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君は誰のために生きるんだい?

今僕は脳の病気にかかっている。
精神に影響を与えるため毎日コントロールをするために薬を飲み、その副作用で別の苦しみを抱えている。

こうなったきっかけは約2年前だ。
当事会社の中で所属していた課は、1年で物量が3倍になるほどの成長部門で、配置転換も間に合わず人数は据え置きでその物量をこなしていた。
残業は当然のことながら、新規の取引もあるためその対応にも追われていた。

毎日距離にして10kmを走りまわり、疲労困憊のまま次の日を迎えていた。
そのうえ直属の上司は感情的になりやすく、怒鳴られ、詰められ、胸ぐらをつかまれていた。

なんとか耐えていたある日、ぷつりと糸が切れるように体が動かなくなった。
吐き気、めまい、ふらつき、発熱などの症状が現れて、このままでは無理だと危険信号を発していた。
そして今の病気を発症した。

しかし当時の僕は馬鹿だったのか、そのまま仕事を続け、それまでよりもずっと大変な毎日を過ごしていた。
しかしそんな日々は長く続くはずもなく。
夜中に倒れて救急車で運ばれた。

それ以降は休職するようになった。
復職までに要した期間は1年半
しかも復帰後悪化してまた休職することになった。


絶望的な日々を送っている中、僕が師匠と慕う先生と会った。

トップ画像にあるように僕は音楽をやっている。
ベースを弾いているのだが、このベースを師事する相手として巡り合った人だ。
60歳も越えたかなり上の世代の師匠だが、その分人生経験も豊富で、ベース以外にも人生相談をよくしていた。

今回はそのうちの人生相談をしたわけで、現状をとにかく話してみた。
師匠はちゃんと聞いてくれて答えてくれた。
「君は誰のために生きるんだい?」
シンプルな投げかけだった。

「誰といっても………友人とか、家族とか…?」
煮え切らない答えに師匠はこう言ってくれた。
「それ以前の問題だよ。君は君のために生きなければならない。このままでは死んでしまうよ?」

重ねて師匠は言った。
「君の今について、君は『生きるため』に生きなければならないんだよ」

シンプルな投げかけだった。
病気ではありながら「このままでは駄目だ、働かなくては」「貯金をして将来のための備えを」などと未来のことばかり気にしていた。

「生きるために生きなさい」
つまりは今を乗り越えることだけに集中しなさい。という意味で、目指す方向がおかしいんじゃないかい?という指摘だった。

こうやって文章に起こすとメチャクチャありきたりだしなんだか胡散臭く感じるのだけれど、師匠に言われたときはなんだかハッとさせられた言葉だった。

今はベースを習っていない。
薬の副作用で手が震えるし、脳がうまく働いていないのか思考がしにくいのだ。

それでも師匠は僕の師匠だし、もう少し病状が良くなったらまた通おうと思っている。

その日が来たら師匠に未来のことを話せたらいいな、と思う。



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