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#恋愛小説
【ショート・ストーリー】夏目漱石の花束
ブログの更新通知がぴろんと鳴る。
推しが、結婚したそうだ。
例えばアニメのキャラクター、
アイドル、俳優、モデル、声優、最近だとバーチャルYouTuber、等々。
推しの形はいろいろだが、わたしの場合、推しは「バンドマン」だった。
そして推しの事が好きだった。恋愛的に。
そう、ガチ恋というやつだ。
小さなライブハウスで活動するバンドの中でも六弦を弾いていた推しには、特に強くスポットライトが当た
【ショート・ストーリー】頭から離れない
1
私達は付き合っている。
錆びれた田舎のカフェ。大体、二十時閉店。
そこから閉め作業をして、二人で帰る。
カフェを出て左に出ると、すぐ丁字路に当たる。
左にに進むとすぐに彼の家がある。
カフェのバイトも、近所だからここにしたらしい。
一方私は右に曲がり、橋を越える。冬の橋は、強風過ぎて耳が千切れそうになる。
いつからだろうか、彼は当然のように私と一緒に右へ曲がり、当然のように私の自転車を押して