「ワイン」「本」「音楽」…好きなものに囲まれる暮らしーー地方に住めばここまでできる!こだわりのマイホーム【富山県在住Nさん】
今回は2018年にマイホームを建てた富山県富山市在住のNさんご夫婦(50代)のお宅にお邪魔しました。
第2の人生を充実したものにするため、おふたりがこだわったポイントや、普段の暮らしについて伺いました。
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◎50代で2つ目のマイホーム
ーー50代になられてから、新しく家を建てようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。
妻:両親が高齢になったので、実家の近くに引っ越すことを検討していました。偶然、近くの土地が売りに出されているのを見つけて、これがタイミングだと思い決意しました。
ーーなるほど。それまではどんなおうちに住んでおられましたか?
夫:結婚した時に建てた家に30年ほど住んでいました。
ーー確かに、富山では、結婚のタイミングで家を建てる人がたくさんいらっしゃいますよね。
妻:とても気に入っていた家ではあるのですが、結婚のタイミングで家を建てるってとても難しいことなんですよ。「あまりにも将来がわからなさすぎる」んですよね。子供ができるのか、何人家族になるのか、10年後、20年後どんな暮らしをするのかわからない中で、生涯住み続ける家は建てられないと思ったのも事実です。
夫:現在50代になり、会社を退職した後のことも具体的に考えられるようになった段階で新しく家を建てたのはよかったと思っています。前に住んだ家も無事に売れたので、新しい家の建設資金とすることができましたし。
◎「ワイン」「本」「音楽」…好きなものに囲まれる暮らし
ーーマイホームを建てるにあたって、大切にされたことはなんですか?
妻:私は暖炉の火を囲みながらワインを飲み、音楽を聴いたり本を読んだりする時間を持ちたいと思っていました。そんな叶えたい風景を先に描いてから、家のデザインを決めていきました。
夫:私が大切にしたかったのは「シンプル」というキーワードです。音楽を聴いたり、映画をみたりするのが好きなので、音響設備やテレビの大きさにはこだわりましたが、そういったオーディオ機器がごちゃごちゃと表に出るのは嫌で。見た目はすっきり、コード類も全て裏に隠れるように設計してもらいました。
ーーそれでは、ルームツアーをお願いします。
夫:1階部分はキッチンとリビング、2階部分には、プライベートが全て完結するようにお風呂、洗濯場、寝室やクローゼットなどを作りました。1階と2階でプライベート空間と応接・リラックス空間を分けられたのはよかったです。
妻:解放感が出るように吹き抜けにし、階段部分に、壁一面の本棚を作りました。これは、とあるレストランの壁一面に並ぶワインからインスピレーションを得て、本などをアートのように並べよう!と思ったのがきっかけです。
ーー照明も素敵ですね。
夫:はい。間接照明を多く取り入れ、いろんなシチュエーションに合わせて変化させられるようにしました。仕事など集中したい時、ゆったり音楽を聴いている時、食事をしている時など、シーンに合わせて変えています。
ーー他にこだわりポイントはありますか?
夫:家の外観から、排気口や電線、エアコンのダクト等が見えないように徹底的にこだわりました。試しに、いろんな家の外壁をみてみてください。排気口が、せっかくの外観デザインを台無しにしてしまっていることが多いと思います。
妻:私はそういった点にはあまり興味がないので夫に任せていたんですが(笑)、こだわったのはキッチンをガスコンロにしたりペレットストーブを入れたりして「火」を日常的に取り入れたこと、庭の草木の種類にもこだわり、落葉の多い種類を避けたことでしょうか。
夫:壁は天然素材ですし、ブナやナラ、ケヤキなどの天然木を使っているので、自然素材に囲まれて生活できるのも気に入っているポイントです。細かいところで言えば、家の一つの対角を斜めにカットした形にし、三角形の庭を作り、奥行きを出しました。富山の家にしては土地の面積が53坪と狭いので、空間を広く見せるための工夫です。また、雨や雪の日が多いので、雨に濡れずに車に乗り降りできるようにもしました。
▲ペレットストーブを囲みながらワインを楽しむ
ーー失礼を承知で伺いますが、これから老後を過ごしていく家にしては「段差」が多い気がするのですが…。
妻:あえて”下がりリビング”にしたり、2階にお風呂や寝室を作ることで「ずっと元気に生きたい」と思って(笑)。
夫:自然と運動量が増えて、健康促進につながっている気がします。
ーーなるほど。引退後も元気に生活するための工夫だったのですね!実際にこのおうちでの暮らしをされて、変化はありましたか?
妻:自分の愛するものに囲まれた生活が叶い、とても充実しています。「家に帰りたい!」と思うようになり、家にいる時間が自然と増えましたね。
夫:夜にワインを飲みながら映画を見たり、音楽を聴いたり。自分が理想とする時間を過ごせるようになり、ストレスもぐんと減りました。
ーー家づくりで、ちょっと後悔されているポイントがあれば教えてください。
妻:これからは夫婦二人、ゆっくりとした時間を過ごそうと設計したので、人が宿泊する部屋がない点ですね。娘が帰省した時に、泊まる場所がないと怒られました(笑)。
夫:後悔している点はそれくらいかな。かなり満足しています。
◎マイホームは人生のパートナー
ーーこれからマイホームづくりを検討されている方に、アドバイスがあれば教えてください。
妻:間取りを設計してから、内装を決めていくことが多いと思いますが、私たちはどんな家具を置くか決めてから設計しました。私が小さい頃から使っているピアノや、亡くなった義理の母が使っていた棚など、大切にしたいものたちを先に決め、そのサイズにあった間取りにしたんです。
夫:収納場所が多いと物が増えてしまうと思い、収納スペースは少なめにしました。自分たちが持っている物の量を把握し、人生の次のステージを楽しむために本当に必要なものは何かを考えて、家づくりに臨んだのがよかったと思います。
ーー特に、会社を退職後に地方移住を考えている方に、50代で作るマイホームの良さや、富山での暮らしのおすすめポイントがあれば教えてください。
夫:第二の人生を思いっきり楽しむために、自分の趣味や好きなものに特化した家を建てて住むのはアリなんじゃないかと思います。首都圏に比べて土地代がかなり安いので、その分デザインや素材にこだわることができますよ。空き家も多いので、ものづくりが好きならDIYするという手もあります。
妻:富山に住んでいるからと言って、都会を楽しめないわけではありません。私自身も、コロナ禍以前は毎月東京へ行って、歌舞伎や演劇を観たり、銀座の美味しいレストランに行ったりしていました。東京はとても楽しい場所だけれど、東京に住みたいと思ったことはありません。山が美しく、お水も食材も美味しい富山で暮らしながら、時々東京で趣味を思いっきり楽しむのが私にとっての幸せです。
ーー北陸新幹線で東京までたったの2時間ですもんね!確かに、富山に住みながら都会の楽しみも享受できる生活は、理想的かもしれません。本日は素敵なおうちを見せてくださりありがとうございました。
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人生100年時代。第2、第3の人生を楽しむ場所を、思い切って地方に移してみるのはいかがでしょうか。
都会での楽しみを諦めるわけではなく、都会の楽しみを時々享受しながらも、自然豊かな土地で自分の「好き」に囲まれて生活する…。
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