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哲学のかけら

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哲学も少しはかじっています。なにもそんなこと考えなくてもいいんじゃない、と言われるところも、でもさ、と考えてみる、それが哲学。独断と懐疑に終わらずに常に自分の至らなさを認めるあた…
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2024年3月の記事一覧

『現代思想03 2024vol.52-4 特集・人生の意味の哲学』(青土社)

『現代思想03 2024vol.52-4 特集・人生の意味の哲学』(青土社)

なんとも思想らしくないタイトルである。同時に、一般の人が手に取りやすいタイトルである。「人生」を問うことが、哲学であるかのように見なされやすい日本の風土では、こうした誘いは適切であるのかもしれない。
 
だが、実のところ、この問いは、哲学の中では案外疎い分野である。問われて然るべきであるのに、あまり問題にされない。日本人だからこれを問う、というのではなく、もっと原理的に、根柢的に、この問題は扱われ

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音楽について考えるひとつの入口

音楽について考えるひとつの入口

息子たちが、私のできなかったことをやろうとする。それを見るのは、頼もしくもあり、ありがたくもある。哲学に興味をもっており、とくに音楽というものについて、関心が強いようだ。同時にそれは、芸術や文化というものについて、思いを懐いているということでもある。
 
音楽は、時間と共に成立する。絵画のように、静止画像でそこにある性質のものではない。もちろん、静止画でも、それを眺める側には時間が発生している。が

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