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境界と宿命と情熱と・・・

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なぜ花を活けるのか…その意図は?

この空間をどうとらえている?

生きるとは…?

気に入った間取りで、素敵な家具に囲まれていても、それだけでは人の生きる空間は完成しない。

だからといって、インテリア雑誌やブティックに飾られているように、あれもこれもとアクセサリーを増やして行くように、飾り立てる事は知的な行為とは言えない。

人間は決して自然と切り離されて生きるものではないから。

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リース作りが佳境に入りました。クリスマスを迎える準備として、または、年末の風物詩として飾る事が増えてきました。

では、いつからこのような形状となり、お飾りとして用いられてきたか?

紀元前4000年頃からガーランドのようなデザインがあったとされ、印章や土器に刻まれていたそうです。

そして、古代エジプト時代、盛んにリース作りが行われたのは、重要な宗教儀式には欠かさなかったから。

そして、自分自身を飾る為に輪にして、頭にのせたり、体に巻き付けたりして威厳を示したとも言われます。リースの内と外で、明確な境界を作ることができたからです。

このころから、花屋が街に溢れていたというのですから、国の繁栄と、意識の高い文化が伺えます。

そこから後年、西洋文化の中でインテリアフラワーとして飾られ、現在に至っています。

クリスマスリースとして、ドアに飾られたのも、
「永遠・供養・繁栄・歓迎・境界・魔除」などの人間の営みにとって明確な
意味を持ったからでしょう。

そんな意図を持って、それぞれの思いを込めたオリジナルのリースをと、毎年レッスンを続けて来ました。

今年は特に、邪悪なものからご自身、家族の幸せを守る最強のリースになっております。ですから、ただのお飾り的に捉えるのは、とても惜しいです。

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香り高い生徒さんのリース。香りのプロフェッショナルも感動するナチュラルリースの芳潤さといったら。


phontoのコピー

【花のある暮らしとは、どのようなものなのか?】

パリで見て知ったアールドヴィーブルの精神。

その根底にはリベラルアーツという教養が息づいていました。リベラルアーツとは、簡単に言うと、自由人として生きるためのスキルです。

問いを持ち、考えるという哲学を多くのパリジャン・パリジェンヌ達は自然と身につけていました。

「なぜ花を活けるのか…その意図は?この空間をどうとらえている?生きるとは…?」

これは常にある私の問い。

それに対する私の答えは変化し続けるけれど、根源的なものは変わらない。

植物の世界はサイエンス、私が創り出す世界はアート。

そこで自由に表現することは、花を活かし自分を活かすこと。

生かすと活かすでは、意味合いはまるで違う。生きる事には真剣だけど、自分を活用しきれていないのではないか?と常に疑いの目を向けている。

表現というのは、自分を外へと解放していく事であり、そこから他者とのコミュニケーションが生まれ、人の役に立つことができる。

単なる消費で終わらないのがアートだというのが私の考えです。誰もが、生まれた瞬間からアーティストなのだと岡本太郎氏も言っていた。

ならば、自分の生命を活かす事は宿命です。

消耗品を制作するのではないから、問いを持ち自力で答えを出し続ける。

日常をしっかりと生きる事が、自分に問い続けて行ける筋肉を鍛え、強くしてくれるのだ。

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今朝は、空が燃えていました。宇宙の情熱を感じた瞬間。


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