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ますます注目!「グリーンエコノミー」

column vol.819

昨日、これからの時代は「世のため、人のため」が先、利益は後から付いてくるという話に触れさせていただきましたが

その最たるものが「グリーンエコノミー」だと思います。

持続可能な開発・発展を実現する経済のあり方

2011年のUNEP(国際連合環境計画)『グリーン経済報告書』では

「環境問題に伴うリスクと生態系の損失を軽減しながら、人間の生活の質を改善し社会の不平等を解消するための経済のあり方

と定義しています。

経済産業省ではグリーンエコノミーによる2050年の経済効果約290兆円雇用効果約1,800万人と試算しており、まさにこれからの成長産業

世の中全体として注目が集まっている中、最近、私が特に注目している3つの取り組みについて本日はお話ししたいと思います。

金融の力が融合「グリーンフィンテック」

まず今一番注目しているのが、環境保護金融を融合させた「グリーンフィンテック」です。

金融業界における環境保護への意識の高まりを背景に、「環境に良い効果を与える投資への資金提供」を意味するグリーンファイナンスが、その規模を拡大しています。

(ちなみに、SDGsに積極的な企業の割合は56.0%

直近の目ぼしい動きとしては、日本政策投資銀行(DBJ)と、三菱UFJフィナンシャルグループみずほフィナンシャルグループ三井住友フィナンシャルグループの3メガバンクが脱炭素化事業に支援する官民ファン「脱炭素化支援機構」を合弁で設立したことではないでしょうか?

〈@DIME / 2022年8月19日〉

昨日、環境省から設立の報告がされていました。

財政投融資や民間資金を原資としたファンド規模は200億円を目指し、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、脱炭素関連事業へのリスクマネー(高いリターンを得るため、回収不能になるリスクを負う投資資金)の供給を通じて民間投資を促していきます。

とはいえ、世界ではより先進的な事例が多く、学ぶことが多いというのが正直なところ。

例えば、デビットカードとアプリが連動した「TRED」は、ユーザーの消費活動をCO2排出量に置き換えて、アプリで表示してくれる英国初のサービス。

「自分の買い物=CO2排出量」として、消費行動を「食料品」「移動費」などにカテゴリー化しつつ、買い物データを分析し、自分のライフスタイルにおける何が気候変動に最も影響を与えているかを“見える化”する仕組みとして注目を集めています。

他にも、イタリアのグリーンデジタルバンク「Flowe」では、FSC認証(適切な森林管理を認証する国際制度)がされている木製のデビットカードを発行。

さらに、買い物をするたびにどれだけCO2を排出しているかをリアルタイムで表示する機能や、買い物をした店ごとにCO2排出量を比較する機能など、サステナビリティをより意識付けできるサービス「Flowe ECO Balance」を提供しています。

他にも、興味深い事例が@DIMEの記事にたくさんありますので、ぜひ併せて読んでいただけると幸いです。

忘れられていた「花のロス」問題

フードロス問題への認識は社会的に高まってきていると思われますが、同じように「花のロス」問題も課題解決が求められています。

〈AMP / 2022年9月25日〉

「日本サステナブルフラワー協会」によると、何と仕入れ総量の35%が廃棄されているそうです。

ちなみに同協会は、「フラワーロス」の現状を変革するために設立された日本初の組織。

花を愛する人の「廃棄される花がかわいそう」という罪悪感を軽減するミッションも追求し、廃棄花のリユーズ・リサイクル製品の販売のみならず、花のリサイクルアートのワークショップや講座などスキルの普及にも力を入れているそうです。

また、「植物×社会課題」をテーマとする株式会社LORANS.も、千駄ヶ谷や天王洲アイルなどにカフェ併設店舗アトリエを3軒経営し、同様にフラワーロスの課題に取り組んでいます。

加えて、障碍者やマイノリティの従業員を積極的に雇用し、「誰もが自分色に花咲く社会を作る」というミッションの実現に向けて企業努力を続けていくとのこと。

ちなみに花の王国・オランダでは、サステナビリティ先進国でもあることから、花をよく購入する消費者のうち91%「少し料金を上乗せしてでもサステナブルな花を選びたい」と回答する調査もあるそうです。

「サステナビリティに配慮したフローリスト」の認定基準としてもっとも信頼を得ている承認制度「Green Floristマーク」は、そんな同国の背景から誕生しています。

こちらの承認制度は、主にビジネス用のギフトを販売するオンラインショップである「Topgeschenken.nl」の花部門の発案でスタートしました。

(現在は、MPS-ECASという独立法人を設立)

同店はギフトとして汎用性の高いお菓子やケーキ、フルーツなどの食品をメインに扱っており、「食品フィールドでは一般的であるトレーサビリティ製品の製造・販売が与えるインパクトといったことが、同じ農産物であるブーケの花に関しては全く注意が払われていない」ことへの違和感がきっかけだったそうです。

花はもちろん、他にもさまざまなロス問題がこの社会には存在しているはずです。

1つ1つのロスを顕在化させ、解決する。

そういった視点がグリーンエコノミーを膨らませる新たなファクターになるのでしょう。

新しい旅へ「サステナブルツーリズム」

最後は私が人生で最も好きなことの1つ、「旅」についての話で締め括りたいと思います。

今、世界中で「サステナブルツーリズム」が広がっています。

サステナブルツーリズムとは、直訳すると「持続可能な観光」。 

地域の自然環境を守りながら、観光業を活性化させ、住民の暮らしを良くしていくことを目指しており、 環境汚染や自然破壊などに繋がる商業化を避けて、地域の自然や文化を活かした観光地つくりを行う旅のカタチです。

例えば、ハワイでは海岸の清掃や森林の保全ボランティアスタッフとして参加すると地元の観光協会が割引してくれたりします。

もちろん、割引がなくても「レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)」は、国内外で増えているのです。

〈日刊ゲンダイDEGITAL / 2022年10月26日〉

生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんによると、子どもの教育のために、なかなか自然の中で子供に教える機会がないので、わざわざボランティアを目的として旅行する家族もいるとのこと。

興味深い事例として、オーストラリアの先住民のアボリジニに歴史や文化を体験できるツアーを挙げていらっしゃいます。

ブーメラン、狩猟などアボリジニのガイドが教えてくれる。

まさに、地域の資源である「自然」「文化」「伝統」「そこに暮らす人々」を活かしたツーリズムです。

また、訪れる人は自然と共生しながら豊かに暮らそうとするアボリジニとの触れ合いを通じて、環境保護への理解を深めることができる。

楽しみながら、学んでいく。まさに「楽習」旅行ですね。

まだまだ、本当は取り上げたい分野の話もあるのですが、今回はこの辺で。

今後もグリーンエコノミーについての話題をお届けしたいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。


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