【探究横丁は絶対必要!】探究メンバー「ジョーカーさん(中1)」から教えられた大切なこと。探究学習の本質「これが探究」といえる経験!渾身5000文字!
探究横丁のメンバーに
「ジョーカー(探究横丁での通り名)さん」
という子がおります。
今日は
まだ小さな探究横丁で
彼が起こした
大きな奇跡のお話です。
1.ジョーカーさんという人物
ジョーカーさんは、中学1年生の男子。
出会いは、3年前。
彼が4年生の時。
私が担任をしていた時の教え子です。
彼は
・いわゆる学校のお勉強
・手を挙げて発言すること
・人前で何か話すこと
どちらかと言うと苦手な少年でした。
「自分の考えていることを人に伝える」
ことは特に難しそうでした。
彼の言いたいことを
こちらが理解するには、時間をかけ
じっくり話を聴く必要がありました。
2.ジョーカーさん、まさかの探究横丁に入会へ!
3年後
私が学校を辞めて
探究横丁をOpenした今年の4月。
Openイベントに
そんなジョーカーさんも来てくれました。
そして、驚いたことに
入会の意思を彼から受け取りました。
理由は
「私に会いたいから」
嬉しい気持ちと
探究横丁の目的が
果たしてジョーカーさんに合うかどうか
少し不安でもありました。
探究横丁は
「やりたいことを好きなだけやって
その姿を世の中に発信」
という
「探究型起業家育成塾」です。
探究学習が世の中に必要なことを証明するために
日本のぶっちぎり集団となり
教育界に影響を与えることが目的です。
だから
探究横丁は
「やりたいことがある子が来る場所」
私もそう認識していましたし
それは今も変わりません。
そのハイペースにジョーカーさんが
果たして着いて来れるだろうか、
逆に挫折させてしまい
自己肯定感を落としてしまうのではないか
そんな不安もありました。
3.入会当初のジョーカーさん
中学になるまで
1人で電車に乗る機会が少ないのは
ジョーカーさんにとっても
例外ではありませんでした。
ジョーカーさんが住んでいる地域から
探究横丁まで、電車で3駅。
品川シーサイドから迷わずに歩けて
徒歩15分弱。
大人にとって
なんてことない道かもしれませんが
ジョーカーさんは
中学1年生になったばかり
見知らぬ土地に1人で行かせることは
本人も送り出したご両親も
勇気がいったことと思います。
そして、探究横丁に来る初日
待てどもジョーカーさんが来ません
なんとジョーカーさんは
違う駅に行ってしまい
迷ってしまっていたのです。
到着予定時刻を大きく過ぎて
着いたのはもう夕方
汗をかきながら
到着したジョーカーさんは
少し興奮した様子で
「めっちゃ迷いました。」
と、嬉しそうに一言。
困難を乗り越え
自分1人で辿り着けたことが
嬉しかったのだと思います。
探究学習とは、問題解決力が育つ学び
ジョーカーさんが迷いながら
2時間以上かけて
1人で辿りけたことは
その時点で価値があります。
そのことを本人に伝え
彼の頑張りを
大いにたたえました。
そんな初日でした。
4.次第に休みがちになるジョーカーさん
通い始めて2.3ヶ月。
ジョーカーさんも、もう迷わず来ます。
最初
探究横丁で彼がしていたことは
「雷」について調べることでした。
どうまとめて
どう発信しようか
私と話し合いました
しかし
いざ調べ活動となっても
うまく進みませんでした。
次第に
「今日は学校の宿題をやります。」
「今日はテストに向けてプリントをやります。」
と当初彼が言っていた
「やりたいこと」からずれて
探究横丁の時間は彼にとって
「やらなければならないこと」を
やる時間になっていきました。
そしてその頃から
「今日は行きません」
と、休む日が出てきました。
さらに、
連絡なく休むようになりました。
これは、まずいと思いました。
このちょっと前から
私はご両親と話したく、
繋いでもらえるよう
本人に伝えていましたが
うまく連絡つかず
今思えば最初に保護者と連絡が取れるシステムを
作っていなかった私の責任です。
ジョーカーさんが
探究横丁に来る日が減り
2週連続で無断欠席が続いた日
お父さんがHPの問い合わせから
私に連絡を入れてきてくれました。
そしてついに、お父さんと
やりとりができるようになりました。
お父さんもジョーカーさんから何も
聞かされておらず戸惑っていた様子でした。
私は
「ジョーカーさんから話を一度しっかり聞こう」
と思いました。
君は「本当は」何がしたいの?
彼の心の声に耳を傾ける必要がある
と感じたからです。
5.ジョーカーさんの夢
ある日、ジョーカーさんが久しぶりに
探究横丁に来ました。
よし、チャンス!
と思って、声をかけようと思っていたら
「先生、僕、やりたいことあります」
小さな声で
彼から切り出してきたのです。
これには本当に驚きました。
彼の中でも
「このままではよくない」という
思いがあったのだろう、と感じました。
ただそれをうまく言葉にできず
モヤモヤした日を
送っていたのかもしれません。
聞くと彼には2つの夢がありました。
それは
・YouTubeでゲーム実況がしたい
・分からないことを調べて人に伝えたい
という夢でした。
私は聞き逃さないため
彼の思考を整理するため
紙に書いて、
それを一緒に見ながら彼の話を聞きました。
すると、
ジョーカーさんは
「ゲームが大好き。
その好きなことを活かして
ゲーム実況がしたい。」
加えて
「笑いを交えて、人に楽しんでもらいたい」
さらに
「話すことが苦手だから、それを克服したい」
と、教えてくれました。
意外でした。驚きました。
よく考えましたね。
自分の言葉でよく言えました。
私はこの時、
本当に感動しました。
この話をご両親に直接話しました。
「全然知らなかった」
と、驚かれていましたし
全面的に応援してくださるとのことでした。
ご両親の後押しも正式に得られ
ジョーカーさんの探究活動が
晴れて始まろうとしていました!
6.初の実況チャレンジ
とはいえ、ゲーム実況まで
乗り越える課題はたくさん
とりあえず最短で動画をアップしようと
私とジョーカーさんは相談し合いました。
結果
持参したSwitchの画面を、スマホで撮影して
それを見ながら実況する
という、
最も原始的な方法に辿り着きました。
とにかく前に進んで形を残そうとしたのです。
ジョーカーさんの
実況が始まりました。
スマホの録画の音がなります。
、、、、、、?
、、、、、、?
、、、、、、?
いくら経っても話す気配がありません。
響くボタンのカチャカチャ音。
一旦撮影を止めた時に彼が言いました。
「先生、やりながら喋るのは、難しいです。」
と、これは作戦を考えなければなりません。
そこで
私とペアで実況をすることにしました。
私がジョーカーさんにインタビューのように
質問を投げかける
それに答えながらゲーム実況をする。
そんな流れに変えてみました。
ソフトはSwitchの
「大乱闘スマッシュブラザーズ」です。
撮影が始まりました。
私は、必死で喋りかけます。
しかしジョーカーさんは、
ほぼ答えてくれません。
5分ほど撮影を終え
9割型私が喋り、
一体誰の何の実況かわからない
映像が撮れました。
私のこの時の感想は
大丈夫かな、、、、
でした。笑
次に
編集作業に入ります。
7.編集で起こった一筋の光!
編集していると、
やはりしゃべっているのは、ほぼ私
ジョーカーさんは、
そっけなく言葉を返すのみ
聞こえてくるのはカチャカチャ音ばかり
不安を抱えながら
文字に起こしていきました。
すると、
ん?
んん??
もしかして、
これめっちゃ面白いんじゃない?!
と思うようになりました。
なぜなら、
・そっけなく返すジョーカーさんの返事
・普通に無視される元担任
・響くカチャカチャ音
・たまにささやくような言葉
これらが絶妙な間と重なり
何とも言えないシュールで
じわる動画が出来上がったのです。
ジョーカーさんにしかできない
コンテンツです。
まずは見てもらうのが、1番早いので
アップした動画がこちら↓
「これいいですね。」
完成した動画を見て
ジョーカーさんもニコニコと満足そう。
喜んでくれました。
その日は、何とも言えない達成感で
2人で駅まで帰りました。
8.ジョーカーさんと周囲の変化
動画をアップしてしばらくすると
探究横丁のメンバーのシャッチーから
LINEが届きました。
「〇〇くん(ジョーカーさん)のゲーム実況、学校の男子の間で大人気です!最近は〇〇くんブームでみんな〇〇くんのことジョーカーって呼んでます!」
ええ?!そうなの?!
本人に聞くと、やはり
「動画見たよ!面白かった!」
とか
「次の動画楽しみ!」
とか
学校で声をかけられるようになったそうです。
ジョーカーさんは
このような経験は、ほぼなかったと思います。
私はこのシャッチーがくれたLINEを
そのままご両親にすぐ送りました。
ご両親も大変喜んでくださいました。
驚きの変化は、まだあります。
ジョーカーさんが
ちょっと明るくなりました。
さらに、
「次の動画はこんなの撮りたい!」
と、自ら提案してくるようになりました。
これが、
小さな探究横丁で
思い切ってゲームをやることで起きた
ジョーカーさんの、「大きな奇跡」です。
9.この経験から「1番伝えたいこと」
ジョーカーさんに
変化をもたらしてくれたのは
ご両親が認めてくれたからです。
ご両親の許可なしでは
絶対にできなかったことです。
大変感謝しております。
私がジョーカーさんとの経験を通して
1番学んだことは、
これまでの常識を一度見直して
自分の考えを、
0ベースで改めることです。
そして、
子どもの「本当にやりたい!」と
逃げずに向き合い、認め、励ます!
ということです。
今回のことを例にあげると
「ゲームには、学びや成長の機会がない」
というような凝り固まった常識が
私の中にもあったということです。
事実
探究横丁が始まった4月、LINEで
「探究横丁でゲームはできますか?」
とジョーカーさんは、聞いてきていました。
私はこの時
正直、ゲームをやらせることに
若干抵抗がありました。
だから私は
こう答えてしまいました。
「ゲームは学びになると証明できれば
いいのですが、探究横丁に通うために
お金を出してもらう、おうちの人達に納得してもらうのは現段階ではかなり大変かと思いますよ。」(LINE本文抜粋)
どうでしょう?
いかにも教員上がりが言いそうな
正論ぽい言葉です。
こう言えば
「ゲームは無理か」
と、思わせるのに十分な、
ずるい返答だなと感じます。
教員として体に染み付いてしまっていた
悪い部分です。
今思えば
なんて未熟で、なんて面白くない
返信だったと思います。
勇気を出して質問してくれた
ジョーカーさんを
さぞがっかりさせたことでしょう。
結局4月の私は
探究横丁が本当は何をする場所なのか
Openしておきながら
まだはっきりと分かっていなかったのだ
と思います。
しかし
ジョーカーさんの姿を見て
その成長を共に味わう経験を通した現在は
これからの未来
「あらゆる可能性にかけてもいい!」
と、確信するようになりました。
探究横丁は子ども達が夢中になって
好きなことをしていい場所。
つまりこれまでの教育を受けてきた
大人目線の常識に
当てはめてはいけない場所です。
その覚悟と自信が
以前の私にはありませんでした。
そんな空間を提供することに、
どれだけ価値があるか
今なら分かります。
大人の常識は捨てる
子どもに委ねて、可能性を信じて、
その子らしく
のびのび居心地よく学べる空間
その空間が大事なのです!
それが「サードプレイス.探究横丁」です。
そんな環境を提供して
人生豊かに過ごす彼らとともに
日本の教育界を変えると決めていたのに
私が彼らの
可能性を潰すところでした。
とても反省しています。
いつも大事なことは
子ども達が教えてくれます。
これが「私の学び直し」です。
どうか、これを読んだ方も
明日から
「子どものやりたい!」いえ、
「部下のやりたい!」でも構いません!
「勇気を出して前に進もうとした一言」
を、まず受け止めてあげてください。
受け止めた上で、その立場の人は
できる限り尊重してあげてほしい
と、願います
何が正しいのかは、この先わからない時代です。
これまで「常識」と思ってきたことは
簡単に覆される傾向です。
だからいっそのこと、
子どもを信じ、挑戦させてあげてください。
つまづくのが当たり前です。
その時は責めるのではなく
広い器で、壁に当たったことを楽しみながら
一緒にその問題を解決する方法を
考えてあげてほしいと思います。
今いる日本の大人も
その大人の背中を見て育つ
これから大人になろうとしている子ども達も
そんな
探究心あふれる
大人になってほしいと願っております。
ジョーカーさん大切なことを教えてくれて
ありがとう。
そんな
ジョーカーさんのそっけないゲーム実況第二段は2023年1/13更新!↓
そんなジョーカーさんがいる
探究横丁の日々の活動の様子は
Instagramから!
そんな探究横丁の活動に興味がある!
自分自身も学びたい!
と思われている
学びのサードプレイスがほしい大人の方は
オンラインコミュニティ
大人の探究横丁へ!
LINE公式から私に直接
お問い合わせできます。
ざっくり見たい方は
ホームページへ↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?