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第三次世界大戦(Crazy red dragon)

第1章「美麗島 その1」

航空自衛隊警戒航空団第603飛行隊に所属するE-2C早期警戒機は与那国島上空の日本領空内で警戒監視活動を行っていた。
主な監視対象は福建省にある中共軍航空基地であるが、無論それだけではない。機の背中に乗った巨大なレドーム内にはAN/APS-145と呼ばれる強力なレーダーが装備されており、戦闘機程の大きさの航空機であれば560km先まで探知可能だ。
その上、地上の車輛や海上の水上艦も探知が可能で、航空目標に関しては高度20000m程度までカバーしている。
「大型車両が複数海岸線近くに移動しています。平潭島にも20両以上が橋を渡って移動中。福州市一帯では60両以上。増加中。」
平潭島は福建省福州市の東側にある島で、台北市のほぼ真西に近い西北西に位置しており、この島から台北までは160kmしかない。
3名登場している電子システム士官の森脇沙良2尉が呟いた。彼女は地上目標の探知を担当している。

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