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tatmos

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tatmosの独り言
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#VR

VRと距離減衰の話

VRゲームのテクニカルオーディオデザインをしているのですが、
気が付いたことがあります。

距離減衰の話なのですが、
これ、ライブラリが用意してくれている
距離の二乗に反比例でエネルギーが弱くなる。というやつ。

これ、単純に音量にかけるとNGな気がします。

例えば、映像的に、見えているものなのに、極端に減衰するように感じます。
逆に原点、マイクの位置にある音は爆音になります。それは望ましくない

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第七回サウンドゲームジャムやりました

第七回サウンドゲームジャムやりました

2022-05‐21,22の二日間でゲームを作る
ゲームジャムを行いました。
テーマは「MIDI解析」
2つのチームにわかれて作成しました。

サウンドゲームジャムとは?サウンドに特化したゲームジャムで、
何かしらサウンドで他ではやらないことを盛り込むことで、
珍しいゲームを作る機会でもあります。

今回はリアルチームとNEOSVRチームの2つができあがり、2つのゲームが生まれました。

当日のレ

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VRで首を動かす時のステレオ音の変化

VRで首を動かす時のステレオ音の変化



ステレオ音楽を聴いている時にヘッドホンとスピーカーでは首を動かした時に違いがある

VRでは首を動かせるのですが ヘッドホンでステレオの音を流しているとヘッドロックしたステレオが再生されます

残響成分をステレオで用意してしまうと 残響音がヘッドロックします

これは部屋の壁が頭に同期して追従(ヘッドロック)している奇妙な空間になります

首を動かすステレオは 空間側に置きたいのですが  

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VRの自由なサウンド

VRの自由なサウンド

VRのコンテンツを作って気が付いたのですが、ヘッドトラッキングのない音(ヘッドロックな音)ってもしかして異質なのでは?

以前にも似たような記事を書いたので、気になるかたはこちらもどうぞ。

今回はもうすこし外側のふんわりした脱線多めな話。

VRでのDOFとは検索してもらうともっと良い解説があると思うので、

ここでは、
あるコンテンツを鑑賞するときの、ユーザー側の自由度。

頭に数字がついてい

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サウンドミドルウェアについて

サウンドミドルウェアについて

良いゲームサウンドを実現する上でサウンドミドルウェア(実行時サウンド管理ライブラリ)の重要性についての話。

音のサイズについて結論からいうとwavはmp3より10倍くらいでかいということを、少し細かく書きます。

(なお、単純に比較できるものではない&でてくる数値も厳密ではないので、だいたいこんな感じなのだなくらいにとらえてもらえると幸い)

音を鳴らすには、wavファイルなどの音声を量子化した

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見える音 見えない音

見える音 見えない音

演出が音で助けられたり、音が演出で助けられたりという話。

見える音正面から聞こえる音は、音源が何かを気にします。
キャラクターが二人で会話していたとして、立ち位置の関係で左右にいた場合は、左右から正しく聴こえるのが良い。

場合によっては、奥行きなどの表現も細かく正確に制御してあげる必要があります。

物陰に隠れたのなら、遮蔽効果(オクルージョン)としてフィルターをかけるとか。 見た目と合わない

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VRで特別な音と感じさせる

VRで特別な音と感じさせる

特別な音はセンターから鳴らしたいけど、立体音響で前後感を作るのが難しいという話。

特別な音はセンターから鳴らすドルビーのシステムなどで、5.1chとかのスピーカー配置の中で、特殊な用途で、センタースピーカーというのがあります。

センタースピーカの無い、ステレオ再生の場合、L,Rの左右のスピーカーから、同じ音量、同じ波形を流すことで、ファントムセンターと呼ばれる、 スピーカーのちょうど間に音が定

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音楽をシーンに合わせる

音楽をシーンに合わせる

ゲームの音楽は、通常の音楽に比べて視聴時間が長いので、ひとつ深く音を作る必要があるのでは?という話。

音楽の長さ音楽の長さって、いろいろあって、アニメとかの主題歌とかは90秒くらいとか、PVで使うものでもショートバージョンとか、音楽一つの時間って短くなっている。ちょっと前は3分とか長いと6分とか、ジャズみたいなテーマやアドリブを繰り返すものとかは割と長くなったり、クラシックなら、大きな楽章構成と

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ヘッドロックしないVRサウンド

ヘッドロックしないVRサウンド

VRのサウンドで、残響を表現したい時に少し工夫する必要があるのでは?
という話。

ヘッドロックとは?VRで3Dofとか6Dofとかあるのですが、立体音響のサウンドでもおこります。

ヘッドロックというのは、頭に完全にへばりついてくるような状況を指します。
ヘッドフォンからの音が、耳に到達するまでの経路を正しく計算していたとしても、その空間が自分の頭の動きと連動(追従?)した場合は、それはおかしな

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角度の違い

角度の違い

再生環境によって、音楽の角度も変わります。
スピーカー、ヘッドフォン、VR それぞれ、どういう音源を用意するとよいのかという話。

ステレオの配置角度A スピーカー 前方に-30度 +30度
B ヘッドフォン -90度 90度
C VR  -90度 90度

正面を0度として、左-90度 右+90度 が真横

Aの場合、スピーカーとの距離によって角度が変わる場合も

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距離減衰のデザイン

距離減衰のデザイン

距離減衰のデザインで減衰させるだけなのはどうなのか?
という話。

ゲームでは距離は求めやすいので、距離に音の変化をマッピングしていく作業になります。

音は遠ざかると小さくなる前回の点音源の話でもあったのですが、
遠くなると音が小さくなる現象をゲームの中でもよく行います。

近い音は大きく、遠い音は小さく。

距離で場合分けするA 近くの音、大きい。
B 中くらいの距離。少し小さい。
C 遠い距

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点音源

点音源

点音源より素敵な音を作りたいという話。

点音源ってなんでしょう?ゲームとかだと3Dの座標、
音源の位置をX、Y、Zを指定してならすもの。

それを受け取るマイクになる
リスナーの位置と向きがあります。

その2点があれば、数学とか物理的に音のエネルギーが求められ、最終的に耳に届く波形が決まるようです。

現実にある点音源そもそも現実の解像度ってめちゃめちゃ高いので、ある一点からの振動を聞くことが

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矩形のこぎりサインノイズ

これらのプリミティブな音って面白いというお話

矩形波形チップチューンででてくる波形。現実世界にはあまりない波形。
これの面白いところは、適当にピッチを変更してもノイズにならないところ。
なぜなら、全部プチノイズの塊みたいな音だったりする。

矩形の幅を変えてあげることで、異なる倍音が生まれる。
この変化も面白い。

のこぎり波形これも面白い波形。矩形と違うのは、片方がなだらかに変化する。
これに

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リアルタイムエフェクト

ゲームでリアルタイムにオーディオのエフェクトがかけられるという話

音に残響とか、3Dの効果とかつけるのって、
リアルタイムのエフェクトだとうれしいという話

リアルタイムエフェクトのメリット
- ユーザーの操作で変化する
VRだと首の向きが自由に変更できるので、それにあわせて音の位置とかを変えることができる。
空間に配置する音なら、なるべく見たままの場所、フォーカスの当たる場所の音がちゃんと聞こ

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