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「ライフ・シフト2」を読んだ

今秋発売された「ライフ・シフト2」を最近読みました。

この本は5年位前に発売されベストセラーとなった「ライフ・シフト」の続編です。前書の基本的な考え方は踏襲しながら、より深く掘り下げた内容となっています。

僕が本作で特に印象に残った箇所等について、ご紹介したいと思います。(※引用箇所は一部編集してあります。)


3ステージからマルチステージの人生へ

いままでは誰もが、教育→仕事→引退の3ステージの人生を送るのが当たり前だった。しかし長寿化の進展やテクノロジーの進化により、人が生涯の間に経験する移行の回数は増えていく。3ステージの人生ではなく、マルチステージの人生が当たり前になるだろう。

今までは、①学校で教育を受ける→②就職して定年まで働く→③引退生活を送る という3ステージの人生が1つのロールモデルでした。

しかし長寿化の進展やテクノロジーの進化により、就職から定年まで同じ企業・職種で働くことがこれからは難しくなっていきそうです。そのため職業人生の合間において、次の職に移るために学習してスキルを磨いたり、転職活動を行ったりする期間がたびたび登場することが考えられます。

その職業人生の合間の期間を「学習と移行」とする場合、

(学校における)教育→仕事→「学習と移行」→仕事→「学習と移行」→仕事→引退

のようなマルチステージの人生が、これからのロールモデルとなるかもしれません。


生涯にわたって学び続ける

いくつもの移行を繰り返しながら長い職業人生を送るためには、学び続ける必要がある。3ステージの人生では、学習はもっぱら最初にステージでおこなうものと決まっていた。しかしマルチステージの人生では、学習はみずからの選択でおこなうものとなる。学び続けることにより得られるものはきわめて大きいが、実際に学び続けることはときとしてきわめて難しい。

マルチステージの人生においては、生涯にわたって学び続けることが重要となってきそうです。

しかし大人の学習は、仕事やお金、家族等とどのように折り合いをつけるかが難しく、けっして容易ではありません。

僕は仕事を辞めて現在「学びなおし」をしています。周囲から「そろそろ働かないの?」と言われることもありますし、貯金はどんどん減っていきます(苦笑)。

しかし「学びなおし」は今後価値を生むであろう投資であると僕は考えていて、日々学習に励んでいます。「ライフ・シフト」の考え方は、僕の「学びなおし」の拠り所にもなっています!


神経可塑性と結晶性知能

最新の研究によれば、人の頭脳は年齢を重ねても強い神経可塑性を維持し続けるらしい。脳は柔軟な筋肉のようなもので、適切に訓練し正しく用いれば、いったん失われた能力も取り戻せるというのだ。また年齢を重ねるとともに強まるタイプの知能もあり、結晶性知能と呼ばれる。結晶性知能とは、時間をかけて蓄積されていく情報や知識、知恵、戦略のことである。

ある程度の年齢になると、自身の記憶力や計算能力等の衰えを実感し、学習することを諦めてしまう人もきっと多いかもしれません。

しかし最新の研究によれば、脳は一旦衰えても訓練すればそれなりに能力を取り戻すことができるそうです。

また年齢を重ねるほど結晶性知能が強まるという研究もあります。これはいわゆる経験知のようなものでしょうか。

僕は昨年から学びなおしをしていますが、色々と学んでいくうちに記憶力や計算能力が上がったような感覚があります。年齢による衰えを防ぐには、肉体だけでなく脳の訓練も実はとても大事なのかもしれません。


新しい教育のあり方

教育のあり方はすでに変わりはじめているが、変化のプロセスはまだ始まったばかりだ。変革が大きく進んでいない一因は、大学が20歳前後の学生を主たる対象と位置づけてきたことにある。これからの大学は生涯学習を支援し、年長の学生のニーズと動機をもっと重視すべきだ。生涯学習市場の潜在的な規模はきわめて大きい。

日本の大学はこれまではほぼ「若者が就職する前に通う場所」的な位置づけであったと思います。しかし少子化の拍車により、これまでのように若者主体で維持するには限界があるでしょう。

一方で、生涯学習の需要は今後どんどん伸びていくと僕は予想しています。大学にはぜひ年齢を問わずに積極的に門戸を広げ、生涯学習の場に生まれ変わってほしいと考えています。

様々な年代、多様な経験や価値観を持った人が集まってともに学び合う・・・これこそが少子高齢化が進む日本の新たな学びの形ではないでしょうか。


おわりに

僕の記事だけではこの本の良さを伝えきれませんが、「ライフ・シフト2」はこれからの人生を考えるうえでとても参考になる本であると思います。

前書「ライフ・シフト」を読んでいない方は、こちらもあわせて読んでみることをオススメします!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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