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大切な会社の会計「減価償却」と「減損処理」

こんにちは!waseです。

今回は「財務諸表」を読み解く上で重要であり、言葉が似てるが故に混同しやすい「減価償却」と「減損処理」について扱っていきます!

「減価償却」という言葉は、損益計算書の費用について扱った記事でも出てきています!合わせてこちらもご覧ください。

1、「減価償却」とは

減価償却とは、使用や時間の経過によって価値が減少する固定資産(例えば、建物など)を取得した場合に行う会計処理のことを言います。

物品の取得に費やした支払額の全てを、取得時の年度で費用とするのではなく、支払額を耐久年数を基に費用計上するというものです。

例えば、1億円で耐久年数10年の建物を2020年に取得した場合、2020年度の決算の時に「1億円の建物を買いました!」と全て費用として計上してしまうのではなく。

耐久年数が10年なので、1年あたり「1000万円」を、建物の費用として10年間計上していく。という処理方法になります。

この減価償却の目的は、費用収益対応の原則の考え方を実現させ、企業の業績を正しく捉えることにあります。

1億円の建物の例で言えば、買った年に1億円の費用を計上してしまうと、利益が大幅に減少してしまいますね。しかも、次年度以降もその購入した建物を利用するにもかかわらず、全く費用として考慮されていないとなると、なんかちょっと実態と離れてる感じがしますよね。

なので、耐久年数が10年間の(10年使える)建物を買った時には、買った年にだけ負担を負わせるのではなく、10年間使う前提で均等に費用に組み入れていきましょうという目的で減価償却を行うのです!

2、「減損処理」とは

減損処理とは、企業が保有する株式や工場(有形固定資産)などの資産の価値が大きく下がった時に、目減り分を決算書に反映するという会計ルールのことを言います。

固定資産の価値が低下している状況において、その価値の低下が正しく評価されないまま損失が将来に繰り延べられているのは好ましくないよね、ということがこの処理の目的・背景です。

そしてこの減損処理のメリットは大きく2つです。

(1)減価償却費を少なくできること

固定資産を取得した後は、減価償却分だけ一定期間の利益が圧縮されますよね。なぜなら、建物などの耐久年数によって、毎年減価償却費という「費用」がかかってくるため、その分利益が圧縮されてしまいます。

ただ、もし1億円で購入した工場の生産性(価値)が著しく下がり「6000万円特別損失として、この工場を減損処理をしましょう」となった場合、この工場(有形固定資産)の価格は4000万円となります。

取得時1億円だったものが、4000万円に姿を変えるのです。つまり、減価償却費も減額されます。

今の説明にも出てきた通り、減損処理の金額は「損益計算書の特別損失」に計上されます。

そして「なにを減損処理したのか」といった内容は、有価証券報告書の注意事項という部分に記されます。

企業が減損処理をした時には、この2箇所をしっかり確認しましょう!

(2)利益率が向上する

(1)の理由が理解できていれば自然の話ですが、減損処理を行うと、次年度以降の利益が相対的に増加することになります。

さらに、貸借対照表上の資産が目減りするので、相対的にROEやROAといった利益率も上昇します。(これら利益率の分母が資産であるため。分母の値が小さくなると、全体の値は大きくなります。)

3、まとめ

今回は重要だけどわかりにくい「減価償却」と「減損処理」の内容や違いについて見てきました!

減価償却は固定資産の「分割払い」

減損処理は「資産の価値を減少させる処理」

そんな感じでしたね。


色々な用語の解説など、今後もどんどんしていけたらと思っていますので、ぜひ引き続き目を通していってください!

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