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生卵から学ぶ姿勢のあり方

 コロナ渦の中で「Stay home」の時間が増えています。私はこれまで買ったはいいけど読めていない溜まりに溜まった積読本を読んでみたり、これまで読んできた本で述べられていたことを実際にやってみるなど案外有意義な時間を過ごせています。

 その中でも特におすすめしたい本と、その本に書かれている実践を紹介してみたいと思います。

野口三千三先生の『原初生命体としての人間−野口体操の理論』という本です。

野口先生の身体論は現代の科学的認識からいうと違和感を感じる人もいらっしゃるかなと思いますが、野口先生の実践に基づいた哲学的な説明を読んでみると定説が間違っているのかな?
なんて思ってしまうほどです。

東京藝術大学で教鞭を取られていた際は学校への通学路で歩き方の追求をしていたらしいのですが、そのあまりにも不自然な動きに普通の学生から心配の眼差しを送られていたという逸話があります。こうしたエピソードからも分かるように実践を通した身体論に余念がないお方なのです。笑

そんな愛らしい野口先生の著作を読んでもらえると新しい身体観や世界観が広がるかなと思います。とてもオヌヌメです。


 私は曹洞宗寺院に生まれたこともあり、今では坐禅参究を日々の楽しみとしています。それにトレーニングジムでインストラクターをしていたこともあるので、より安楽であり効果的な身体操作にも興味があり同様に日々参究をしています。そのため、禅×ヨガ、禅×野口体操のような考え方が今の自分を構成しているとも言えるでしょう。

 そして、実際にこの身心をつかって理論を味わうという営みが、とても重要であると改めて感じる今日この頃です。

仏教や人体の理論を学ぶのは好き

という人はいますがそれでは真髄を味わうことはできないと感じるのです。頭で理解したつもりと、身体レベルでの理解した時のその深さの違いというのは、、、
って話しているだけでにやけている実践大好きマンの自分が怖いので熱弁はこのくらいにしておきます笑

 では、そろそろタイトルにもなっている「生卵から学ぶ姿勢のあり方」という本題に戻っていこうと思います。

立つべくして立つ生卵

実践としておすすめしたいのは『原初生命体としての生命』の冒頭「生卵との対話」というセンテンスで紹介されていた「生卵たて」です。

サムネイルの写真は本のようにいうなら、私が初めて「生卵と対話」をしたときとなります。

野口先生は卵たてという「生卵との対話」から生卵のあり方についてこう述べておられます

・宇宙の原理にどっぷりつかってそれを信じきっている。
・重さの原理を信じきって任せきっている。
・床(地球の表面大地・机の表面・水面に置かれた鏡)を信じきって任せきっている。
・自分のからだの能力、卵殻(骨)の能力を信じきっている。

依然として卵の中身は流動体でありながら、悠然として立っている。つまり、「立つべくして立つ生卵」でいるのです。

思いを手放しにして坐る。只管打坐の坐禅には計らいなしに、坐るべくして坐る。こういった野口先生のようなアプローチが補助になるのではないかと感じています。

日常生活においてもPCに向かって不自然な姿勢を強いられるこのご時世ですが、こういったご時世だからこそ落ち着く姿勢としての拠り所を持つ大切さを感じています。

立つべくして立つ姿勢。坐るべくして坐る姿勢。寝るべくして寝る姿勢。

あたりまえだけどこれら実践を通して探る参究というのを楽しんでいきたいです。


[「参究」とは?]
https://seesaawiki.jp/w/turatura/d/%BB%B2%B5%E6

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