日本初のエフェクチュエーション入門書、読んでみたら前向きな気持ちになれた
まだまだ暑いですが、暦の上では秋。そう、読書の季節です。そんな読書の秋に読んでほしい1冊があります!
8月30日に発売された『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』。この本は、優れた起業家たちに共通する考え方を体系化した論理「エフェクチュエーション」の入門書で、ソーシャルデザインラボの中村龍太(以下、龍太さん)が著者として参加しているんです!
龍太さん曰く、エフェクチューエーションは『特別な思考ではなく、どんな人でも学習して身につけられる』ものなんだそう。
どんな考え方なのか?この本を読むと何が身につくのか?エフェクチュエーション初心者がさっそく読んでみました!
読み終えた時には前向きな気持ちが溢れてくる、とても面白い1冊でした📖
エフェクチュエーションとは
「エフェクチュエーション(effectuation:実効理論)」については、こちらの本の一章で詳しく説明されています。
「熟達した起業家の思考様式」…。なんだか普段の私たちとは縁遠いものに感じてしまいそうですが、読み進めると「不確実性の高い問題に対し、経験のある起業家たちが好んで活用していた経験則」とも書いてあります。
経験則なので、起業家であるかどうかが重要なのではなく、普段の私たちのビジネスの中でも活きる意思決定の仕方、考え方というイメージです。
目的を最初に設定し、その実現のために必要なリソースを揃える「コーゼーション(causation:因果論)」(多くのビジネスシーンではこちらの方が想像しやすいかもしれませんね)とは対になる考え方で、数々の大学やビジネススクールでも講義が行われています。
この章の中では、エフェクチュエーションの5つの原則が挙げられています。
その5つの原則とは
この5つの原則は、たとえ結果が予測できなくても、 自らがコントロール可能な活動に集中し、プロセスを回し続けることの大切さを示しています。これらの原則をもとに動き続けることで、私たちが思いもしなかったような新しい製品・事業・市場へと可能性を広げてくれるのです。
第8章以降で示される具体例は、この個性的な名前の5つの原則が市場でどのように作用しているのかをわかりやすく伝えてくれています。
イメージが膨らむ!ソーシャルデザインラボおすすめの読み方は?
龍太さんが所長を務める私たちソーシャルデザインラボも、各プロジェクトを進める上でエフェクチュエーションの考え方を大切にしています。
このnoteでもお話してきた「地域クラウド交流会」や「PICスクール」は、本の中でもエフェクチュエーション的な取り組みとして紹介されています。
第9章・第10章では、龍太さんの事業やソーシャルデザインラボの活動から5つの原則が詳細に解説されており、具体例に照らし合わせながら見ていくことができます。
章に沿って読むのもわかりやすいですが、サイボウズの活動にご関心を寄せてくださっている方、また、具体例でしっかりイメージする方が理解しやすいという方には、以下のような読み方もおすすめです💡
私たちの部署の責任者であり、この本の著者でもある龍太さんは、チームの中で活きるエフェクチュエーションについてこう話します。
『サイボウズの中で、エフェクチュエーションのシーンを見ます。例えば、経営会議で「では、この企画は、走りながら考えていきます!」という会話です。許容可能な損失で、企画を社内で共有しながら、社員とのクレイジーキルトで育まれるアイデアは、社員たちの共感を生み、チームとして実効性の高いものになっています。』
この本にも示されているサイボウズの具体例も参考にしていただきながら、ぜひチームでの活動に役立ててみてください!
予測不可能な毎日の焦りを取り除き、ポジティブな目線を与えてくれる1冊
「エフェクチュエーション」はソーシャルデザインラボの中でも頻繁に出てくる言葉なのですが、正直に言うと私自身はこれまで「なんとなく」の理解にとどまっていました。
ですが、この本を読んだことで理解が深まり、特に予測不可能な出来事に対する意識がガラッと変わった気がします。
仕事をしているとどうしても予測不能な出来事は起こります。ショックを受けてしまうようなアンラッキーも珍しくはありません。
ですが、この本を読み、エフェクチュエーションの5つの原則を知ったことで、偶然や不運も楽しむことができそうだと感じました。
予測不可能な出来事が発生した時や、どんなメリットが発生するのか具体的に見えない場合でも、慌てることなく「この出来事が、今後もしかしたら素敵な状況を生み出してくれるかもしれない!」と期待を持って眺めることができるようになりました。
毎日仕事に向き合う私たちに、新しいポジティブな目線を与えてくれる一冊です。ぜひ手に取ってみていただきたいなと思います!
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