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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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2022年1月の記事一覧

『100分de名著 金子みすゞ詩集』

『100分de名著 金子みすゞ詩集』

Eテレで月曜日夜から本放送が流れている番組「100分de名著」は、東日本大震災の直後から続いており、好評である。私もこの番組で、何冊の良い本と出会ったか知れない。早いところ「聖書」そのものが出てこないかと愉しみにしているが、それはともかく、2022年1月は「金子みすゞ詩集」が取り上げられている。
 
子どもたちには、四半世紀前ほどからおなじみである。特に「私と小鳥と鈴と」は心に残るものとなっていた

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阪神淡路大震災を伝えなければならない

阪神淡路大震災を伝えなければならない

ライブでのテレビ中継が特別に組まれなくなった。震災25年の年はずいぶん取り上げられていたのに、一年でこの閑散とした有様だ。もちろん、報道番組の中では取り上げられるだろう。だが、もう一般ニュースの一つにしかならないのだ。
 
2012年の成人の日、朝日新聞の社説が「尾崎豊を知っているか」というタイトルだったというところに絡んだコラムが先日「文春オンライン」(https://bunshun.jp/ar

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『自分を変えたい』(宮武久佳・岩波ジュニア新書944)

『自分を変えたい』(宮武久佳・岩波ジュニア新書944)

岩波ジュニア新書がついにターゲットを「大学生」にしてしまった、と思った(それともすでにそうだったのか?)。大学の教養科目の教員である著者が、まさに「学生」へ向けて語っているのである。そして「はじめに」の中で、「本書は、大学にやってきた皆さんが」考え学ぶヒントをつかんでくれたらという思いで書いたと記している。但しそこには、「あるいはこれから大学を目指す皆さんが」とあるので、高校生も視野に入れていると

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紅白歌合戦2021

紅白歌合戦2021

2021年の大晦日は、まず「まふまふ」さんにやられた。ネットで見るのとは全然違うと思った。生の人間の叫びが、届いた。
 
いつの間にか涙で画面が滲んでいた。こうした叫びは、自分の中に確かにあった。いや、いまもあると思う。生きづらさ、などという言葉にすると今ではむしろ軽く扱われてしまうようにすらなったようにも見える、残酷なこの事態の中で、どうしてよいか分からないような若者、不安に佇む者を、その歌詞や

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