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企業が「生き残る」ためにすべきこと

column vol.398

昨日、自戒の念を込めて「リーダーとしての心得」を書かせていただきましたが、その中で「会社が存続するための判断」が必要だと書きました。

時には社内が二分するような賛否両論が生まれるかもしれない。

そうした両論を踏まえてリーダーが勇気を持って判断して、コロナ禍で乗り切ろうとしている実例をご紹介したいと思います。

私も大好きな丸亀製麺を展開している株式会社トリドールホールディングスの執行役員CMOの南雲克明さんです。

どんな決断をしたのでしょうか?

「アイデンティティ」を守るための熱意

昨年、コロナによって飲食業界は営業自粛時間短縮などの厳しい状況にさらされ、南雲さんはテイクアウトに活路を見出しました。

〈bizSPA!フレッシュ / 2021年8月21日〉

今では当たり前の光景ですが、丸亀製麺はそれまでの20年間テイクアウトには手をつけずにやってきました。

当然、社内では『本当に丸亀製麺の味を届けられるのか』『ブランド毀損にならないか』など喧々諤々に…。特に「丸亀食感」がテイクアウトによって崩れてしまったら、元も子もありません。

しかし、デリバリー対応も味の鮮度を保って届けられるエリアに絞るなどの、創意工夫を重ね、販売。初年度は100億円規模にまで成長しました。

さらに、今年4月には業界の常識を覆す「丸亀うどん弁当」を発売し、4ヵ月で900万食を突破する大ヒットを叩き出しました。

未曾有の出来事で混乱する中で、議論に議論を重ね、解決を生み出していく。そこには心がすり減るような日々だったに違いありません。

やはり、企業がイノベーションして生き残っていくには、熱い議論決断力、そして行動力が必要なのだと改めて感じます。

上層部の反対を押し切って大ヒット

若手社員も負けていません。上層部の反対を押し切って大ヒットを生み出した20代社員もいらっしゃいます。

1819年創業の老舗ガラスメーカー、石塚硝子「アデリア」というブランドをご存知でしょうか?

1970年代のデザインを復刻したプリントグラス「アデリアレトロ」が売りに売れています。

〈ITmediaビジネスオンライン / 2021年8月13日〉

20~40代女性の間で大ヒットし、累計販売数は2019年10月の発売から約2年で44万個を突破。21年1月からは月次の最高販売数を7ヵ月連続で達成しています。

さらに、7月にはガラス蓋のボンボン入れを復刻発売し、前年同月比370%達成(数量ベース)という数字を叩き出しているそうです。

しかし、当初は昭和世代の上層部からは「こんな古い商品を今更販売したところで売れるわけがない」と反対されたそうです。

それでも若手社員は、トレンド調査10数軒のアンティークショップへのインタビューを重ねつつ、再度社内の企画会議に挑戦。

上層部全員を納得させることはできなかったものの、小規模なテスト販売を実施する許可をもらい、18年9月から復刻プロジェクトを始動させることになったそうです。

そこからの快進撃は先ほどの数字の通りです。こんな熱い社員さんがいる石塚硝子さんは幸せですね〜。

「大手企業からスタートアップへ」転職者増加

昨日もお話ししましたが、企業は存続しないことが前提になっています。

そのことを若者は特に理解しているのではないでしょうか?それを表すかのように、大手企業からスタートアップへの転職希望者が増えているそうです。

〈NIKKEI STYLE / 2021年8月21日〉

記事には、20代~30代前半の人たちのさまざまな声が載っているのすが、2つほど紹介させていただきます。

「大学時代の友人がスタートアップの経営に携わっているが、話す内容を聞いていると、自分よりずっと視座が高い。事業立ち上げの苦労も経験し、すごく成長していると感じる。一方、自分は昨年と代わり映えがしない仕事をしていて、成長が停滞しているような気がする。成長機会を得るために副業をしたくても、会社から制限されている」

大企業だけではなく、中小企業も年月とともに硬直化している企業は多い…。当社も気をつけなければなりません…(汗)

他にもこんな声があります。

「今の会社で50代、60代を迎えても、雇用が確保される保証はない。大手企業といえども、体力が落ちていき、退職金や福利厚生にも期待は持てない大手の魅力だった『安泰』はもうない

今の時代、大きいか小さいか、新しいか古いかではなく、動き続けているか(変化)停滞しているか企業のサスティナビリティ(持続性)は決まるということですね。

個人レベルでも、去年の自分には無かった経験や挑戦があったかを常に問い続けなければ、時代に取り残されてしまいそうです…。

私は40代ですが、100年生きるとしたら、あと30〜40年ぐらい働かなければならないかもしれませんので、若者同様の危機感と向上心をもって未来に向かえたらと考えております。

もちろん、楽しむことを忘れずに

変化時代を面白がって生き抜きたいと思います。

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