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止まれ!「先入観」

column vol.130

「かぜ薬を飲んで、ウイルスを倒す!」

この言葉を聞いてどのように感じられるでしょうか?

私は正直何とも思いませんでした。ごくごく一般的な話であり、スルーしてしまいます。

ところが本当のところ、かぜ薬は…、何とウイルスを倒さないそうです…!

〈JIJI.COM / 2020年11月22日〉

市販薬は喉の痛みや鼻水、発熱などを抑える成分を配合しているのですが、ウイルスを倒す効果はない。倒すことができるのは人体であり、薬は「免疫機能を発揮できるように症状を抑えて体力が奪われないようにする」ことが主な役割とのことです…(汗)。

なるほど…、、、正直、44年間生きていて、ずっと誤解をしていました…。

でも、ちょっと安心したのが、65%の人は同じように誤解をしていたそうです。しかし、一方で45%の人は正しく知っていたわけで、少し気恥ずかしい気持ちになりました。

かぜ薬というごくごく身近なものでも誤解してしまう。思い込みの恐ろしさを改めて感じてしまう今日この頃です…。

ターゲット論を疑う

かぜ薬を誤解しているぐらいなら、そこまで自分の生活に支障はないですが、次の記事は直接仕事に関係するので、要注意だと思いました。

日経クロストレンドの【「共感」とは何か 顧客を「ターゲット」と見るから失敗する】という記事です。

〈日経クロストレンド / 2020年11月20日〉

Airbnbの事例が紹介されていますが、ターゲット論の落とし穴が書かれています。

どこの企業もペルソナ設定をすると思いますが、調査などを通して得られた顧客像に縛られてしまうことがあります。調査会社が調査した結果、こういうお客さまが多いから、こうなのだと決めつけてしまうのです。

例えば、お歳暮の購入金額の平均額を調査をした結果、4,000円であることが分かりました。そこで、4,000円のギフト商品を用意。

すると、その4,000円の商品は、予想に反して全く売れませんでした…、ということがよく起こります。

実はボリュームゾーンは5,000円3,000円にあり、平均値ということにフォーカスし過ぎてしまった結果、購入者とのギャップが生まれてしまったのです。

この場合重要なのは、5,000円と3,000円を買う心理にどんな背景があるのかを見抜くことが求められます。

例えば、3,000円以上で配送が無料になるのであれば、3,000円ギフトは遠方に送るお気持ちギフトということなのかもしれませんし、5,000円ギフトは4人家族で食べられるちょうど良いギフトかもしれません(当然、商品のカテゴリーに依りますが)。

つまり、ニーズという客観性だけで見るのではなく一人の人間としての心理を見抜き自分との共感ポイントを見出すことが肝要になります。

弊社代表の谷口は「ファーストカスタマー イズ ミー」という言葉をよく使いますが、自分が最初のお客さまとして利用するとしたら…という視点が非常に大切になります。

もちろん、エリアごとの所得状況など客観的な視点(データ)は必要ということは前提で、その上で自分の共感ポイントも必要ということをお伝えしたいのです。

自分が同じ所得だったら、何を選ぶのかなど、個人レベルでの考察をしないでただただデータだけを受け入れてしまうと、先入観の甘い罠にはまってしまうということです(私も、かつて何度も痛い目に合いました…)。

皆さまもぜひお気をつけくださいませ…!

高校生の素直な反応

最後はちょっとほっこりニュースで締めたいと思います。

とある高校生が、政策を議論する授業を受けての「気づき」を新聞に投稿。その内容がSNSで話題になっているそうです。

〈HUFFPOST / 2020年11月16日〉

東京都内の17歳の高校生が、学校の授業で政党名を伏せた状態で、政党ごとの政策について議論をしたそうです。

すると、良いと思った政策が、実は今まであまり印象の良くない政党だったというギャップに気づき、「私のように先入観から、特定の政党を否定している人は意外に多いのではないだろうか」とSNSで問いかけの投稿をアップしたそうです。

そして、「異なる考えを最初から排除するのは、思考することを放棄しているとも言える。今一度、情報に対する自分の目の向け方を見直したい」と締めくくったとのこと。

17歳の頃は相当な鼻垂れだった私からすると、この方はとても大人で素晴らしいと感心していましました。

先入観は私も含めて人は必ず持っているものだと認識した上で、時に自分を省みることの大切さを改めて感じてしまう本日の記事でした。

冬の到来間近であることもあり、取り急ぎは、かぜ薬はウイルスをやっつけない!ということが分かったので、まずは免疫力を高めたいと思います。

皆さまも、コロナだけではなくかぜに気をつけて、ご自愛くださいませ!

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