「鼻」を制する者は「市場」を制す
vol.90
マクドナルドが、オランダで4月から行っているマーケティングキャンペーンに注目が集まっています。
その内容とは、マックのカラーである黄や赤の四角い看板を次々と設置したのです。
と思うでしょうが、実は、これはただの看板ではないのです。
何と、「フライドポテトの匂いが出る」看板なのです。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2024年4月18日〉
通行人が看板の5メートル以内に近づくと、ポテトの薫りが発射されるとのこと(笑)
確かに、自分に引きつけて考えてみれば、マックが食べたくなる瞬間ってメニューなどの視覚情報よりも、フライドポテトのあの薫りを嗅いだ方強い。
みんなが何となく思っていたことを、マックは実現したのです〜
しかも、「戦略的だなぁ」と感じたのが、どのお店の看板も店舗から650フィート(約198m)以内に置かれていること。
「ああ、マックの良い匂い。何か食べたくなってきたなぁ〜」と考えていると、店舗が目に入ってくるわけです。
近すぎず、遠すぎない位置に看板というトリガーを置いている。
なかなか面白い企画ですね😊
では、なぜこのような嗅覚に訴えるキャンペーンを考えたのでしょうか?
オランダ・マクドナルドのステイン・メントロプ・ヒュリセランCMOは
と説明。
まとめますと、ブランド資産の明確で感情的な記憶を呼び起こすためには、視覚よりも嗅覚に訴えかける方が良いと仰っているわけです。
確かに、人間の進化の過程において嗅覚は視覚や聴覚よりも早く備わった感覚と言われています。
それは、生命の維持のためと考えられています。
獣の匂いを察知したり、食物の腐敗や毒を判断したりなど、古代から嗅覚を頼りに生きる生物は多く存在しました。
考えてみれば、野性の王国を思い浮かべても、鼻が利く動物ばかりですよね🤔
そのため、嗅覚は「原始的な感覚」とも表現されているのです。
ちなみ、最近は脳と匂いの関係性、つまりプルースト効果を応用して、認知症や記憶喪失になった人の記憶を取り戻す研究が心理学の分野などで進められています。
というように、嗅覚は優れた能力を持っていながら、マーケティング的にはまだまだ未開拓。
つまり、そこに勝機があるのかもしれませんね。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?