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「伝え方」の革新
column vol.191
突然ですが、私、東急ハンズが大好きです。
学生の頃、芝居に熱中しており、舞台道具をよく買いに行っていた頃からですので、もうかれこれハンズ歴は25年以上になります。
私にとってのディズニーランドのような存在なのですが、同店が2月から新しい挑戦を行うそうです。
〈URBAN LIFE METRO / 2021年1月19日〉
ジュピターショップチャンネルの放送内に「開店!東急ハンズショップチャンネル店」と題した番組を設け、両社で厳選したイチ押し商品を紹介するとのこと。
厳選というよりは「激選」。初回放送で紹介するのは1点だけです。
「売上以上」の目的とは?
紹介されるのは、有田焼の技術を取り入れて作られたセラミック製のドリンクフィルター「セラフィルター」。
ペーパーフィルター・布フィルターの代わりに使い、コーヒーや緑茶、水、焼酎などを注ぐだけで「飲み物の味がまろやかになり、おいしくなる」のが売りとのことです。
そして、商品をPRするのは新宿店の店員さんです。
店頭でのお客さまとの会話や経験を生かして、なぜその商品をお薦めするのか、特長や使い方を専門販売員ならではの知識で案内します。
この「店員が紹介する」というのがミソで、売上以上に、実店舗でのコミュニケーションを再現することで、ハンズでお買い物するワクワク感を改めて伝えようとしているのです。
最近、DXということでオンラインショッピングへの移行が急速に早まっていますが、リアル店舗の良さを改めて伝えるということに非常に共感しました。
「ニュースレター」がメディア業界の救世主に?
大学を卒業して、就職したのが広告・出版業界です。
ニュースレターというと我々の業界ではひと昔前のものというイメージがありますが、アメリカでは「Substack」が注目を集めています。
〈Forbes JAPAN / 2021年1月24日〉
マスコミへの信頼度は長年にわたって低下しており…、2019年のある推計によると、アメリカではマスコミに大きな信頼を寄せている人の割合はわずか6%に過ぎないそうです…(涙)。
そんな中、Substackに注目が集まるのは、ページビュー指標に縛られず、人の心をつかむ説得力のあるコンテンツを届けることを第一義に考えているからです。
日本でもページビューを増やすためのインパクト重視のネット記事があることから想像しやすいかと思いますが、書き手に対して中身や信頼性を重要視してもらい、読者に対してメディアへの信頼性を取り戻そうとしているというわけです。
その思いが結実したのか、Substackの読者数と作家数は、パンデミック後の3ヵ月間で2倍に伸びたそうです。
さらに、書き手として嬉しいのが、法的サポートを受けられます。
万が一、法的トラブルに直面した時のために、「Substack Defender」と呼ばれるプログラムが用意され、一流の弁護士に助けを求めることも可能。Substackは、最高100万ドルの弁護士費用を負担することを約束しているそうです…!(驚)
書き手にも、読者にも道義的なSubstackは、今後、メディア業界に大きな影響を与えることが予想されます。
今後は「字幕」も感情を持つ時代に
学生時代から、就職し今に至るまで、大好きなのが「映画」です。
その映画業界にも今後、導入されるかもしれない「感情表現字幕システム」を大日本印刷が開発しているそうです。
〈AXIS Web Magazine / 2021年1月15日〉
一般的な字幕はただ文字が並ぶだけで、臨場感を伝えることは難しい。
そこで大日本印刷がNHKテクノロジーズと共同で映像と音声をAIで解析し、内容や感情に合わせた最適なイメージのフォントで字幕を表示する感情表現字幕システムを開発したのです。
字幕の表情(フォント)は12種類。怖い、楽しいなど、内容に合ったフォントで字幕を表現できるのです。
今後は映画の字幕にも感情が生まれるかもしれません。
今は賛否あるとは思いますが、いつかグッと若い世代に「昔の映画は、同じフォントなんですね」と言われる時代が、さり気なくやってきそうな予感です(笑)。
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