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見える音 見えない音

演出が音で助けられたり、音が演出で助けられたりという話。

見える音

正面から聞こえる音は、音源が何かを気にします。
キャラクターが二人で会話していたとして、立ち位置の関係で左右にいた場合は、左右から正しく聴こえるのが良い。

場合によっては、奥行きなどの表現も細かく正確に制御してあげる必要があります。

物陰に隠れたのなら、遮蔽効果(オクルージョン)としてフィルターをかけるとか。 見た目と合わない場合にはいろいろ手を加える必要がでてきます。

見えない音

視界の外にある音は、見えない音。
BGMや環境音なども見えない音。

見えない音は、状況説明的な音だったり、記号的な音だったり。

暗転中の音も効果的。
音に情報をいろいろ詰め込んでも良いかもしれません。

演出として、暗転状態から、音を流し始める。 
少し遅れて風景が見えてくる。
みたいな時間差で、情報に対するフォーカスをデザインするようなのも面白い。

後ろから話しかけられたら?

もし、画面の外から話しかけられたら、どこにいるのか探します。
探して、画面内に収めることで、ここにいるキャラクターが話しているのだと理解できます。

一度理解できると、視界の外に置いても そこから鳴っていると理解できます。

視界を戻して、また視野内にキャラクターが入ったときに正しくその位置から再生されていれば安心。

音の位置も記憶に頼っているところが多い。

ホラーとかで脅かすために急に後ろや耳元から大きな音がしたりするとびっくりします。 これは視認できずに、音だけ突然くるので、驚く。
(演出としては面白いかもですが)

それを振り返り、視認することで、安心する。

見える音に気を遣う

もし視界に入った時に、見た目に反して音が大きかったり、小さかったりすると不自然になります。

音の角度、距離感がずれていると違和感になります。

見えるけど、距離、大きさによっては曖昧に

立体音響は点音源になりがちなので、
大きな現象の音や、至近距離の音の場合、
ちょっとの首の移動で、はげしく音の位置が変化してしまうのは不自然になりがち。

ゲームのスケール感や、音の位置の重要度にもよるのですが、そこにフォーカスして調整するのが良さそうです。

例えば、敵の足音が重要なFPSなら、足音に注目してチューニングするとかありそうです。

見た目に助けられる場合も多い

何かしら動きが伴っているとすごくわかりやすい。

キャラクターの声、誰がどういう声をするのかとか、声と一緒に口が動いていたり、アニメーションしていたりすると、わかりやすい。

「そこに存在する」と認識するだけで、音で表現しなくても良くなります。
(細かいことは脳内で補完してくれる)

演技にも助けられる場合も多い

「そこに存在する」と認識するだけで、音の技術的な要素で表現しなくても良くなります。
(細かいことは脳内で補完してくれる)

同じことを繰り返していますが、
音の内容が良いことで、補完される場合もあります。 
見た目も、音の内容も、両方で補完しあえる

情報の密度のバランスがうまくとれるように調整すると良いかなと。(調整に時間をかけたいところ)

VRならでは

キャラクターが2人でていて、見える範囲で左右で話していたら、それぞれの方向から正しく鳴ってくれるのが理想

というのをリアルタイムで処理する必要があるのがVR。

ユーザーが注目点を移動できてしまうためで、話者を正面にとらえてほしいという情報にもなります。

上からも音がする

VRだと見上げる動作ができるのですが、見上げた時に大きくなる音もあると面白いです。

見上げたときは、逆に水平にあった普段の音が聞こえにくくなる。

こうすると、ヘッドロック感を緩和できます。

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