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tatmos

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tatmosの独り言
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#ゲームサウンド

ゲームサウンドで必要な人

ゲームサウンドで必要な人
いろんな役職があると思うのですが、
自分もその一人なのかなと。

テクニカルオーディオデザイナーとサウンドエンジニア
をしています。
と、大層な肩書を言ってみるも少し空しいなぁと。

ゲームサウンドの音響屋さん
サウンドの音響面のディレクション(技術まわり)のサポート
が主な仕事。

とかいう人って希少価値というか、もはや存在を忘れられるレベルなのかもと
少し危機感をもっ

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エンベロープのリリースについて

波形再生を止める時、
波形のリリースをつけることがあるのですが、
これって、何を基準につけています?

自分の場合のパターンをいくつか

楽器の音が自然に消えるリリース
楽器本来のリリース時間で音量を下げることで、音を止めたみたいな感じで止めることができる
例えば、オルゴールみたいな音であれば、固有の減衰時間なので、それに合わせるなど

ビートの長さの倍数でリリース
楽曲の場合に拍単位などで消える

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ボタンを押すと 音が鳴る

ボタンを押すと 音が鳴る

ちょっと考えてみる

・・・

ゲームのサウンドエンジニアとして求められるものは
「良い音」

- 最終的にサウンドが破綻していないこと(音が割れていないように)
- より効果的なサウンド演出が行えるならば提案、実装、検証
- 最新技術やトレンドをリサーチ

などが主な仕事なのかなと。

サウンドの効果は絶大サウンドって結構ごまかしができてしまう。
サウンドそのものの強さがある。

ある作品に、別

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VRで首を動かす時のステレオ音の変化

VRで首を動かす時のステレオ音の変化



ステレオ音楽を聴いている時にヘッドホンとスピーカーでは首を動かした時に違いがある

VRでは首を動かせるのですが ヘッドホンでステレオの音を流しているとヘッドロックしたステレオが再生されます

残響成分をステレオで用意してしまうと 残響音がヘッドロックします

これは部屋の壁が頭に同期して追従(ヘッドロック)している奇妙な空間になります

首を動かすステレオは 空間側に置きたいのですが  

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VRの自由なサウンド

VRの自由なサウンド

VRのコンテンツを作って気が付いたのですが、ヘッドトラッキングのない音(ヘッドロックな音)ってもしかして異質なのでは?

以前にも似たような記事を書いたので、気になるかたはこちらもどうぞ。

今回はもうすこし外側のふんわりした脱線多めな話。

VRでのDOFとは検索してもらうともっと良い解説があると思うので、

ここでは、
あるコンテンツを鑑賞するときの、ユーザー側の自由度。

頭に数字がついてい

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サウンドミドルウェアについて

サウンドミドルウェアについて

良いゲームサウンドを実現する上でサウンドミドルウェア(実行時サウンド管理ライブラリ)の重要性についての話。

音のサイズについて結論からいうとwavはmp3より10倍くらいでかいということを、少し細かく書きます。

(なお、単純に比較できるものではない&でてくる数値も厳密ではないので、だいたいこんな感じなのだなくらいにとらえてもらえると幸い)

音を鳴らすには、wavファイルなどの音声を量子化した

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見える音 見えない音

見える音 見えない音

演出が音で助けられたり、音が演出で助けられたりという話。

見える音正面から聞こえる音は、音源が何かを気にします。
キャラクターが二人で会話していたとして、立ち位置の関係で左右にいた場合は、左右から正しく聴こえるのが良い。

場合によっては、奥行きなどの表現も細かく正確に制御してあげる必要があります。

物陰に隠れたのなら、遮蔽効果(オクルージョン)としてフィルターをかけるとか。 見た目と合わない

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VRで特別な音と感じさせる

VRで特別な音と感じさせる

特別な音はセンターから鳴らしたいけど、立体音響で前後感を作るのが難しいという話。

特別な音はセンターから鳴らすドルビーのシステムなどで、5.1chとかのスピーカー配置の中で、特殊な用途で、センタースピーカーというのがあります。

センタースピーカの無い、ステレオ再生の場合、L,Rの左右のスピーカーから、同じ音量、同じ波形を流すことで、ファントムセンターと呼ばれる、 スピーカーのちょうど間に音が定

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音楽の止め方

音楽の止め方

ゲームの中で音を止める時の止め方を工夫してみると良いかもという話。
鳴り終わりを強調させたり、 つぎの曲までに どう前の音を自然に止めるかといったこともデザインすると、より深く 印象に残る音にできるかもしれません。

音楽のよくある止め方音楽の場合、急激に止めるとかではなく少しフェードアウトして止めると良かったりします。波形で録音されていて、最後まで再生しているのであれば、即時に止めても問題ないの

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音楽をシーンに合わせる

音楽をシーンに合わせる

ゲームの音楽は、通常の音楽に比べて視聴時間が長いので、ひとつ深く音を作る必要があるのでは?という話。

音楽の長さ音楽の長さって、いろいろあって、アニメとかの主題歌とかは90秒くらいとか、PVで使うものでもショートバージョンとか、音楽一つの時間って短くなっている。ちょっと前は3分とか長いと6分とか、ジャズみたいなテーマやアドリブを繰り返すものとかは割と長くなったり、クラシックなら、大きな楽章構成と

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ヘッドロックしないVRサウンド

ヘッドロックしないVRサウンド

VRのサウンドで、残響を表現したい時に少し工夫する必要があるのでは?
という話。

ヘッドロックとは?VRで3Dofとか6Dofとかあるのですが、立体音響のサウンドでもおこります。

ヘッドロックというのは、頭に完全にへばりついてくるような状況を指します。
ヘッドフォンからの音が、耳に到達するまでの経路を正しく計算していたとしても、その空間が自分の頭の動きと連動(追従?)した場合は、それはおかしな

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角度の違い

角度の違い

再生環境によって、音楽の角度も変わります。
スピーカー、ヘッドフォン、VR それぞれ、どういう音源を用意するとよいのかという話。

ステレオの配置角度A スピーカー 前方に-30度 +30度
B ヘッドフォン -90度 90度
C VR  -90度 90度

正面を0度として、左-90度 右+90度 が真横

Aの場合、スピーカーとの距離によって角度が変わる場合も

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ダッキングのデザイン

ダッキングのデザイン

ゲームの中での音量の自動調整の機能としてダッキングというのがあるという話。

ダッキングとはA 通常の音で流れる
B 音量が下がる
C 元の音量に戻る

というシンプルなもの。

もともとはラジオとかの放送機材の機能で、ラジオの場合音楽をかけているうえにDJが声を重ねる場合、優先度に応じて変化させれば、ミックスの人がいなくても自動化できるのではという発想。

距離減衰の話でもでてたけど、音には優先

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距離減衰のデザイン

距離減衰のデザイン

距離減衰のデザインで減衰させるだけなのはどうなのか?
という話。

ゲームでは距離は求めやすいので、距離に音の変化をマッピングしていく作業になります。

音は遠ざかると小さくなる前回の点音源の話でもあったのですが、
遠くなると音が小さくなる現象をゲームの中でもよく行います。

近い音は大きく、遠い音は小さく。

距離で場合分けするA 近くの音、大きい。
B 中くらいの距離。少し小さい。
C 遠い距

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