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「休み」が成果を生み出す

column vol.643

本日は平日ですが、当社では2日6日休暇にあて、10連休としています。

GWに限らず、何だかんだ休日でも仕事をしてしまうのですが…、「休み」を意識することも大切。

もっと言えば、休めるように仕事を進めていくことも重要ですね。

ということで、本日は休息の大切さ各企業の取り組みについてお話しいたします。

「1万時間の法則」の落とし穴

1950年代、イリノイ工科大学の「研究室で過ごす時間」「書いた論文の数」を比較調査では、働く時間が長いほど、論文の数が増えるという仮説を覆す結果となりました。

週10時間から20時間の間がピークで、そこからは下降に転じ、研究室で25時間過ごす研究者の生産性は、5時間を過ごす研究者と同程度に。

さらに、週35時間働く研究者の生産性は、週20時間働く同僚の半分になってしまったそうです…。

この35時間で一回底となり、週50時間35時間の谷から抜け出すこと成功したのですが、週60時間以上働く研究者は、最も生産性が低いという結果となってしまったのです…(汗)

『シリコンバレー式 よい休息』の著者で、コンサルタントのアレックス・スジョン‐キム・パンさんによると、良質な仕事を生み出すには、良質な「休息」が必要で、休息を決して怠惰と見てはいけないと指摘しています。

ちなみに、シリコンバレーと言えば「1万時間の法則」という考えが根付いています。

アメリカの作家マルコム・グラッドウェルさんのベストセラーになった著書『天才! 成功する人々の法則』がきっかけだったのですが、簡単に言えば「ある程度のIQさえあれば、どんな才能や技量も、1万時間を費やせば獲得できる」という話です。

ただし、パンさんはこの説に待ったをかけます。

実はこの1万時間の法則は、心理学者のカール・アンダース・エリクソンさんたちがベルリンのハンス・アイスラー音楽大学でバイオリンを専攻する学生を対象に行った調査だったのですが、実は1万時間の練習の裏にはもう一つ重要なファクターがありました。

それが休息です。

優秀な学生は、普通の学生よりも上手に休息をとっていたのです。

パンは、この法則についてこのように結論づけています。

『1万時間の意識的な練習』に加えて、『1万2500時間の戦略的休息』と、『3万時間の睡眠』の結果、世界レベルのパフォーマンスは生まれるのです。

「休暇取り放題」による成果

もう一つ、アメリカの事例を紹介したいと思います。

グラスドアという企業が実施した調査で「最も働きやすい会社2020」全米1位に輝いた企業「ハブスポット」が考える休暇の在り方が興味深いのです。

〈文春オンライン / 2022年4月30日〉

まず、前提としてこの会社が大切にしている文化とは以下の通りです。

・好む、好まざるにかかわらず、企業カルチャーはできてしまうもの。どうせなら自分たちが愛せるカルチャーをつくろうではないか。
・管理職の独裁制ではなく、個々の社員の自律性を信じる
・雇う社員の選択には、とてもうるさい。
・「現状維持」の姿勢には常に疑問を投げかける。
・売りつけるのではなく、顧客の問題を解決してあげる。彼らを幸せにするためだけではなく、成功のために。
・知識や情報を独り占めするのではなく、共有することでパワーを得るのが現代のやり方だ。
・“Sunlight is the best disinfectant.”(太陽光は最も効果的な消毒剤。つまり、徹底した企業の透明性)。
・少数がやった失敗で全員を罰したりはしない。
・勤務日数や時間の長さより、出す結果のほうが重要。
・能力がある社員は方向性の指示を求めるが、やり方の細かい指示は要らない
・無傷の小石よりも、傷があるダイヤモンドのほうがいい。
・失敗を恐れてトライしないより、何度も挑戦して失敗するほうがいい。

この中に「勤務日数や時間の長さより、出す結果のほうが重要」とありますが、休みたい時は上司にいちいち言い訳をする必要がないそうです。

もっと言えば、この会社には「有給休暇」「病気休暇」という制度がない

好きなときに好きなだけ休暇をとっても構わないので、日数や用途に制限がある休暇制度がないのです。

社員が一生懸命働くための本質は管理ではなく、自律性を育てること

仕事に誇りを持ち、クライアント(お客さま)やチームに貢献したいという気持ちさえあれば、その社員がどれだけ休暇休憩を取ろうが、成果は出してくれるはずです。

実際、この会社では気分転換にランニングする社員もいるとのこと。

ワークライフバランスを整えながら、最大限活躍できる状況自分で考えてもらった方が建設的なのかもしれませんね。

「休暇・休憩」における日本企業の取り組み

小まめな気分転換をした方がパフォーマンスが上がることは、日本企業の取り組みによっても証明されつつあります

〈WWD JAPAN / 2022年4月28日〉

花王社員の働きやすい環境作りの一環として、昨年9月から東京・茅場町の本社勤務社員を対象に、就業時間内に積極的な休息や休憩を取り入れた働き方「休み休みWork Style」を推進。

日中の休息や休憩時間(10〜15分)の確保と心身のリフレッシュを促す企画を行ったところ、パフォーマンスおよびワークエンゲージメント向上が見られたそうです。

参加した社員は、「リラックスして業務に取り組めた」「午後からの集中力がアップした」など、積極的に休息を取り入れることへの効果を実感したとのこと。

今後、同社では『休み休みWork Style』を本社以外の事業所にも拡大することを検討していくと話しており、これまで以上に働きやすい環境作りの推進心身の健康維持と業務の生産性向上に努めていくと意気込みを語っています。

他にもGWのトピックで言えば、IT企業「basic」が、「GW選択制」というユニークな制度を導入しています。

〈ねとらぼ / 2022年4月26日〉

この制度は、従業員が5月3日から5日までの休日に出勤する選択を許可するもので、その代わりに12月末までに自由にその休みを振り返られるというもの。

そこには、GWの混雑を外して休暇を取りたい気持ちもあるでしょう。

また、休暇をまとめて取ると逆にワークライフバランスが崩れる人もいるようで、休み方の多様化が今後は進行しそうですね。

私も、あまり長く休んでいると調子が狂うので、本日からちょこちょこ仕事したいと思います。

もちろん、GWは休むためにあるので、今しかできないことも十二分に楽しみながら、中盤・後半を楽しみます!!

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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