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日本が世界ランキング1位なワケ

column vol.173

昨年末に【ジェンダーギャップ解消への世界的潮流】という記事の中で、「ジェンダーギャップ」「労働生産性」「幸福度」「子育て」などの世界ランキングで日本が下位に甘んじていることをご紹介しました…。

ただ実は、日本もランキング1位の項目もあるそうです。

もちろん、世界ランキングというのは1つの指標にしか過ぎないないのですが、世界の中でどんなところが評価されているかは参考にしたものです。

そこで、今回は3つの1位をピックアップいたします。

「東京は世界一住みやすい都市」

…とはいえ、まずは東京についてです…。でも、日本の都市であるのでご容赦くださいませ。どうやら、アメリカの経済紙グローバル・ファイナンスによる2020年度版「住みやすい街ランキング」で東京が1位を獲ったそうです。

〈AMP / 2020年12月30日〉

とはいえ、「幸福度」や「子育て」ランキングで評価が低い日本の東京がなぜ1位を獲れたのでしょうか?

実は「コロナパンデミックによる死者の少なさ」がその理由だったそうです。

今回の評価においては多くの人にとって「一生に一度」のパンデミック期をどこで過ごすべきか、という視点を重視。

スコア算出に利用された8つの指標のうち「人口100万人当たりの新型コロナウイルスによる死亡人数」に、他の7つよりも3倍の重みづけがしてあったとのこと。

総評でも、文化的・QOL的な意味で高度に発達し、「従来の調査で高評価を得てきた」イタリアやスペインの各都市が、パンデミックによる人命被害の大きさにより大きくランクを下げたことに言及しています。

とはいえ、個人的には、東京だけではなく死者数が比較的少ない日本の状況は不幸中の幸い。そう思うと、本来では外で遊びたい三連休もここは我慢のしどころだなと自制する気になります。

明日から、ちゃんとステイホーム三連休いたします!

「市民の行動が変わった国1位」

世界約4億人のユーザーをもつオンライン署名サイトChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)によると、同サイトのオフィスがある19カ国中コロナ禍の市民の行動に最も変化が見られたのは日本だったそうです。

〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2020年12月25日〉

しかも、それを牽引したのは日本の若者(特に高校生)だったそうです。

行動変化のバロメーターは、①「キャンペーン」と呼ばれる署名活動の増加率、②集まった賛同数、③ユーザーの増加率の3つの指標で測定。

日本は

・新規で立ち上がったキャンペーン数(219.67%増加)
・賛同数(150.56%増加)
・新規ユーザー数(41.37%増加)

という結果に。

ちなみに、コロナの影響を受けてChange.org上で立ち上がったキャンペーンに賛同した人は、世界中で1億1000万人以上にのぼり、世界平均でもキャンペーンの数は約1.6倍(前年比80.23%)増加しています。

その中で日本が躍進したのは次の2点。

4月に休校延長を求めるキャンペーン200ほど立ち上がり、それらの大半が高校生によるものであったこと。また大学を宛先にして学費軽減を求めるキャンペーンが170以上立ち上がったことが結果に大きく結びつきました。

自分は高校生の頃どころか、20代の頃までは政治や社会課題に全く意識を持っていませんでした…(恥)。

若者の政治参画意識が低いと長年言われてきただけに、今の若い人たちがイメージを変えるかもしれませんね。

CDPスコアで日本企業初のトリプルA獲得

国際非営利団体CDPが昨年12月に発表した2020年度の環境先進企業に関する調査結果で、花王が「気候変動」「森林」「水」の3つ分野で最高評価のAリスト企業に選定されました。

〈WWD JAPAN / 2021年1月1日〉

同社は2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(キレイライフスタイルプラン)」を策定。製品のライフサイクル全体を通して環境負荷低減に積極的に取り組んでいました。

CO2削減目標の策定、パーム油や紙・パルプの持続可能な調達の推進、国内外工場における水使用量の削減や節水製品の提供、消費者などさまざまなステークホルダーと協働で行う“いっしょにeco”の活動、気候変動や森林伐採、水リスクがビジネスに及ぼすリスクについての積極的な開示などが評価されたのです。

当社は花王さんとお付き合いがあり、その意識の高さには驚かされます。

ちなみに、今回の調査でAリストに選定された企業300社以上となったそうですが、国別では日本企業が最も多く66社がAリストに選ばれたとのこと。ここでも1位です。

EGSはますます重要なテーマになっていくことが予測されるだけに、環境面で日本の企業が存在感を見せたことは喜ばしいことですね。

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