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「おもちゃ」がビジネスをアツくする

column vol.670

昨日は子育て世代へのマーケティング調査を行ったのですが、当然親子で来場される方ばかりだったので、お子さんが飽きないように、おもちゃでおもてなしをさせていただきました。

集めたおもちゃは多種多様で、私が子どもの頃からあるものや、例えば知育玩具など令和の時代らしいものまであり、仕事中ながらも童心にかえることができました。

ということで、本日は「おもちゃビジネス」をテーマにお話ししたいと思います。

最新の “スゴい” おもちゃたち

毎年注目されている日本玩具協会主催「日本おもちゃ大賞」も6月14日の発表に向けて、最終審査会が24日に行われました。

〈デイリー / 2022年5月26日〉

29社295商品の応募から選ばれた7部門の受賞候補35商品のメーカー担当者が、審査員に向けプレゼン。

商品の特長やユニークさ、エンタメ性をアピールしました。

時代を映す鏡と呼ばれるおもちゃですが、AIなどの最新技術や、親子のニーズを反映した最新商品が勢ぞろい。

例えば、タカラトミーが手がける9月下旬発売予定の読み聞かせスピーカー「coemo(コエモ)」は、アプリを通じてパパやママの声を登録すると、AIが声質を学習し、そっくりの合成ボイスで昔話、童話を読んでくれるそうですよ…(驚)

そして、ロングセラーの代表格「リカちゃんシリーズ」でも時代を反映しています。

女子小学生のなりたい職業1位・パティシエ遊びが楽しむためる「リカちゃん ゆめdecoパティシエ ポンポンホイップ(7月16日発売予定)」が登場。

1967年生まれで今年55歳のリカちゃんは、今も子どもの憧れであり続けるのは本当にスゴいことだと思います。

また、テンヨーのジグソーパズル「フラッシュマジックジグソーパズル 500ピース『星空に想う』(6月18日発売予定)」は、パズルを完成させた後、スマホのフラッシュ機能で撮影するとクライマックスシーンが浮かび上がる仕掛けに。

パズルを完成して終わりではないところに令和的な新たなストーリーデザインを感じますね。

どんなおもちゃが最終選考まで残っているのかもっと知りたい方は、ぜひこちらの公式サイトをご覧くださいませ。

〈東京おもちゃショー2022公式Webサイト〉

「不確実性」がビジネスのカギ

童心にかえった私の話をしますと、自分が子どもの頃、どんなおもちゃに一番興奮したかな?と思い出してみました。

ファミコン?ゲームウォッチ?人生ゲーム?

いろいろと頭に浮かべてみたのですが、一番 “興奮” したという観点から言うと、おもちゃ自体ではありませんが「ガチャガチャ」なのかもしれません。

それがいくつの時か、何が当たったかは覚えていませんが、ガチャガチャのハンドルを回す瞬間の場面と胸の高鳴りは今も鮮明に記憶されています。

この興奮の源は、もちろんキャラクターを手に入れられることもそうなのですが、「不確実性」にあると思っています。

お金を払っているのに、欲しいものを得られるかどうか分からない。

現在はお金さえあれば、大抵の欲しいものは手に入る時代です。

そんな中、UFOキャッチャーにお金を使い込んでしまう心理とも同じで、この「不確実性」は一つカギなのかもしれませんね。

そんなガチャガチャが最近では駅ナカに進出しています。

〈ITmediaビジネスオンライン / 2022年5月5日〉

例えば、JR上野駅ではコロナの影響で退店を余儀なくされた店舗の空きスペースにガチャガチャを並べたところ大ヒット

最近ではフィギュアなど大人のカプセルトイも多くなっており、仕事で疲れた社会人の心を癒す、オアシスのような存在になっているそうです。

ガチャガチャの市場規模年間450億円とも言われており、まだまだ成長していくかと思われますが、「不確実性」に着眼し、転用すると何かヒットする導火線になるやもしれませんね。

「ガンプラ」高騰に賛否

最後はガンダムのプラモデル、「ガンプラ」の話で締めたいと思います。

コロナの影響で品薄状態になっていることからオークションサイトでの取引額が高騰しているそうです。

〈西日本新聞 me / 2022年5月29日〉

定価の2~3倍で売られることは珍しくなく、最近では限定商品を転売目的で購入するケースも増えており、メーカー側も対策に乗り出しています。

一方、「おばあちゃんにプレゼントしたい…」8歳の孫が70歳の祖母にガンプラを贈ったというほっこりニュースがSNSで話題になっております。

〈オリコン / 2022年5月29日〉

4月25日に突如ツイッターにアカウントを立ち上げた、たえちゃんさん(@gunplaobaachan1)は、ガンプラ未経験にも関わらず、巨大ガンプラ「ナイチンゲール」に挑む姿などを投稿して、瞬く間にフォロワー1万人を突破。

YouTubeでもその勇姿を披露しています。

〈ガンプラおばあちゃん たえ YouTubeチャンネル〉

ヒットの要因はさまざまあるかと思いますが、70歳のおばあさん×ガンプラというギャップの落差は一つのビジネス的ヒットの定石かと思います。

最初の事例も、ポピュラーなのに手に入らないというギャップの生まれが、ハングリーマーケットを生み出しています。

ただし、こちらは意図して行うと炎上するので、良い子のみんなはマネしないで案件かと思います(笑)

ギャップのある異性がモテるなど、ギャップの魅力は誰もが知るところではありますが、ギャップを生み出せているのかというと意外とできていないというのが本音ではないでしょうか?

と、おもちゃ業界の事例をもとに、ほんのりビジネスヒントを探ってみました。ぜひぜひ、やんわりヒントにしていただければ幸いです。

それでは、引き続き日曜日の午後をお楽しみくださいませ。

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