たらばうさぎ

IQ136のポンコツ

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最近の記事

なれないことはしないほうがいい

 アップテンポの曲に乗る。  半分も聞き取れない英語の歌詞を置いてきぼりにし、テンポのままひたすら踊る。  弱いくせにアルコールも飲んで、体力がないくせに跳び跳ね続けた。  途中話しかけてくるパーティーピーポーに陽気に笑顔を向ける私。  ハイタッチ、ハイタッチ。  そのまま何が楽しいのか大声で笑いはじめ、また踊り出した。  気がついたら入り口の端、邪魔にならなそうなところで蹲っていた。  顔が熱い。きっと真っ赤だ。  夜風が心地よく、目を細める。  そうして頭痛と格闘してい

    • 目を閉じれば億千の星

       目を閉じることは思考に呑み込まれることである。  人間にとって一番の情報源である視覚を遮断することで、脳が一気に働き出す。  そうして思考に意識を向けると、ありとあらゆるものがそこにはある。  その中のひとつを手に取り考えて、また次へと手を伸ばしていく。  しばらくそうやって、飽きる頃には眠っている。  目を閉じるだけでこんなにも贅沢ができるのは盲点なのではないだろうか。  外に豊かさを求めるのもよいけれど、一度内の豊かさを徹底的に探ってみるのもよいのかもしれない。  

      • 高校生の時の問題

         誰かに迷惑をかけるぐらいなら、自分一人で苦しみたい。    高校生の私が生み出した問いは未だ解決していない。  幸いなことに仕事はできたが、それでも完璧とはいかず多少の迷惑をかけてしまうことがある。  この度にこの問いに直面する。  私にはこれが間違っているのか、正しいのかが分からない。  私自身は正しいと思うけれど、私の考える世間はこれを否定するような気がする。  結局は一人と言えるのか、言えないのか。  人情がないわけではないけれど、どこかで線を引いている。それが正し

        • 偽物のラブソングで揺れる心は本物

           誰かと深く関わったことなんてないから、人の機微なんてわからない  それなのに恋い焦がれるラブソングに心惹かれる。  それはきっとどこかであこがれているからなのだろう。  身を焦がすほどの想い、溢れ出す恋慕。  そんなもの私にはないから、わからないから、綺麗なものに映るのだろう。  だってそれは、真に人間のように人生を生きているのだから。  つくりものなのに。

        なれないことはしないほうがいい

          贅沢な無欲を願う

           気がついたら私は働いていた。  それも大抵の人が羨むような待遇と立場で。  私に労働なんて無理だろうと思っていたし、就活を頑張る気概もなかった。  ただ流れるがままに、そして気がついたら安泰の道を歩み始めていた。  どうして欲のない私が恵まれて、欲のある他の人は欲を叶えられないのだろうか。  思えば今まで何かに執着したことも、本気になったこともない。  できないことはやってもできないし、逆にできることはやらずともできた。さらにできることをちょっと頑張れば意図も容易く周りを抜

          贅沢な無欲を願う

          慣れると成れる

           人間はなれる生き物である。  才能も努力も環境もすべてが異なる。得られるものも、得たものをとっておける器の大きさも違う。  神様はめんどくさがりだから、不条理を直そうとせず、手っ取り早く慣れさせるのだ。   繰り返して、繰り返して、繰り返して。  そうしていくうちにきっと自分の居場所を見つけて満足する。  そして、たまに上を見上げて、眩しさと悲しさをない交ぜにした視線をおくり、それをごまかすために下を見下ろし、安心と蔑みを含んだ視線を送る。  私は何かに慣れ、成ろうとして

          慣れると成れる

          ◯◯な人の特徴

           よくあるタイトルで 「優秀な人の特徴 ◯選!!」  みたいなものがある。  大抵は皆が憧れる人の特徴をあげていて、結構人気なことが多い。    人間心理を利用している技術だとはわかっているのだけれど、そういったものに人が集まっているのを見ると悲しくなってくる。  簡単な話で、優秀な人間が持っている特徴。それはその人が優秀だから持っているのだという話。  その特徴があるから優秀ではないと言うことだ。  簡単な必要十分条件で理解できる。  だから優秀な人の特徴を見ても優秀には

          ◯◯な人の特徴

          毒律独捕

           テレビというとものは、弱っているときにつけたくなるものだ。  普段独立独歩を美徳としている私でも、岐路に立つ際には神経をすり減らしてしまい、なにかにたよりたくなってしまう。  普通であれば、友人、家族、恋人等々自分が心を許せる人間と話を交わし心をやすませる。  しかし、独り、一人、ひとり、でと決意して暗い道を楽しみながら歩いてきた私は今さら振り返ることはできない。  それは私の20年を否定することであり、つまりは根幹がなくなると言うことだからだ。  そんなわけで、私は一

          タイムマシーン

           タイムマシーンなんてみんな心の中にもっているよ。  今が辛ければ、過去の栄光にすがったり、過去の失敗のせいにして思考停止したり。  もしくは、ありもしないはりぼての未来に逃げ込んだり。  過去は変えられないし、未来を変えるには今を変えるしかないっていうのに。  ほんとに愚かだよね。

          タイムマシーン

          さよなら ミスタードーナツ

           少し前のことだが、私はミスタードーナツに別れを告げた。  何年も通ってきただけに愛着もあったが、それでも別れることを決意した。  事の発端はいつだったか。  急激な円安により様々な物の値段が上がっていった時のことだ。ミスタードーナツもその煽りを受け、ドーナツの値上がりを決意した。  オールドファッション 150円  値段をよく見ずに注文してその金額に驚いた。  確か、120円ではなかっただろうか。  もしかしたら140円だったり、はたまた130円だったのかも知れない。

          さよなら ミスタードーナツ

          毒と薬

           毒をはく人間というものは一定数いる。  大抵は適量を考えずに垂れ流すので、皆毒に犯されまいと逃げ出していく。  たまにピリッとしびれるぐらいの毒を出す人は刺激を求めて人が集まってくる。  毒にも薬にもならないと言う言葉がある。  毒の対義語が薬ならば、同じように薬をはく人間というものもいるのではないだろうか。  大抵は適量を考えずに垂れ流すので、皆薬に溺れ人があつまっていく。  たまに正しい療法で薬を出す人がいるが、皆薬の苦味をいやがり逃げていく。  

          一人称 複数 将来性

           気を抜くと一人称が私でなくなる。  普段はそんな馬鹿げたことはないのだけれど、長編小説を読みきった後などはつい主人公に引っ張られて一人称が変わってしまうときがある。  もちろん、「わたくし」や「われ」など現代ではありえないものに変わるわけではない。  しかし、時折「ぼく」になってしまうことがある。  「ぼく」だなんて少年のような一人称は私には似合わない。それになにより私自身を過剰に着飾っているようで恥ずかしい。これなら意味もなくブランド物を身に纏うほうがましである。  

          一人称 複数 将来性

          かかった夜を越えて  

           頭の回転が止まらない。  次から次へと思考が流れてきて私を苦しめる。  脳内で将棋を指す私、もったいぶった哲学を語る私、ドビュッシーを聞く私、小説の世界を想像する私、ニュースを見る私、脳内でチェスをする私、映像ごとタイムスリップする私、数学の問題を解く私、ピアノを演奏する私、私、私…。  荒れ狂う思考に身を委ね、この子たちが落ち着くのをただじっと待つ。  布団に頭を突っ伏し、できるだけ思考を深めないように、考えないようにして嵐が去るのを待っていた。  いくぶんの時間が

          かかった夜を越えて  

          いとおしい愚かものたち

           世の中に意見することに意味はあるのだろうか。  強い思想を持った人が、強い言葉で理想や不満を唱えるのを度々見かけるが、私はどうにもそれが滑稽なものに思えてしまう。  というのも、皆さん揃って自分を賢いと思って、それを疑いもせずにカッコつけて断定している。  自分より賢い人間など至るところにいるのだし、物事なんてどれだけいっても確かなものなどはない。  そんなことを理解せず、狭い世界で一番になった気になっている前後不覚のあなたがいとおしく愚かしい。  だってそれはいつかの私で

          いとおしい愚かものたち

          選んだ幸せはよい幸せ

           頭の中にある世界を一度粉々に砕く。  理想だとか、幻想だとかいう綺麗なものを持っていては決して入ることの出来ない世界に私たちは向かうのだ。  「ハローワールド 私は元気です。」  門前で誰かが言った。  別にそちら側に行きたいわけでも、綺麗なものを捨てたいわけでもない。でも、もう戻れない。レールから外れたら、二度と戻ってこれないから。  何を言えばよいのかわからないが、私も同じことを言えばよいのだろうか  「ハローワールド 私は元気です。」  門番は聞きあきたような

          選んだ幸せはよい幸せ

          雪女だった日

           二人の身体が重なり溶けていく。  燃え上がる心と身体。  白い吐息が霧のように。  暖かいのに冷たい。冷たいのに暖かい。  涙がこぼれてきえる。  もうどうしようもなくて、ぐちゃぐちゃなまま唇をかわした。  熱が行き交いくらくらとする頭と体。燃え上がりながら、どちらが先に消えてしまうのだろうか。  二人一緒ならいいのに。  働かない頭でそんなことを考えた。  そして考えることをやめて、私は雪女になった。  明くる朝目を覚ますと、濡れた布団に私一人。  思いの外するりと理

          雪女だった日