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その悪口に、愛はあるのかい?

人に対して、悪口を言ってしまうことはあると思います。

例えば、ビジネスの場面。
仕事をお願いしたにも関わらず、ゼロの状態で返してきたり、見当違いの内容で回答が帰ってきたり。
こうされた場合、悪口の一つや二つ、言いたくもなります。

私自身、人の悪口は言うなとはいいません。
私だって、ぼやいてしまうことは日常茶飯事です。

でも、その悪口には、愛はあるのかい?
私はそう言いたいのです。

ダメ、違う、バカ。
このような否定的な言葉を並べるのはとても簡単です。
でも、相手を貶めるためのやり方は今の時代、如何なものかと私は考えます。

もし否定的な言葉を使ってしまっても、なぜそのように言ったのかの理由や方法を示しましょう。
きちんとフォローをしないと、相手にとってあなたは、ただ煙たがられるだけの存在になってしまいます。

では、相手に悪口をどのように相手に伝えるのか?

まず一つは、言い方を変える事です。
悪口を使わずに、言い換える形も一つの方法です。
例えば、「あれ、それは違うなぁ」と柔らかく言って、場を和ませるものにしたり、「自信もってやってみようよ!」と相手の背中を押して、奮起を促すものであったり。
そんな声の掛け方をするのも、一つの方法なのです。

相手の心に響いて、行動してもらいたいのであれば、否定的な言葉をかけるだけでは相手は動いてくれません。
相手にきちんと動いてもらうためにはどうしたら良いのか?
これを考えるようにしましょう。

そうは言っても、イライラする場面なのは間違いありません。
でも、この場面は自分が試されているのだと考えて、一度落ち着いて話をしてみるようにしてみましょう。

私が長い期間、上司で居た、今やお偉いさん一歩手前の部長は、このように振舞っていました。

まず、話を聞いた後に、必ず一呼吸置きます。
具体的には、深呼吸をしたり、伸びをしたり、「うーん」と言って考えるふりをします。
そして「あかんがな」とひとこと言うのです。
その後、ダメな理由と具体策のヒント(答えは言わない形)を話します。
最期に「次で完成させよう!」や「期待してるよ!」と言って、送り出すのです。

上司はこの方法を、一つのフォーマットとして恐らく作ったのでしょう。
本当に見事だなと体感して、傍から見てそう思いました。
そして指示の出し方は、もちろん相手の個性を踏まえてアドバイスをします。

悪口でも、伝える事でも、相手が動いてこそ、相手が活躍してこそ「言葉が生きた」と言うことになります。
皆様も是非、相手に動いてもらえるような言葉をかけるようにしましょう。

悪口の伝え方として、もう一つ大切なこと。
それは、相手との信頼関係があってこそ、悪口も成り立つと言うこと。

本気で相手のことを考えているから、口が悪くなったりするものです。

よく「言葉のキャッチボール」と言うじゃないですか。
ボールが相手にきちんと届くように、相手の取りやすいボールを投げる。
そして、相手のボールをきちんとキャッチする。
キャッチボールが、会話に例えられるのは良く出来た例だと思います。

実は、名著「ことばの力」にも、このように書いています。

悪口を言い合うのは、全力で投げ合うキャッチボールだ。
相手は全力でボールを投げてくる。
そのボールをグローブで受けると、痛いんです。
だから、なにくそと思って、自分も全力で相手のグローブをめがけて投げるのです。

これが悪口の理想なのではないでしょうか?

でも最後に、この一文が書いてあったのでなるほどと思ったのです。

デッドボールは、論外です。

最近の風潮って、相手のグローブではなく、相手の頭をめがけて投げるようなやり取りをしているように見えます。
特に、ネットの社会では。
きちんと話の真意を掴んで、相手のグローブをめがけて投げるようにしましょう。

言葉を刃物として扱わないように、言葉に愛をこめましょうね。

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