時流に乗れる「会社員」とは?
column vol.609
気がつくと今週末から4月…。多くの企業が来年度を迎えるのではないでしょうか?
いち会社員としては新たな気持ちで臨む春。
世の中一層変わってきていることも含めて、今後の会社員としての心構えについて改めて考えてみる。
そんな回にしたいと思います。
「無くなる」かもしれない3つの収入
まずは少し注意が必要なニュースから。
『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』の著者であり、社労士・FP・元保険販売員というさまざまな肩書きを持つ佐藤敦規さんは、会社員の未来に待ち受ける「3つの収入カット」について言及しています。
〈東洋経済オンライン / 2022年3月7日〉
ドキッとする話ですが、その3つとは「手当」「残業代」「退職金」。
詳しい説明は東洋経済オンラインの記事にお任せしつつ、私はさらりとその理由について触れたいと思います。
①手当
家族手当、住宅手当、資格手当、皆勤手当、食事手当など、給料とともにさまざまな名目で手当が支給されていますが、この制度の特徴は、役職やその人の評価や成績に関係なく、同じ金額が支給されます。
そうなると課題となるのが、同一労働同一賃金への対応です。
非正規社員にまで広がるとなると…、予算面で厳しくなり…、泣く泣く見直しを迫られる企業も出てくるはずです。
②残業代
働き方改革によって、過剰な残業をさせた会社には罰則が設けられるようになり、月に45時間を超える残業を禁じる会社が増えています。
さらに2023年以降、中小企業も月に60時間を超えた分の残業代支払いの割増率が、25%から50%になることも大きいでしょう。
もはや、残業が許されない時代なのです。
③退職金
労働基準法で定めがないため、ある程度、企業の裁量で変更できます。
仮に制度として残ったとしても減額される可能性はあります…。
退職金の計算方法は会社によって異なりますが、勤務年数や役職により、「退職時の基本給×勤務年数に応じた月数(30年なら360月)」という計算式を採用している会社が大半です。
となれば…、昇給しないと額は少なくなる…。
そもそも、退職金を語る前に昇給もままならない企業も多い…。
非常に大変な時代です…。
副業に前向きな企業が続々!
そうなると…、勤めている会社に頼ってばかりもいられません。
一念発起して副業・兼業を始める人も増えています。
〈マイナビ ニュース / 2022年3月25日〉
副業マッチングサービス「lotsful(ロッツフル)」を手掛ける、パーソルイノベーションの田中みどりさんによると、副業を解禁する企業側にもメリットがあると指摘します。
個人と企業、それぞれの利点は「キャリアアップ」です。
社外のスキルやノウハウを吸収できることにより、個人は汎用性のある人材となり、企業も新たな知財を吸収できる。
マネジメントとしては、自社の研修やジョブローテーションだけでは賄い切れない社員の成長に繋げられます。
そして、副業人材を受け入れる側の企業にとっても当然メリットがあります。
以前【「頼ること」が成長に繋がる】で紹介した「アイゼンハワー・マトリクス」にあった、企業にとって「重要だけど緊急ではない仕事」なんかを特に副業人材に任せると良いかもしれませんね。
もちろん、情報漏えいを始めとするトラブルには注意が必要ですが、ルールと制度を設けて的確に運営すれば、企業の革新にも繋げることができるのです。
「会社」で何を学ぶべきか?
外に外にと目を向けることも大切ですが、勤めている会社での成長も見逃せないところです。
では、会社員は自社で何を一番学んだ方が良いのか?
『なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか』の著者、田坂広志さんはズバリ「管理職」であると語ります。
〈Forbes JAPAN / 2022年3月24日〉
管理職と言えば、最近若い人が「割りに合わない…」と敬遠がちであると聞いております…(笑)
しかし、田坂さんは管理職を通して学ぶ3つのメリットを挙げています。
(1)人間として成長できる
(2)生涯を通じて活躍できる
(3)淘汰の嵐を超えていける
共通するのは、AI時代でも代替されない能力が「人間力」であることです。
管理職は本当に良くも悪くも人間として本当に磨かれる(笑)
また、ビジネスとは人を喜ばせてその対価を得られるわけで、人間に精通することは重要ですね。
最近、ふと思うのです。
「大人」とは何か?ってことを。
体の小さい子供に対して、体が大きいのが大人?
今まではそう思っていました。
でも、実は大きくなくちゃいけないのは「器(人間力)」なんじゃないかなと思うのです。
【育児は「次世代人財」への道標】でもお話ししたように、人間力は一生かけて磨かれるもの。
管理職は割に合わないと思うほど、人間として揉まれます。それぐらい大変だからこそ得られるものも大きい。
そこには毎日の試行錯誤があるからです。
AIに淘汰されない能力学習と考えると、貴重に思えてきませんか…?(笑)
個人的にはいつまでも「大人」としての成長を心がけていきたいと思います。
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