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誰のおかげで飯が食えると思ってるんだっ!

こんにちは。みーきちです。

今日は「誰のおかげで飯が食えると思ってるんだっ!」という言葉について考えてみます。

この言葉、もし私が専業主婦で旦那に言われたのなら、多分フライパンで旦那の顔を引っ叩くと思います。

あまり、気分のいい言葉ではないですね。

この言葉は、いわゆる「モラハラ」に該当する言動だと思いますが、この言葉を発する人は「発想が貧弱である」と私は思います。

もちろん、お金を稼ぐことは大切です。

しかし、お金を稼ぐことだけが、大切なことなのでしょうか。

以下、私が専業主婦だった場合の、旦那との会話です。

私「普段の節約を頑張っているから、前から欲しかった格安のブランドのバッグ、買ってもいいかしら」

旦那「おい!お前いい加減にしろよ!稼ぎのない分際で何がバッグだ!誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ!」

私「えっと、あなたのおかげもあるけど、みんなのおかげね」

旦那「はぁ?」

私「まず、あなたのご飯が出来るまでを考えてみましょう」

旦那「なんだそれ」

私「まず、主食となるお米です。これは、毎年暑い中を頑張ってお米を作ってくれたお百姓さんのおかげで、私たちは美味しいご飯が食べられます」

旦那「ちっ、うっせーな」

私「次に、あなたが大好きな八宝菜を考えてみましょう。まず豚肉です。これは、養豚業を営む方々が汗水たらして育てた豚の命の一部です。そして、イカ、エビ。これは、漁業を営む方々が荒波に揉まれながら命をかけて捕獲したものです。そして、タケノコ、ニンジン、白菜、ピーマン、きくらげ。これらは農家の方々が虫や病気にやられないように一生懸命育てたものです。そしてウズラの卵。これはウズラを大事に育てている方々から頂いた命の源です。続いてサラダ油。これは菜種油・大豆油・コーン油・ひまわり油・ごま油・紅花油・綿実油・米油・ぶどう油などのいわゆる植物油を混ぜたものです。これらの植物油を作るために、やはり農家の方々が頑張ってくださっています。また、一切の不純物を含まないのは、精油工場に勤める方々の努力の賜物です。ごま油も同様です。そして片栗粉。これはジャガイモを精製したものです。こちらも農家の方々から片栗粉を精製してくれる方々まで多くの人々が携わっています。そして、調味料となる顆粒中華スープの素。これは、様々な原料をもとに、うま味が最高になるよう人々が商品開発の努力をした結果、誕生した商品です。そして砂糖、酒、しょうゆ、塩。これらも大勢の方々が一生懸命に手間暇をかけて製造した調味料です。」

旦那「ごちゃごちゃうるせーなぁ。お前が飯を食えるのは、俺のおかげだろ?俺のお・か・げ!」

私「1万分の1くらいは、あなたのおかげかもしれませんが、まだまだあります。物流です。先ほど述べた食品や調味料は、運ぶ人がいないと、スーパーマーケットに並びません。飛行機の操縦士から、トラックの運転手、鉄道や船舶の運転士、スーパーマーケットで商品を陳列してくれる方々まで、商品の物流には、たくさんの人が関わっています。また、飛行機1機にしても、ライト兄弟の成功から始まり、日々飛行機に改良を加える航空機の設計・開発をする方、機体をメンテナンスする整備士の方、航空機の運航を統括する航空管制官の方など、飛行機の運航には多くの人が関わっています。トラックや貨物列車にしても同様です。多くの人が働いてくれているおかげで、スーパーマーケットに八宝菜の材料が並びます。」

旦那「お前が飯を食えるのは・・・はぁ、疲れてきた」

私「まだあります。買い出しに行き、陳列された商品から八宝菜に適切な材料を選び出し、購入し、自宅まで運搬したうえで調理するのは私です。もちろん、私が乗る自転車を設計・製作してくれた方々、私が通る道路をメンテナンスしてくれた方々、私を産んでくれた私の両親、色々な人が携わって、私はスーパーに買い物に行くことができるのです」

旦那「もういい。疲れた。お前の勝ちだ」

私「勝ち負けの問題ではありません。最後は、あなたのおかげです。あなたが私の作った八宝菜を食べてくれるから、八宝菜が生まれるまでに関わってきた大勢の方々の苦労が報われるのです」

旦那「ふーん、なんか褒められた気分だなぁ」

私「ささ、長い話はこれくらいにして、あなたの大好きな八宝菜、たくさん作ったんで、食べてちょうだいな。」

旦那「なんか・・・ありがとう。」

私「もちろん、あなたの目の前に八宝菜があるのは、あなたが稼いだおかげです。お金を稼ぐことは大変であり、感謝すべきことです。ただ、私が思うのは、お金の流れが発生していないことにも、大事なことがあるのではないかということです。例えば、ボランティアです。世界の貧困地域などで活躍する赤十字のボランティア活動をしている人々は、お金をもらっていないという、ただ1点をもって、尊くないことをしているのでしょうか。私には、そうは思えません。」

旦那「そうだなぁ・・・お金を稼いでるってだけで、偉ぶるのは良くないんだな」

私「そう。お金を稼いでいる、稼いでいないに関わらず、誰かが誰かに偉ぶるのは、私はあまり好きではありません。人間は平等ですよ。ささ、八宝菜食べて。冷めちゃうわよ。」

旦那「おう。いただきます」

私「私もいただきます。それにしても、今日はいい天気でしたね。あ、近々デートで一緒に海を見に行きましょうか」

旦那「それはいいねぇ!たまには海をみてゆっくりしたいな」

私「私たち人間は、海洋生物から進化したと言われています。水に加えて酸素と有機物、そして適度な塩化ナトリウムを含む海は、生命の源です。だから、私たちは海を見ると癒されるのかもしれませんね」

旦那「相変わらず、おめぇさんは知的だなぁ」

私「ほめても何も出ませんよ。それにしても、八宝菜、美味しいですね」

旦那「美味しいなぁ」

私「ところで・・・海を背景にして、お気に入りのバッグを持ってあなたと記念写真が撮りたいわ」

旦那「おう!なんか言いくるめられた気分だけど、お腹が満たされたらなんだか気持ちが穏やかになってきたよ。バッグでも何でも買っておいで」

私「やったぁ!!ありがとう!!」

旦那「はっはっは。大勝利だな!」

この仲睦まじい夫婦は、週末に楽しく海を眺めに行きましたとさ。

もちろん、新品のバッグも一緒に。

めでたしめでたし。

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