最近の記事

#168 悩むことと考えること

「悩む」と「考える」は全く別物である。 何となく、そうだろうな、と思っていたのですが、最近の脳科学の研究によると、その違いがはっきり分かってきたようです。 脳内科医の加藤俊徳氏の雑誌記事によると脳には、役割に応じた場所があり、「悩む」ときと「考える」ときでは使われている場所が異なり、「悩む」ときは感情系納番地、「考える」ときは思考系納番地が動いている、とのこと。 この「悩む」という行為は感情系の働きであることに、妙に納得しました。締め切りが迫ったり、トラブルに直面したとき

    • #167 傍目八目

      「傍目八目」という言葉があります。 囲碁から出た言葉で、他人がさしている囲碁を傍で見ている人は、対局している人よりも冷静に局面を判断して八目先まで見通すことができる、という意味から、傍目から見ている人の方が当事者以上に物事を冷静に判断できることのたとえとして使われます。 ■ 今月いっぱいで、海外プロジェクトの立ち上げ支援業務を終えて帰国することになりました。現場の第一線から国内での後方支援へと業務が変わります。 現場の第一線から身を引くことに寂しい思いもありますが、プロ

      • #166 仕事のやりがい

        仕事のやりがいを言語化できているか。 改めて問いかけてみる機会がありました。 最近入社した社員が退職届を提出してきた話を小耳に挟んだときのこと。仕事のミスマッチや家庭事情など様々な理由は様々あるとは思いますが、そのとき「仕事のやりがいを言葉にして伝えられるか」という話題になりました。 今の仕事を続けている以上、言語化出来ているかどうか分かりませんが、何かしらの働きがいを感じているはずです。 過去に言語化出来ていたとしても、周りの環境や置かれる立場で変わってくることもある

        • #165 腹をくくること

          「元気があれば何でもできる」 故アントニオ猪木さんの名言ですが、シンプルな言葉だけに含蓄を多く含むように思います。 ■ 仕事を進める中で、技術的な話題、専門的な話題になると、知識や洞察の深さや論理性、相手とのパワーバランス等々いろいろと考え込んでしまいます。考え込めば考え込むほど、上手く事が運ぶか心配なり、逃げ道を作っておいた方がいいのでは、と余計な考えに時間を割くようになりがちです。 「プロジェクトのトラブル解決大全」の本を読み進めているのですが、この本の最初にあるの言

        #168 悩むことと考えること

          #164 本を読みメガネを少し変えてみる

          つい先日、業務の一環で、ある作業計画を立てていたときのこと。現地のコンサルタントと現地協力会社とで協議を重ねて計画を練り上げて、ようやく取り纏められそうになったところで、日本の事務所から思いもよらず茶々が入り、計画が振り出しに戻ってしまいました。 「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」と叫びたくなったのですが、それはそれで良く起こり得ること。 ■ プロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめた参考書のようなものにPMBOKがあります。そこには、

          #164 本を読みメガネを少し変えてみる

          #163 習慣を捨ててみつかるものもあり

          ある目的を達成するためのプロジェクトを管理する手法として、「プロジェクトマネジメント」があります。プロジェクトを成功に導くために必要とされる知識やプロセスが体系立ててまとめられたもので、日々研究されています。 プロジェクトマネジメントのガイドブックや解説本も多数出版されており、以前から積読しているものの、イマイチ理解が進まずフワフワした感じしかしませんでした。 それもそのはずで、プロジェクトは他種多様なもの。システム開発もあれば、製品開発もあり、業務改善もあれば、建設工事

          #163 習慣を捨ててみつかるものもあり

          #162 プロジェクトエコノミー

          先日技術士会が主催するプロジェクトマネジメントのWEB講習会に参加しました。平日午後からの講習会だったのですが、時差の関係で始業開始前の早朝に受けることができ、少しお得感がありました。 この講習会で初めて「プロジェクトエコノミー」という言葉を知りました。後から調べてみると2021年10月ほど前に専門雑誌で紹介されてから、広く認知されてきたようです。 「プロジェクトエコノミー」は、これまでの変化がゆっくりな環境では、どれだけオペレーション(定常業務)を効率的に回せるかが重要

          #162 プロジェクトエコノミー

          #161 ストレスと価値観

          最近ストレスについて考えさせられているのですが、本を読み進めているとストレスを感じることはポジティブな面があるとともに、自分が大切に感じる価値観を知る機会にもなることに気づきました。 仕事でのストレス、人間関係のストレス、生活でのストレスなどありますが、初めにストレスを感じる時は「イヤだな」と思い、そこから逃げ出したくなります。 そこから逃げ出すことでストレスを回避できればいいのですが、逃げ出すことが相応しい行動ではない場合、そのストレスと向き合わざるを得なくなります。

          #161 ストレスと価値観

          #160 ストレス・パラドクス

          最近ストレスについての本を 読み続けているのですがそこで、 「ストレス・パラドクス」 という用語を知りました。 筆者は、これを「ストレス・パラドクス」と呼んでいます。 ■ ストレスを感じているときを振り返ると、 仕事で役割や責任を与えられているとき、 大事な人間関係を守りたいとき、 快適な生活を実現したいとき、など 達成したい目標を掲げているけれど 上手くいかないときでした。 逆に、同じような目標であっても 「達成したい」という気持ちがなければ ストレスを感じることはあ

          #160 ストレス・パラドクス

          #159 ストレス反応

          昨日に続き、ストレスについて 本を読み進めています。 最近疑問に思っていることは、 プレッシャーやストレスと どう上手く付き合っていけば いいのかとういこと。 ■ 本を読み進めていると、 「ストレス反応のミスマッチ理論」 という言葉が紹介されていました。 簡単に言えば、 ストレスに対する身心の反応は ミスマッチを起こしやすい、 というもの。 ■ ストレスを感じたときの 身心の反応の種類は複数あります。 困難に上手く対処するために 注意力が高まり五感が鋭くなる 「逃走

          #159 ストレス反応

          #158 ストレスは役に立つ

          毎日の生活の中でストレスを感じる時があります。 新しい生活環境に置かれたときや、 プレッシャーがかかる状況に追い込まれたとき、 責任ある立場に置かれたときなどです。 そんなストレスを感じる状況になると 「こんな状況がいつまで続くのかな」とか 「ストレスばかりで疲れるな」とか 否定的な感情が生まれてきます。 そんな時、どう対応すればいいか。 対応方法の一つとしては、 「ストレスは役に立つ」 と考えることが紹介されています。 ■ そもそも、「ストレスは害である」という 考え

          #158 ストレスは役に立つ

          #157 二次利得

          心理学の用語に「二次利得」という概念があります。 問題の背景に存在する、二次的なメリットという 概念になります。 医療の分野では一般知識として知られていて、 代表的なものが「疾病利得」です。 病気でいることによって、 家族がやさしくしてくれる 学校や仕事を堂々と休める 看護師さんに注目してもらえる などのメリットがあります。 ■ 先日、一つ思い当たることがありました。 プロジェクトを進めているときの事。 ある失敗をやらかしてしまったとき、 「自分のせいだ」と 少し悲観

          #157 二次利得

          #156 苦しいときの心掛け

          昨日に引き続き、「社会心理学」の話。 村山綾氏の「「心のクセ」に気づくには」から。 困っている人を見掛けると 助けてあげたい、と思うものです。 転んだ人に手を貸してあげたり、 落とし物を拾って返してあげたり。 ■ ところが、いつもそうとは限りません。 助けることができないときどう考えるか。 自分のちからでは助けてあげられない、と 自分の非力さを認めざるを得ない状況になります。 それはある意味で、自分が傷つくことになります。 逆に自分が苦しめられる人の立場を想像すると、

          #156 苦しいときの心掛け

          #155 自分のせい?ひとのせい?

          最近「社会心理学」に興味を持ち始めました。 手初めに手に取った本は、 村山綾氏の「「心のクセ」に気づくには」 日々いろんな出来事が起こりますが、 それに対して何かしらの理由付けを せずにはいられない心理が働きます。 例えば、仕事でミスをしてしまったとき。 「自分の不注意だ」と思うこともあれば、 「上司・会社のせいだ」と考えることもあります。 どちらが良い悪いということではなく、 何かしらの理由をつけたくなるものです。 そして、その理由の付け方には 人それぞれの「クセ」が

          #155 自分のせい?ひとのせい?

          #154 踊りの遺伝子と中年の危機

          昨日4月1日は祝日でした。 キリスト教の復活祭イースターが3月31日にあり、 その祝日(?)の振替休日でした。 この日は朝早くから白い服を着た人たちが ラッパと太鼓の音楽に合わせて 唄を歌いながら街中を行進していきました。 その行列の中に、音楽に合わせて 踊りながら歩いている子供達がいました。 腰を振る独特な動きをしながら、 何かにとりつかれたかのように踊っています。 日本人にはない踊りの遺伝子が 備わっているとしか思えませんでした。 ■ 最近「愚直に考え抜く」という

          #154 踊りの遺伝子と中年の危機

          #153 仕事を見つめ直すタイミング

          先日、現場を回っていた時の事。 井戸の洗浄作業を行っていると 汲み上げた水を求めて 村人が集まってきました。 タライやポリタンクを片手に集まり 水を汲んでは頭の上に乗せて 家に歩いて持ち帰っていきます。 ここは町から離れた小さな村。 この村には別の井戸があり、 ポンプで水を汲めるはず。 ところがこのポンプが 故障していて水が汲めないようでした。 そんなこともあり 作業中の井戸から汲み上げた 水を求めて集まってきたようです。 ■ この風景を見ながら、 以前と比べて心境

          #153 仕事を見つめ直すタイミング