【小説】ペデストリアンデッキの舞姫と焼けた靴 6
第二章 (3)
「いやぁユキちゃんが駅で踊ってるなんてさ、最初見かけたとき度肝を抜かれたよ」
常連のオギタが体調不良から復活し、店にきた。
ユキはこのところ毎日ペデストリアンデッキで踊ってから店に出勤していた。踊りは毎回人を集め、拍手をもらっていた。数年前の母のCMを真似していることはいつの間にか知れ渡り、ハッシュタグつきで拡散され始めた。CMを知らない世代は新鮮さで面白がりネタとした。CMを知る世代からは懐かしいといったコメントもあれば、否定的なコメントもあったが、