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聖書と信

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聖書はひとを生かすもの、という思いこみだけで、お薦めします。信仰というと引かれそうですが、信頼などの信として、ひとや世界を大切にする思いが、少しでも重なったらステキだな、と思いつ…
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2023年8月の記事一覧

天使はいる

天使はいる

8月半ばの休暇を利用して、京都の福知山に行った。妻の実家である。が、すでに実家と呼べる家はない。必要以上の詳述は避けるが、施設の義母との面会の機会を得たのである。面会時間は多くとれても30分程度。福岡から新幹線、そして山陰線を特急で向かい、福知山駅前で一泊する。翌午前中の面会を終えて、午後に帰宅という計画である。
 
神が直接目の前に現れるという事態から、私たちは守られている。その目で神を見た者は

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『自伝的説教論』(加藤常昭・キリスト新聞社)

『自伝的説教論』(加藤常昭・キリスト新聞社)

面白かった。面白くて仕方がなかった。これほどわくわくしながら読み進んだ本は、それほど多くない。
 
日本のプロテスタント教会で「説教」ということについて評判のよい人は多々いる。だが、「説教」を磨くためにどうすればよいのか、について多くの人に呼びかけ、教育を施した人となると、この著者のほかにはいまのところ思いつかない。
 
もちろんほかにも硬い「説教」についての著作や翻訳もいろいろある。ここで「説教

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雀の値段

雀の値段

恐れるべき相手は人間ではない。神はどんな方であるか考えてみよ。この神への恐れは、また「畏れ」とも書くことができるだろう。たくさんの雀よりもはるかにまさっているのだから、妙な恐怖を懐く必要がない、というようなイエスの教えがある。そこに、よく知られた言葉がある。
 
五羽の雀は二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神の前で忘れられてはいない。(ルカ12:6)
 
「アサリオン」とい

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親と神

親と神

若い時代は、理性よりも感情が精神を司る、というような説明の仕方をしている人がいた。言い切ってしまうのは極論のような気もするが、言おうとしていることが伝わってこないわけではない。親の視野とは違い、自分から見える景色の中で、自分の思いや願いを正当化するために、理屈を用いるということは、確かにある。もちろん、若くなくてもあるが、若い頃の自分を思うと、そうしたことが顕著であったことは省みるものである。
 

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