『山椒大夫』:1954、日本
平安朝末期。少年・厨子王と妹の安寿は、母・玉木、女中・姥竹と共に浜辺を旅していた。6年ほど前、兄妹の父である平正氏は将軍の厳命に逆らい、筑紫へ左遷された。13年の不作続きで農民が困窮しているにも関わらず、将軍が「米をもっと出せ、戦の使役に出よ」と命じたため、楯突いたのだ。左遷を知った農民は陳情しようとしたが、正氏の家臣が「騒ぎ立てるのは旦那様の本意ではない。旦那様を謀反の罪人にしたいのか」となだめた。
正氏は叔父の正末から「妻や子が可哀想だとは思わんのか」と咎められ、「