熊谷珠樹フラワーアーティスト

東京・恵比寿で隠れ家サロンのフラワー教室を運営、フルオーダーメイドのフローラルアートの…

熊谷珠樹フラワーアーティスト

東京・恵比寿で隠れ家サロンのフラワー教室を運営、フルオーダーメイドのフローラルアートの制作をしています。パリ仕込みのフィロソフィーを持ち、花で哲学するフォトエッセイを書いています。https://tamaki-flower.com/

マガジン

  • 読む花レッスン〜自分が整い人生がもっと豊かになる一花一葉術

    どこにいても、マイペースで花を学べるように「読む花レッスン」を始めました。読んだら実践してみましょう。無料添削を受け付けています。一輪の花を愛で、一枚の葉に遊ぶ。花のある暮らし実践講座です。

最近の記事

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今の自分が一番好き

若さを欲するより、細胞のアップグレードを目指す! 今回は、私がイベントアンバサダーとなって撮影に臨んでおります。 いやはや、30年のブランク。 26歳でモデルをやめて、フラワーデザインを学びに単身パリへ発ったのでした。 でも、今回の撮影で悟りました。現役モデルだった20代の頃より、今の自分はなかなか良いぞって。心に余裕ができたせいかもしれません。 アラカンなんて、アッケラカンで屁のカッパ。 細胞は死ぬまで進化し続けますからね。皆さんに少しでも元気をお届けできたらしあ

    • ノートルダム大聖堂・聖地へ向かわせる力

      名著、名画と世に言われる名作は沢山ありますが、人によって様々で必ずしも学校の教科書に載っているような、正しい名作じゃないかもしれない。 子供達が夢中になって読む漫画や見ているアニメ、またはゲームのなかに隠れた名作があるかもしれない。 大人が奪ってはいけない聖地の入り口。 私にとっての名作は何といっても”ベルサイユのばら”と”ラ・セーヌの星”。どちらもフランス革命が舞台です。 それらは、私を聖地へ向かわせ人生を変えた作品です。それを名作と言わずしてなんとする。 2019年

      • 幸せのデジール

        美の根源には必ずデジール(デザイア)がある。 パリの故恩師は「善きデジールを持つ為には哲学が必要」と教えてくれた。 その時、「欲望」に対する概念が変わった。 日本の教育では欲望を削ぎ落とすことが善と言うけれど、知性ある欲望が美を創造するのだと学んだ。それが美学だと。 削ぎ落とすべきものを間違ってはいけない。 江戸のリゾートと呼ばれた東京の目黒界隈は桜がたくさん植えられています。大名の別荘地としても発展した土地ですから。 広重の浮世絵を思わせるシーンがあちらこちらに見

        • アートとは救い

          花を生けるこの瞬間こそが永遠なのだ。と、 私自身がそう気付くことよりも、レッスンにいらした方々から確信を得ることで悟りになる。 無心に花に向かうその姿から、悠久の彼方を漂っていることを窺う。 花は悠久の彼方へ誘う神…おいおい、麻薬か(合法だよね)?! 花が枯れた時、人は「終わった」と言うけれど、残念ながらそこが始まりなのだよね、友よ。次にやって来る新しい時代が。 この地球で、植物は30億年以上も先輩なのだから人間の物差しでは計り知れない(もっと謙虚にならねば)。 ゴ

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        • 読む花レッスン〜自分が整い人生がもっと豊かになる一花一葉術
          1本
          ¥300

        記事

          5000年の水中呪術

          香味料として、また薬草として長年に渡って人類の営みに寄り添った植物Dill(ディル)。その歴史は5000年以上前から使われて来たと言われています。 ディルの語源は古代バイキング語ということで、もうこの物理世界からの視点ではディルの正体は掴めない。 その強烈な香りを放つディル。古代ローマ時代には精油から強壮剤を作ったり、魔除けとしてリースや冠を作ったり、様々な用途があったそうです。 この様に、ニーズがありまくることから富の象徴とされ、年貢をディルで納めたようなことも聖書に

          人間臭さから生まれる美的カルチャー

          パリという街はカフェと花屋がやたらに多い。カフェ文化が育ったのはよくわかる、彼らは討論が好きだから。議論を熱く戦わせるのにコーヒーはそのテンションを上げる役割もあるのだろう(ワインでは酔っ払ってしまうから)。 そのようにして、市民たちの憩いの場であり、議論を展開する場所から王政を倒すフランス革命にもカフェ文化は一役買ったのでした。 では、パリの街に花屋が多いのはなぜか。パリジャンがブーケを女性に贈るイベントといえば、ヴァレンタインデーや誕生日、結婚記念日などがあるが、実は

          人間臭さから生まれる美的カルチャー

          春爛漫、衰えないクリエイティビティの鍵

          春爛漫で天真爛漫。そこに創造の根源があると気付かされました。 スイートピーと桜で、春を奏でるこどもみらい塾フラワークラス。 それぞれ天真爛漫に創作を楽しんでいました。 こんなふうに、自主的にワイヤーで花を作ってラッピングまで! まず、大人のレッスンではありえない光景です。 天真爛漫であるとは、優れたクリエイターであると気付かされました。 天真爛漫。これをフランス語で何というのか?まずは言葉の分析をしてみました。ググると”イノセント”になってしまうのだけれど、全然ピンと

          春爛漫、衰えないクリエイティビティの鍵

          ゲルニカの花〜聖なるもの

          春の訪れを約束するように咲くアネモネは希望や再生の象徴と言われ、沢山のポジティブな花言葉が付けられています。ギリシャ神話では、アドニスの血から咲いた花をアネモネと言った。 ピカソのゲルニカの絵には、折れた剣から一輪の花が咲いています(中央下)。聖なるものの象徴として描かれたその花はアネモネではないかと言われています。 「あなたがアネモネを見たのなら、それはアネモネなのだろう」ピカソの声が聞こえてきそうです。 今月の「文学と一花一葉」はこのアネモネを生けて頂きました。 文学

          ゲルニカの花〜聖なるもの

          祝祭の花~my name is woman

          FESTA DELLA DONNA(フェスタ・デラ・ドンナ)イタリアでは3月8日は男性から女性へ、感謝を込めてミモザを贈る日。さすが、カンターレ・マンジャーレ・アモーレの国だ。いちいちやることが陽気でスマート。 少子高齢化ジャパンも3月3日のひな祭りは女性フェスタにしたらいかがだろう? 3月8日は国際女性デーでもあります。婦人参政権を求めたデモが起こった日(1904年3月8日)。たまたまミモザの咲く季節だったことと、イタリアのフェスタと結び付いて「ミモザの日」になった。ら

          日本人の美しき感性が鴨の悲鳴を聞く

          日本人ほど「型」にこだわる民族は他にない様に思う。信仰心をもたないのに、型にはこだわる事が海外の人からすると珍しいらしい。 さて、桃の花とフリージアの甘い香りが漂う教室で、「灯りをつけましょぼんぼりに〜♫」と、元気な歌声が響き渡るこどもみらい塾フラワークラス。 子供達お得意の替え歌ヴァージョンで、それぞれのひな祭りを熱唱するも、三人官女も五人囃子も出てこない。 まさに型破り。 「自由な私のひな祭り」なのだ。 今回は、オクラレルカという葉物を使ったのですが、その葉っぱを茎

          日本人の美しき感性が鴨の悲鳴を聞く

          黄金の太陽ミモザの結界

          春を告げる花の中でもダントツ人気のミモザ。この甘美な香りと姿形に似合わず、味は激苦です(良い子は真似しないでね)! 南仏コート・ダジュールは毎年2月にミモザ祭りが催されます。 そして、3月8日のミモザの日は、国際女性dayとして日本でもすっかり定着しましたが、これはイタリアで男性から女性へミモザを贈る「ミモザの日」に由来するものと思われます。 それから、アメリカではミモザの日はなんと5月。こちらはシャンパンとオレンジジュースのカクテルの方のミモザ。 とにかく、モテモテ

          黄金の太陽ミモザの結界

          時空がゆがむ重力と美しき人間の本能

          この世には絶対的な時間も空間も存在しない。壮大な、かけ離れた世界だと思っていた相対性理論だったが、私たちは確かに重力によって動かされているのだと気付いてしまった。 時空が歪んでしまう重力を私は見たのだった。。 新年会には少し遅い2月の半ば、フレンチレストラン「ラ・ロシェル」を貸し切って”美・JAPON”の新年会がありました。 美・JAPONの代表で、デザイナーの小林栄子さんとは、昨年夏のファッションショーの舞台装花をさせて頂いてからのお付き合いですが、なんだかんだとお会い

          時空がゆがむ重力と美しき人間の本能

          花ひらくニュー・ジャポニズム

          日本人は自然を人間化する知性を残している稀有な民族です。私はそれを誇りに思い、日本人に生まれたことを有り難いと思っている。 しばしば花のレッスンで、生徒さんたちは自分が扱う花を「この子が…」とか、「この人は…」と、まるで人間と接しているかの様に語る。 そのことを「日本人は西洋人に比べて幼い」と私は思っていた。しかし、それはプリミティブというべきなのだと最近わかった。 プリミティブと言ってしまえば、日本語では原始的なものと訳されてしまいがちだけれど、実際は根源的なものと私

          花ひらくニュー・ジャポニズム

          幾つになっても女の子

          ひたむきに花に向かうその手が可愛らしくてたまらない。 誰もが、小さくてやわらかい手を持っていたんですよね。 いえ、ゴツゴツした手になっても、心にはやわらかな女の子が住っている。「痛いおばさん」にならぬ様、見張っていて欲しい。 私の中では、「ちゃん付け」で名を呼んでくれる友やパートナーの存在はありがたい。私の中の「女の子」がくすぐったそうに喜んでいる。 そして私も、女性を「ちゃん付け」で呼びたいのだ。その人の中に居る女の子を好ましく思うから。(時と場合を選ぶけれど…)

          一葉の如し翻弄されて

          アイリスという花は、子孫繁栄のために美しく進化し続けた花です。 美しい花は何度でも繰り返し咲き続ける。 未来永劫。 人も、その歳の花を美しく咲かせる生き物です。 さて、今年最初の「文学と一花一葉講座」は、樋口一葉のたけくらべ。 五千円札の顔になった女性文士の人生を紐解きながら、たけくらべを読み合わせ。 頭で理解する読解ではなく、それぞれの感性で読み解けることが名著の素晴らしさなのかもしれない。 今回の一花一葉は、球根アイリスに一葉のミスカンサスをあしらう。 それを取り囲

          エレガンスは控えめに

          相手の好みがわからない時の花贈りは至難の技です。ややもすれば、贈る側の好みと「喜ばれたい」という圧で、素敵なサプライズ計画は破綻してしまう。 その圧を消すために、思い出したいのは「クワイエットラグジュアリー/ 静かな贅沢」。 花に主張させるより、沈黙を要する。 見た感じが高級感を醸し出す華やかなものが好まれたのは過去のこと。そういうまやかしの「ラグジュアリー」は見抜かれるというちょっと怖い時代になったという訳です。 一時的に”フリ”をするのは簡単だけど、それこそサステ