にどうしても合わない繊細な感受性の奥の方まで沁みてきて、魂に刻まれております。最近では「アキレス最後の戦い」のメタリックな硬質なロックの響きにハマったり。やはり年齢がいっても飽きがこない本物ですね、レッド・ツェッペリンは。さすがです。


In The Court Of Crimson King / King Crimson (1969年)
だんだん洋楽を聴くようになってロックの体系的な歴史にも興味が出てきてたしかこの曲を知ったのは「ロック名盤ディスクガイド」というタイトルの大きな本で。1958年くらいからあの当時で最新だった1996年までに発売されたレコードやCDの洋楽の名盤、主にロックとかが多かったですね。マイケルジャクソンとかも入ったりしていましたが、体系的に名盤を知ることが出来てむさぼるように読んでいました。そこでこの1969年にあったジャケットが強烈なキングクリムゾンの歴史的な名盤「クリムゾンキングの宮殿」に出会いまして。なぜこれを買おうと思ったのか忘れましたが、たぶんそこでの名盤紹介のコメントが「うわあ、歴史を作った歴史的な名盤ってどんなんやろ。あのビートルズのアビーロードからチャート1位を奪ったとか書いてあるし」と興味を持って買って。まあまだそこまで耳が肥えてなかったのでロック名盤にありがちな「すぐには」理解できなかったですが、そのアルバムの最後のに入っていたこの曲のなんとも言えない荘厳な感じにはやられていました。もう映像が見えると言いますか、こんなことは小学生の時に母親に買ってもらったクラシックのCD全集100枚の「グリーン・スリーブス幻想曲」とかで見えたヨーロッパのお城の風景以来でした。それくらい映像がサウンドとともにくっきり表れて、ヨーロッパの歴史の重層感が半端なかったですね。邦楽には絶対表現できない世界だと思ったりしました。西欧人の遺伝子が作らせたみたいな。ある意味洋楽で一番衝撃を受けた曲と言っても過言ではないかもです。


「70年代個人的洋楽10選」よりさらに「守備範囲外」感が強めでしたが、何とか頑張ってやってみました笑。やはりロックの歴史そのものとかなので軽々しくは書けない、でも自分の感性でとらえたものを書かないと意味がないとかの板挟みで、大変でしたが、一回は通らないといけない時代かなとか思ったのでやれてよかったです。次にこの年代やる時はもう少し肩の力抜いて出来そうなポップスなどにしようかな。そこまで詳しくはないのでそんなに回数出来なさそうですが。やはりロックって特殊な音楽ですね。その歴史を紐解くと、何かレジェンドが命賭けて紡いできた部分が始まりには相当濃い感じで、そんな空気が漂っていて。だからこそこの時代のロックには今にはあまり感じない「スピリッツ」みたいなのがあるのかなとか思ったりします。そこから派生していくロックも80年代ハードロックを始め好きですが、その源流にいたレジェンドたちを覗いてみるのは結構重たいことなのかもしれませんが、有意義な体験でもありました。まあでも個人的には気軽に聴ける音楽の方今は好きかなとか思ったりします。引きこもり期に散々聞いていたレディオヘッドも今じゃそこまで聴いていないですし。でも人生のある時期本気で生きようと悩んでいたあの時期にやはり一番響いてくるのは命を削った本物のロックのサウンドではありました。そういう体験をした人が多いから特にこの60年代の洋楽ロックは威厳が今の時代まで響いて届くのかなと思ったりします。そういう意味ではこの時代も憧れではあります。そんな感じでしたが今回は以上で。次くらいにまさかの再結成を決めたこれまた90年代ロックのレジェンド、オアシスの個人的15選をやってみたいと思います。タイムリーなタイミングでなるべく早くに。ではまた何かの10選とかで。


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