見出し画像

ビジネスを好転させる「本質視点」

column vol.411

昨日は、自分のストレスの根に向き合って解決をした話しをしましたが、やはり物事の本質を見抜く力はビジネスにおいてとても重要だと感じます。

この「本質を見抜く力」を養う上で、とても参考になる方法論があったので共有させていただきます。

その名も「システム思考」です。

見えている課題に囚われない

「システム思考」とは、物事の全体像を捉え、さまざまな要素との繋がりを把握した上で、最も効果的な解決法へ向かうアプローチ。

目に見えている問題だけに囚われるのではなく、複雑に絡み合う多種多様な事柄を考慮し、物事を本質的な解決に導くための思考法です。

〈日本の人事部 / 2021年7月16日〉

同様なのが「氷山モデル」

「氷山の一角」という言葉もあるように、表出しているものはあくまで全体の一部

目に見えている部分を「出来事」とすると、水面下には「行動パターン」「構造」「メンタルモデル」といった要素が隠れています。

例えば、採用活動で過半数の候補者に内定を辞退されたとします。

この出来事だけを見れば、採用担当者のフォローが甘かったのではないかと思うでしょう。

しかし、同じタイミングで競合が選考をしていた、といった「行動パターン」が裏に隠されているかもしれません。

そして、構造です。

採用フロースケジュール合理性はあるか、また、競合と比べたときに見劣りする条件がないか。そして、それらを解決できる人物は誰なのかへと視点を切り替えていきます。

これにより、採用スケジュールや競合と差異、組織文化といったさまざまな要因を探り、本質的な課題解決に近づけるというわけです。

人は「見たい景色」しか見ない

「システム思考」「氷山モデル」を行う上でポイントになるのが「客観性」です。

言葉にすれば、当たり前のことですが、客観性というのは私は非常に難しいことだと感じています。

人は都合の良い生き物「見たい現実しか見ない」という特徴があります。

ですから、本質を追求するという美徳がいつの間にか、他者への責任転換に変わってしまうことも往々としてあるでしょう。

そんな時、私がいつも呪文のように唱えている言葉があります。

「原因結果、我に有り」

これは当社社長の常套文句で、何か問題があって周りのせいにすると、すかさず「お前に何か落ち度はなかったのか?」と突っ込まれます。

自分だけ悪くないなんてありえない。

まずは自分の足りなかったことを見つけ反省しろというわけです。

そして反省の弁を話し終わると、必ず言われたのが「原因結果、我に有り」でした。

いつも恥ずかしい思いをさせられたのですが、自分は悪くないことを主張していた時代よりも、この考えを習慣化してからの方が仕事が上手くいくようになりました。

その上で、システム思考を行なっていくと、とても良い問題解決に導けるかと思います。

商売の本質は何か?

システム思考に通じた事例として、とても良い記事があるのでご紹介させていただきます。

幻冬舎 GOLD ONLINE【KPIなんていりません!「売上目標」のない飲食店で起きた驚愕の変化】です。

〈幻冬舎 GOLD ONLINE / 2021年9月3日〉

1日100食限定と、従来の業績至上主義とは真逆のビジネスモデルを実現する京都の国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」

今や誰もが知る企業ですが、「売上至上主義からの解放」へのプロセスがまさにシステム思考だったので、セレクトさせていだきました。

少子高齢化で日本の労働力人口は減りつづけ、可処分所得は減り、景気動向が上がろうが下がろうが、庶民の暮らしは苦しいばかり。そんな状況で、「前年対比増」を目指しつづけること自体ナンセンスだと思いませんか?

そして、記事ではこのように言葉が続きます。

自社努力でシェアを伸ばしつづければ、「不可能」とは言いきれないでしょう。けれどもこの多様性の時代、人によって好みも異なり、その好みすらすぐに変化し、選択肢は増えつづけています。「右肩上がり」のグラフなんて、もはや幻想です。

「とはいえ、売上(利益)を上げていかないと食っていけないじゃないか」という声が上がることは当然でしょう。

しかし、売上を上げるためには、お客様にお金を払ってもらう必要があるのですが、そのために必要なことはと本質に近づいたらどうでしょう?

結局は、「お客様を喜ばせること」になります。

だから「売上を上げること」ではなく「お客様の満足度を上げること」に重きを置いているのですね。

そして、お客様の満足度を上げるためには、お店のスタッフが働きがいを感じていないといけない。そうして掘り下げていくと、「佰食屋」のスタイルがとても理に適っていると感じますね。

経営会議や営業会議で、「売上を上げるためにどうするか」という議論が多いと思いますが、「お客様(クライアント)がもっと喜ぶためにはどうすれば良いか」という議論がちゃんとできているかですよね…。

お金を稼ぐということの本質を掘り下げていくと、見えなかった大切なものが見えてくるかもしれません。

見えないことにこそ、やはり鉱脈があるのような気がしますね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?